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彩られる作品【仮】  作者: 三愛 紫月
エピローグ
134/135

優依が思う気持ち

僕は、しんにツブヤイターのコメントを見せられていた。


「同性を好きな私としては、ハッピーエンドは手に入らないしんさんの作品が大好きです」


「いいところを読んでない?」


「こういうのは、いいところを読むんだよ。しんさんの作品の蛹は蝶の夢を見るを見ました。まるで、自分の事のように思いました。小太郎の考え方と自分がリンクしました。僕も、勇気を出して好きな人に気持ちを伝えます。」


「優依、いいところばっかり読んじゃ駄目だよ!これ、読んでみてよ」


「えー。」


僕は、しんに指差されたコメントを読む。


「妊娠しないとか妊娠したいとか題材が重たすぎます。同性に恋してる時点で諦めていますから!こんな考え方は片寄りすぎです」


「ほら、これも」


「心だけが繋がらないで初めて作品を見ました。ただのセックス依存の話を書かれていますか?美談にされすぎて、見たくないです。」


「ほら、これ」


「身体だけが繋がらないを見ました。何を言いたいのかわかりません。不妊で悩んだ事ありますか?逃げてばかりで治療もしないなんてあり得ないです。」


「ほら、これもね」


「欠けたピースは戻らないを見ました。自分勝手な二人。産んでくれた親を何だと思ってるのですか?親だって人間です。もっときちんと書いてもらいたいです。」


僕は、怒って机にスマホを置いた。


「何で、こんな批判コメントばっかり読ますんだよ」


「これが、正解だろ?」


「そんなわけないじゃん。不妊の事、馬鹿にしてるとか気持ちわからないとか、治療してから言えとかさ!もう、こんなのしんの作品関係ないじゃん」


僕は、しんの二の腕をバシバシ叩く。


「痛いよ、優依」


「だってさ、しんと梨華さんがスタートラインにも立てなかったの知らないじゃん。みんなが、不妊治療出来るって前提じゃん。こんなの腹立つよ。出来ない人だっているんだよ。しんや梨華さんみたいに…。僕だってそうでしょ?酷いよ!治療を選ばない選べない人は、駄目な人間なの?何で、不妊の人同士で叩き合いするんだよ。」


優依は、そう言って俺の肩に頭をおいて泣いてる。


「優依、俺の為に泣かなくていいんだよ。」


「嫌だよ!泣くに決まってるよ。しんの作品を酷く言われるのが嫌なんだよ。」


「物語って、そんなもんだよ。誰かには刺さっても、誰かには下らない話なんだよ。だから、気にしないでいいんだよ」


「だったら、嫌な投稿読ませないで」


「じゃあ、素敵な投稿読んでみてくれる?」


「そうだね」


僕は、しんのツブヤイターを見る。


「身体だけが繋がらないを見ました。主人と泣きながら話をして不妊治療をやめる事にしました。お互いを嫌いになりたくない。私達は、心も身体も繋がっていたいと思いました。ありがとう、しんさん」


僕は、ニコニコしんを見つめる。


「心だけ繋がらないを見ました。僕も大切な人を失くしています。今の人をなかなか好きになれなくて悩んでいました。これを、見たら自分の恋は間違ってないんだと思いました」


僕は、しんの腕に腕を絡ませる。


「温度を見ました。人を好きになる気持ちがよくわからなかったです。でも、これを見て好きになる事はどうしようもない程苦しい事。好きになれなくても、ただ、傍にいるだけでもいいことを教えられました。」


「嬉しそうだね、優依」


「嬉しいに決まってるよ」


僕は、次のを見つけて読む。


「待てを言われた僕達は…。を見ました。好きな人に触れられる自分は幸せ者だと思いました。」


「優依、ありがとう」


しんの匂いが好き。


僕の髪を撫でる手が好き。


「しん、色んな事を言われても、これから先も僕が守るから!嫌な投稿なんか見ないでよ。しんにしか書けない声をずっと書いてよ。不妊の事、自分の身体を好きになれなかった事、スタートラインにも立てなかった事!僕が、全部受け止めるから…。しんの一番の味方でいるから」


「ありがとう、優依」


しんは、僕を引き寄せて抱き締めてくれた。


「しんを見つけたのは、僕なんだ。だから、僕以外しんの作品を否定しちゃ駄目なんだよ。」


「何だよ、それ。」


「しんが、傷ついて苦しくて嫌な思いするなら、もう書かなくていいから…。本当に書かなくていいから」


「優依」


「趣味なら、傷つかないでしょ?嫌な思いしないでしょ?」


「優依、大丈夫だよ。俺は、それでも書きたいんだよ。」


「しん」


しんは、僕の涙を拭ってくれる。


誘ったのは、僕なんだ。


この世界に…。


なのに、しんに傷付いて欲しくない。


「どの業種でも、叩かれるんだよ。だから、優依。心配しなくていいんだよ」


「しん」


しんが、悩んで苦しんでるのを僕は見たくない。


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