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彩られる作品【仮】  作者: 三愛 紫月
身体だけが繋がらない
65/135

⑥

帰宅して、恵美子に離婚と言われて、服を着替えて家を出ていた。


ブー、ブー


「はい」


『もしもし、三上。晩御飯食った?』


「佐木先輩、お疲れ様です。今から、ラーメンでも食べに行こうかなと思ってまして」


『じゃあ、一緒に飯食おうよ!駅前で待ってるわ』


「わかりました。」


俺は、駅前まで行った。


「よっ!」


「お疲れさまです」


「嫁と喧嘩しちゃってよ。息子の高校受験、私立は駄目だとかそんなんでな!三上は?」


「今日、嫁が体調悪くて」


「えっ?おめでたか?」


「いや…。違うと思います。」


「そうか」


「何、食べますか?」


「焼き肉行こうぜ」


佐木先輩に、焼き肉に連れてこられた。


「お疲れ」


「お疲れ様です。」


「後で、いきつけのbarに連れていってやるよ。」


「ありがとうございます」


先輩が、肉を注文して俺は食べる。


「三上は、いいよな!子供なんかいたって金かかるだけだぞ!こんな、ご時世未来に期待なんかできないし。選択子なしが、正解だぞ!」


選択子なし?


誰が、いつしたと言うのだ。


「夫婦二人の方が、楽だぞ。この先の人生も大変だしな!今から、産まれたってめんどくさいだけだろ?子供産まれてから、喧嘩ばっかりだしよ。」


先輩は、愚痴を言いながら肉を焼いてる。


こういう話が嫌だから、俺は後輩としか飲みに行かなかった。


めんどくさい。


選択子なしだと思われている。


「さあ、bar行こうか」


そう言って、お会計をした。


「ここは、俺が払うから次よろしく」


「はい」


次って、何だよ。


恵美子の元にも、帰りたくないけれど…。


先輩とも、いたくなかった。


「ここのbarは、普通じゃないんだよ。」


「えっ?」


カランカラン


「いらっしゃいまーせー」


「ゲイバーだよ。」


「先輩、俺…」


「大丈夫、大丈夫。ゲイしかきちゃ駄目なわけじゃないから」


そう言われた。


暫く飲んでると…。


「悪いな!俺、沢井さんとガールズバー行くからさ!三上は、ゆっくりしとけよ。店長、こいつ。そっちじゃないからね」


「はい、わかりました。」


「よろしく」


そう言って、帰ってしまった。


何だ、あの人。


「悩みあるんですか?」


「えっ?ああ、まあ」


「私でよかったら聞きますよ」


「あっ。今日ね、妻に離婚って言われて。昔から、喧嘩する度に離婚だって言っちゃうような人なんです。でもね、そんな事言っても俺を愛してるのわかってるから…。なのに、今日のは違ったんです。本当にサヨナラって言われたんです。それを、ハッキリ感じてショックで…。」


「三上さんは、奥様を愛してるんですね。」


「うん。15年経っても、まだ妻を愛してるよ。俺達ね、子供出来ないんだ。それを周りには、選択して子なしを選んだって思われててさ。選択してたら、辛くなかったんだけどね。無理やり、それを選ばされたせいで。妻が、苦しい思いや悲しい思いをしてるのは、知ってる。でも、俺は妻を、その沼から救い出してあげられないんだ。」


思い出して、泣いていた。


店長さんに、ハンカチを差し出された。


「すみません」


「それでも、一緒に居たいからお互いに辛いんですね。」


「そうだね」


気づくとお酒をどんどん飲んでいた。


「閉店ですよ」


「寝てましたか?すみません」


「大丈夫ですよ。」


スマホを見たら、真夜中の2時だった。


「すみません」


フラッとしてしまった。


「送りますよ。私も上がりなんで」


店長さんに、送られる。


ふわふわ、ふらふら。


久々にこんなに飲んだ。


恵美子といたいだけなのに、どうして神様は、俺達に嫌がらせするんだよ。


二人の子供が欲しかったのは、俺だって同じだよ。


俺は、やっぱり恵美子と一緒に生きていきたいんだ。


初めて、こんなに人を好きになって。


初めて、こんなに一緒にいたいと思った。


結婚しなかったら、俺達は仲良しのままでいられたのかな…。





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