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その手に見えるは機械装甲  作者: コラム
52/948

#51

ブレイクは興味(きょうみ)(ぶか)そうと笑うと、その右手を()ばす。


すると、今までソファーで()ていたた()(くろ)な犬が体を()こした。


「来い、スティール」


そのブレイクの呼びかけにより、スティールの体が日本刀(にほんとう)へと変化し、彼の伸ばした右手へと(にぎ)られる。


クリーンが連れていた白い犬――スノーを(かたな)へと変えたときと同じだ。


スティールの毛皮(けがわ)と同じく黒い日本刀へと変わり、図書館(としょかん)(ない)照明(しょうめい)に当てられて禍々(まがまが)しく(かがや)いていた。


ブレイクはその黒い刀を一振(ひとふ)りするとミックスへいう。


「テメェが適合者(てきごうしゃ)なら、良い予行(よこう)練習(れんしゅう)になりそうだな」


その言葉の後――。


ブレイクから(すさ)まじい殺気(さっき)(はな)たれる。


そのあまりの殺気に、ミックスは思わず()()ってしまっていた。


先ほどとは(ちが)恐怖(きょうふ)が全身を支配(しはい)し出す。


まるでこいつとは戦うなと本能(ほんのう)信号(しんごう)(おく)っているようだ。


「ま、まさか館内(かんない)(あば)れたりしないよね? そんなことしたら監視員(バックミンスター)も来ちゃうし」


安心(あんしん)しろ。テメェをやるのに一分もかからねぇ」


ブレイクはそう口から(はっ)した後。


握っていた刀をを()り上げた。


ミックスはその剣撃(けんげき)()らい、周囲(しゅうい)にあったソファーや椅子(いす)、テーブルを巻き()みながら()き飛ばされる。


「ミックスさんッ!?」


心配(しんぱい)して(さけ)んだクリーンの声とほぼ同時(どうじ)に、図書館内に設置(せっち)されていた警報器(けいほうき)()(ひび)いた。


けたたましく鳴るベルの音と(とも)に、ミックスたちがいるフロアが赤く発光(はっこう)する。


ブレイクは(ゆが)んだ笑みを()かべながら、吹き飛ばされたミックスの(もと)へ歩いていく。


「おいおい、まさかあの適合者さまがこんなもんで終わりじゃねぇよな?」


巻き込んで飛ばされたソファーやテーブルの残骸(ざんがい)の中からミックスは姿(すがた)(あらわ)した。


ブレイクはその姿を見て、さらに表情(ひょうじょう)を歪ませて口角(こうかく)をあげる。


「だよなぁ~。()った感触(かんしょく)金属(きんぞく)だったからすぐにわかったぜぇ~。そいつが適合者の能力(のうりょく)装甲(アーマード)ってやつか?」


(うれ)しそうに(たず)ねるブレイク。


ミックスは彼の剣撃(けんげき)を受ける寸前(すんぜん)に、両腕(りょううで)機械化(きかいか)させて防御(ぼうぎょ)していた。


大きなダメージはなかったが、ミックスは今の一撃でブレイクの強さを理解(りかい)する。


(なんて威力(いりょく)だ。まだ腕がしびれてる)


クリーンにも(おどろ)かされたが、目の前にいる和服(わふく)姿の少年はそれ以上(いじょう)だ。


ミックスは、ハザードクラスに(えら)ばれ、しかもバイオニクス共和国(きょうわこく)最強(さいきょう)と聞いていたブレイクが、当然(とうぜん)強いだろうことはわかっていたつもりだった。


だが、自分が想像(そうぞう)していたよりもずっと上だったのだ。


今のブレイクの一撃は、前に戦ったストリング帝国(ていこく)大佐(たいさ)ブロード·フェンダーが使っていた効果装置(エフェクト)での攻撃以上の衝撃(しょうげき)があった。


効果装置(エフェクト)は、普通(ふつう)の人間がマシーナリーウイルスの適合者と同じ(ちから)()腕輪(バングル)


それはつまり、ミックスの装甲(アーマード)させた(こぶし)よりも威力が高いということに(ほか)ならない。


「機械化しているとこを生で見るのは(はじ)めてだ。さて、続けようぜ」


「待ってくれ! (おれ)(べつ)に戦いに来たわけじゃないんだよ!」


「あん? シラケたこといってんじゃねぇぞ。こっちはもう小鉄(リトルスティール)()いちまってんだぜ」


「いいから聞いてよ! 俺はキミがこれ以上(あぶ)ない目に()わないために……」


「ウッセェんだよッ! 適合者がッ!」


ブレイクはミックスの言葉を(さえぎ)って襲いかかった。

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