しんの悩み
「禁断ってなったら、この漫画読んじゃってさ」
俺は、スマホの電子漫画の北陽先生の愛弟子の春風先生が描いた漫画を優依に見せる。
「これは、駄目でしょ?」
「でも、こうなってるけど、ほら、そうなってるわけだから」
「いやいや、これを、ドラマや映画には出来ないから!しん、わかる?」
「そうだよね」
「当たり前だよ!こんなの流したら、しんの価値下がるよ。」
「だよね。なら、この年齢ぐらいはどうかな?」
「昔、あったよね。この年齢ぐらいのドラマ。で、これは映画何だよね」
「そうだよ」
「しんは、どれぐらいがいいの?」
「そこを考えると、それを悪だと思ってない年齢がいいんだよ。何で、いけないのかわからない。」
「それで、この年齢ね。駄目だよ」
「わかってるよ。どっちを若くしようかとかね」
「男が若いパターン、最近結構あるよね」
「そうなんだよ。」
「でも、しんは男だから女の子が若いパターンがいいんじゃない?」
「でも、そうするとこのイメージにいくかな?」
俺は、悩みながら優依に春風先生の作品を見せる。
「イメージは、これがいいの?」
「そうなんだよ。これがいいんだ。」
「しん、結構、難しい事考えてるね」
「そうだよな。」
優依は、俺の頬をつねる。
「なに?」
「もう、今日はアイディアでないよ」
「そうだな」
俺は、ノートを机の下に閉まった。
スマホを切る。
「しんが、辛かったらやめていいんだからね。」
「わかってる」
「この仕事で、食べれなくなったら僕がしんのかわりに稼いでくるから」
「わかってる」
優依は、俺に抱きついた。
「禁断の愛、経験したくてもしないでね」
「今?」
「煮詰まってしちゃうとかさ」
「ないよ、ないない」
「本当に?」
「本当だよ」
「しん」
「なに?」
「待てを言われた僕達は…。の凛音と海斗の台詞。もしかして、しんが僕に思ってくれてる話だったりする?」
俺は、優依の腰に手を回す。
「そうだよ。俺は、優依のいない世界はいらない。」
「しん」
「人生という物語のハッピーエンドが、結婚して子を授かる事だとしたら、俺は、バッドエンドなんだと思う。それは、身体だけが繋がらないでも書いた事。シンプルに考えれば、俺の物語はバッドエンドだよ。でも、そうじゃないハッピーエンドが俺は見たいんだよ。今までのハッピーエンドに飽きた人、自分はなれない人、叶えたかったけど無理だった人。たくさんいると思うんだよ。小さなハッピーエンドを見つける作品を作りたい。その中で、誰かの日常に光をさせるような作品を一つでも描きたいんだ。優依が、見つけてくれたあの日から、俺の目標はそれになったんだよ」
「しん、いいと思うよ。僕は、応援するよ。しんの夢を応援するから」
「優依、ありがとう」
「キスしていい?」
「どうぞ」
優依は、俺にキスをしてくれる。
「MOON先生に、話聞きに行くの?」
「うん、聞きたい事があるから」
「いつ?」
「優依も行く?」
「占い師だって聞いたから」
「占ってもらいたいの?」
「少しはね」
「いいんじゃない?」
「でも、怖いかも。」
「大丈夫だよ、MOON先生は優しいよ」
「じゃあ、行く時はついていくよ」
「うん、一緒に行こうか」
「しん、大好きだよ」
「俺も、大好きだよ。優依」
「僕は、今回のお話好きだったよ。リアルではなかったけど、僕もウイルスが身体に入ってもしんといたい。」
「俺もだよ。優依」
優依は、俺の胸に顔を埋める。
「身体の関係なんてなくたって、僕はしんの傍にいたいよ」
「優依は、それがないと駄目な人間だったんじゃないのか?」
「しんに出会ってから、僕は変わったんだよ。しんのお陰だよ。僕は、それがなくたって生きていけるよ。しんしかいらないんだから…。」
「優依、可愛いね」
俺は、優依を抱き締めた。
「じゃあ、見るんでしょ?叩かれちゃったけど…。」
「ああ、見ようか」
優依は、立ち上がってBlu-rayを再生してから俺の隣に座った。
俺は、パソコンを閉じてテレビを見つめる。




