↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その手に見えるは機械装甲  作者: コラム
PR
70/948

#69

「ちょっと、どこへいくつもりなんだよッ!?」


ミックスが立ち上がったクリーンに声をかけた。


彼女はニュースを見て理解(りかい)したのだろう。


現在(げんざい)、中心街(ちゅうしんがい)で暴(あば)れているのは、自分の兄であるブレイク·ベルサウンドだということを。


当然(とうぜん)それはミックスも同じだった。


このバイオニクス共和国(きょうわこく)に、黒い日本刀(にほんとう)を持った少年などそうそういるはずもない。


彼はクリーンがどこへいくつもりなのかをわかっていながら訊(たず)ねたのだ。


「……兄を止めに行きます」


呟(つぶや)くように返事(へんじ)をしたクリーン。


ミックスはそんな彼女の前に立ちはだかる。


そして、そんな怪我(けが)でどうしようというのだと、必死(ひっし)でクリーンを説得(せっとく)し始(はじ)めた。


「大丈夫だって! そのうち監視員(バックミンスター)が来てあいつを止めてくれるよ!」


監視員(バックミンスター)とは、共和国(きょうわこく)の治安(ちあん)を維持(いじ)する組織(そしき)である。


こないだの図書館(としょかん)のときとは違(ちが)い、これだけ問題(もんだい)になっているのだ。


きっと今頃(ごろ)騒ぎを聞き付けた監視員(バックミンスター)が出動(しゅつどう)しているはずだと。


ミックスの言葉を聞いたクリーンは、冷(つめ)たい表情(ひょうじょう)のまま彼の横(よこ)を通(とお)り過(す)ぎようとする。


「監視員(バックミンスター)は来ませんよ」


「はッ? どうしてだよ!? こんな状況(じょうきょう)なのにッ!?」


理解(りかい)できないといったミックスに、クリーンは言葉を続けた。


監視員(バックミンスター)が来ない理由(りゆう)は、共和国上層部(じょうそうぶ)の一人――。


ラムブリオン·グレイという男が裏(うら)で手を引いているため、たとえ監視員(バックミンスター)の隊員(たいいん)が動きたくとも、勝手(かって)な真似(まね)をするなと指示(しじ)が出ているはずだからだと。


「そんなのおかしいじゃないか!? このままじゃ人が殺(ころ)されるかもしれないんだよッ!?」


「私にも、ラムブリオン·グレイにどういう意図(いと)があるのかはわかりません。ですが、前にも似(に)たようなことがあったとき……あの男は兄が暴(あば)れることを喜(よろこ)んでいるようでした……」


クリーンがそういうと傍(そば)にいた小雪(リトル スノー)が白い刀(かたな)へと変化(へんか)していき、彼女の手へと握(にぎ)られた。


その表情(ひょうじょう)は険(けわ)しく、クリーンの覚悟(かくご)を感じさせるものだ。


だが、まだ兄ブレイクにやられた傷(きず)が痛(いた)むのだろう、


その顔を引きつらせている。


ミックスはそんな彼女をなんとか止めようとした。


そんな怪我(けが)であのブレイクに勝てるのか?


またやられるだけじゃないかと、先ほど止めたときと同じような言葉を続けた。


「……見ていてください」


クリーンはそう言葉を返すと、小雪(リトル スノー)を構(かま)える。


前に見たものとは違(ちが)う、誰でもやるようなシンプルな構えだ。


「ベルサウンド流、モード小雪(リトル スノー)。雪命殺(ゆきめいさつ)……」


その言葉の後に、彼女に握られた小雪(リトル スノー)が凄(すさ)まじい勢(いきお)いで輝(かがや)き始(はじ)めた。


ミックスはその光(ひかり)の輝きに驚(おどろ)いたが、よく見ると小雪(リトル スノー)とは対照的(たいしょうてき)にクリーンの顔からは生気(せいき)がなくなっていることに気か付く。


「前は覚悟が足りずに不覚(ふかく)をとりましたが。この技(わざ)ならば兄を止めることができます」


「ちょっと待ってよ……。その技……ヤバいんじゃないのか……?」


「説明(せつめい)している時間はありません。誠(まこと)に申(もう)し訳(わけ)ございませんが、私は行かせていただきます」


「だから待てっていってるだろ!」


ミックスは、今にも倒れそうなクリーンの体を支(ささ)えるように掴(つか)んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。