待ってますね
「そう、言っていただいて嬉しいです。これからも、私はボーイズラブを書いていきます。ハッピーエンドだけど、皆が欲しがるハッピーエンドではない物語を…。」
「はい!私は、しんさんの作品ができたら、必ず見させてもらいますね」
「三日月さん」
「はい」
「取材した時に、言ってましたよね!自分は、子種がないと」
「はい」
「私も同じですよ」
三日月さんは、驚いた顔をして私を見た。
「そうだったのですね」
「はい。私は、子種がなく。妻は、排卵しない身体だった。いくら、頑張った所で無理なんだと泣きながら笑い合ったのを覚えてます。ただ、絶対はないからと難しい、無理に等しいと言われた医者に通わずに私と妻は手探りで妊活をしていました。」
「そうだったんですね」
「当たり前ですが、無理でしたけどね。それでも、二人で心を磨り減らしやってきました。ただ、最後は本当に心が折れたんです。だから、離婚した。もう、頑張れなかったんです。お互いに…。私と妻はね、お互いに納得して別れました。今でも、連絡をとっています。でも、妻に子供が出来ていたら私は喜べたでしょうか?そんな事を時々、二人で話すんです。」
「その答えは、出ましたか?」
「はい!お互いによかったねって言えないねって!笑い合うんです。私は、妻に話すんですよ。よかったねって言えなくていいんだよって…。おめでとうって言えなくていいんだよって!それを言えない事を悪のように言う人がいるけど、私はそれは違うと思うんです。本能に忠実にいかされてるせいだって思うんです。もしも、私自身が子孫繁栄を考えない人間だったら、よかったねやおめでとうを素直に言えるんですよ!でも、私は子孫繁栄を考える人間だから…。それを言う事は出来ない。ただ、心から言えなくたって口には出せますから!」
「確かに、そうですね」
そう言って、三日月さんは笑った。
「では、また感想をお待ちしております」
「はい!見させてもらいます」
私は、三日月さんに頭を下げて帰宅した。
「今回も、よかったよ!ありがとう」
帰宅して、優依に抱きつかれた。
「お役に立ててよかった」
「しん」
「何?」
「しんの作品は、世の中的にはバッドエンドだよね」
「それは、どの角度の世の中?」
「普通の世の中だよ」
「普通のね!そうだろうね」
「僕さ、今日従兄弟に久々に会ったんだよ」
「うん」
「子供がいるんだ。優依も可愛いぞって言ってきてさ。僕だって欲しいんだよ。しんと僕の子。知らないからって平気でそんな風に言われたら、従兄弟と僕はもう仲良く出来ないよ」
優依は、私を後ろから抱き締めてきた。回された優依の手を握りしめる。
「相反してるんだよ。優依と従兄弟は…。混じり合いはしないよ。小さな頃とは違う。水と油だよ。だから、従兄弟に優依の気持ちは理解できない。手にした未来が違うんだ。わかるだろ?」
「僕は、一生従兄弟を羨むのかな?」
「それは、わからない。けど、死ぬ瞬間には自分の人生は最高だったって思えたらいいよね。」
「しんも、同じだよね。わかってるのに、ごめんね」
「いいんだよ。気にしないで」
私は、優依の手を撫でた。
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数日後、三日月さんから手紙がきた。
とても、よかったと言ってもらえてホッとしていた。
真理亜との話を題材に描いていただけて嬉しかった。と書いていた。
いつか、また、しんさんの作品の一部になれたら嬉しいと言ってもらえた。
「よかったね、しん」
「うん、三日月さんに気に入ってもらえただけで充分だよ。それに、俺の作品が面白くなくたって、吉宮凛君と鴨池はやて君だからお客さんが見に来るし、視聴率がとれるんだ。俺は、何も意味ないんだよ」
「しん、悲しい事言わないでよ。僕は、しんが描く物語が好きだよ。ほら、最初の目標を見失わないで。」
「最初!そうだね。俺は、彼女に書いてたし、一人でも読んでくれたらいいと思ってたんだ。それじゃあ、許可をとってくるよ」
私は、優依に笑いかけた。
次の、深夜にやるドラマの許可を取りに行こう。
駄目なら、別の作品にするか…




