【温度】⑩
ホテルroseから、歩いて15分でスーパーについた。
二人は、此処でだいたい30分買い物をしていく。
「いらっしゃいませー」
スーパーの陳列をしながら、三崎彪伍は、お客さんでやってきた一輝と花香が気になった。
初めてやってきた客で、どう見ても付き合っているようには見えない二人。
陳列をしながら、二人の様子を三崎は伺っている。
一方、一輝と花香ー
出来るだけ、二人を視界に入れながら歩く。
「今日、何するの?」
「トンカツなの」
「へー。桜のご飯食べたいよ」
「結婚したら、いつでも食べれるから」
「そうだよな!楽しみだ」
孝輔の笑顔を見ながら、花香は胸が締め付けられる。
「早く、赤ちゃん出来ないかな?」
「そのうち、出来るだろ?」
「早く、出来て欲しい。孝輔の赤ちゃん」
一輝も、それを見ながら胸が苦しかった。
二人は、買い物を終える。
「私、これ買うから」
花香は、一輝から手を離して牛乳を取った。
「うん」
レジにやってきた花香
「いらっしゃいませ」
花香の涙を溜めた目を見てしまった坂瀬泉
「185円です。」
「はい」
チクリと胸が痛む。
めちゃくちゃ綺麗な人
レジをして、花香はいなくなってしまった。
「坂瀬さん、休憩どうぞ」
「はい」
花香がいなくなった後、泉は30分休憩にやってきた。
「三崎も休憩?」
「ああ」
休憩室には、三崎がいた。
「ねー。さっきめっちゃ綺麗な人見た。」
「黒の服の人?カップルみたいな」
「そうそう!めっちゃ綺麗で、ここがね。チクッてしたの」
「それ、心臓の検査行くべきじゃない?」
三崎は、そう言いながらジャムパンを食べてる。
「何よ、それ」
「でも、僕もあの人の隣に居た人気になったわ」
「パステルブルーのセーター着てた人?」
「そうそう!」
「今度、また来たら声かけたげようか?」
「女の人に」
「そう」
「へー。じゃあ、やってよ」
「うん、やってあげる」
そう言いながら、泉と三崎は笑った。
画面が変わって、一輝と花香ー
「それじゃあ!着替えて帰るね」
「うん」
近くの公園のトイレで、服を着替えた二人
「後で、音声送るから」
「うん、わかった。じゃあね」
「じゃあ、気をつけて」
そう言いながら、花香を抱き締めてしまう一輝
「絶対、終わらせるから」
「うん、ありがとう」
そう言って、花香も一輝を抱き締めた。
「じゃあね」
「じゃあ」
そう言って、二人は別れた。
今日、孝輔が家から近い場所で、浮気をしているのを知った。
花香には、絶対に見つからないと思っていたのだと思う。
スーパーから、歩いて10分で家についた。
家の鍵を開けたけれど、孝輔はまだ帰宅していないようだった。
花香は、変装用の服をクローゼットの奥においた。
ガチャ…
「ただいま」
孝輔の声がして、部屋を出た花香
「おかえり」
朝に、シチューを作っていたから温めるだけで済んだ。
「花香、今日休みじゃなかった?」
「何で?」
「この匂い、花香のじゃないだろ?」
一輝と抱き締め合ったり、roseに行ったのに、シャワーに入っていなかったから、一輝の香水の匂いがしたらしかった。
「和ちゃんがね。欲しい洋服がこっちにしかないらしくて。代わりに見に行ってたんだ。」
和ちゃんとは、従姉妹の16歳になる息子だった。
「その店、若い子が多いし、電車で行かないといけなかったから」
花香は、必死で嘘を紡ぎだした。
自分だって、桜の香水の匂いをさせているくせに…。
今日なんか、知らないボディーソープの香りをさせてるくせに…。
そもそも、離婚をするくせに…。
花香は、そう思った。
「不快なら、先にシャワー浴びるね」
そう言って、通り過ぎようとした花香の腕を孝輔は掴んで引き寄せる。
「どうしたの?」
後ろから、花香を抱き締めて耳元に息をかけるようにして孝輔はこう言った。
「信じていいの?」
どの口が言うのだ!
花香は、そう思った。
「当たり前じゃない」
でも、まだ夫婦なのだ。
花香は、慰謝料をたくさんもらうのだ!
「花香」
「ご飯、食べようか?」
廊下で、抱き締められてる花香は、そう言って離れようとした。
「チェックさせて」
「なに?」
孝輔は、花香のワンピースのスカートを捲る。




