#725
サーベイランスから通信が入り、永遠なる破滅の教祖イード·レイヴェンスクロフトの居場所がわかったと報告があった。
それを聞いたヘルキャットとアリアは、ジャズたちに協力するためと――いや、心配で飛び出して行ったと言う。
「まったくジャズもそうだったが、ストリング人というのはどうしてああ感情的になると動かずにはいられないんだ。まるで昔のお前だよ」
「私が? そんなことあったか?」
「お前……自覚がないのか……?」
二人のやり取りを見て、エヌエーがクスクスと上品に笑っている。
メディスンはそんな彼女をギッと睨みつけると、彼女は目を逸らして誤魔化した。
「おいッ!? 永遠なる破滅の教祖の居場所がわかったってホントかッ!?」
そこへ坊主頭の男――ブラッドが駆け込んできた。
ブラッドが慌てながら訊ねると、アンとメディスンが無愛想に返事をする。
「落ち着きがないのは変わらないな、ブラッド」
――アン。
「今さらか。相変わらずトロい奴だ。それでよく監視員の隊長をやっていたな」
――メディスン。
――と、まるで極寒の地に吹く風のような冷たさで言葉を発した。
「ちょっとお前ら酷くねッ!?」
声を張り上げる夫――ブラッドを見て、エヌエーはたまらず笑い始めていた。
そんな彼女へ、アン、メディスン、ブラッドの三人が視線を向ける。
「おいエヌエー。この非常時に何を笑ってるんだお前は?」
メディスンが訊ねると、エヌエーは笑いながら答える。
「だって、なんか同窓会みたいで懐かしいんだもん」
彼女がそう答えると、三人は口を開けて唖然としていた。
だが、すぐにメディスン以外の二人――アンとブラッドは笑い出した。
「そうだな……。こうやって話をするのは……なにか……楽しい」
「だな!」
エヌエーは二人の言葉を聞くとニッコリと微笑み。
「そうでしょ」とアンにくっつく。
そんな和やかな雰囲気の中で、メディスンだけは大きくため息をついていた。
「何が同窓会だ。まったく、何年経っても何も変わらん連中だ……」
だが、そんなメディスンもまた、少し嬉しそうにその口角を上げていた。
――その頃。
ブレイクと合流していたジャズたちは、彼に連れられてオルゴー王国近くの洞窟の前へと来ていた。
ここへ来るまでにブレイクから事情を聞き、イード·レイヴェンスクロフトの居場所の他にも、この洞窟に仲間だったミウム·グラッドストーン、メイカ·オパール、ラヴヘイトの三人がいることも知る。
ジープから降り、ジャズは訊きづらそうにブレイクに声をかける。
「ブレイク……。もしかしてメイカ·オパール――彼女も神具の呪いを受けているの?」
「ああ、そうだ。あいつもオレと同じで神具を使っていた者だからな」
「それはどんな?」
「そいつは自分の目で確かめろ。それに、実際に見ながらのほうが説明しやすいしな」
ブレイクにそう言われたジャズたちは、ニコとソウルミューをジープに残して洞窟内へと入っていった。




