表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その手に見えるは機械装甲  作者: コラム
23/948

#23

そこにはミックスが咆哮(ほうこう)をあげ、立っていた。


()き飛ばされたブロードは思う。


(あぶ)なかった。


(やつ)(こぶし)を受ける前に効果装置(エフェクト)をオンにしなければやられていた。


しかし、今の一撃(いちげき)適合者(てきごうしゃ)による身体(しんたい)能力(のうりょく)向上(こうじょう)だけではない。


この重力(じゅうりょく)直接(ちょくせつ)身体(からだ)にかけられたような感覚(かんかく)一体(いったい)?


かのアン·テネシーグレッチは自身(じしん)機械化(きかいか)(くわ)えて電撃(でんげき)(あやつ)ったというが。


この少年もまた身体能力の向上以外(いがい)(ちから)を持っているということか?


想像(そうぞう)もしていなかった攻撃を受けたブロードが困惑(こんわく)していると――。


大佐(たいさ)ッ! ブロード大佐ッ! 奴が来ますッ!」


ヘルキャットが彼に向かって(さけ)んだ。


ブロードはすぐに(あたま)を切り()え、向かって来ているミックスに(たい)して身構(みがま)える。


すでに距離(きょり)()めていたミックスの(こぶし)()けきれず、ブロードは機械化した両手(りょうて)をクロスさせ彼の攻撃を受け止める。


ミックスの拳を受けた瞬間(しゅんかん)、ブロードは身体ごと地面(じめん)へとめり()んでいく。


(まただ。やはりこの少年……何か適合者以外(いがい)の力を持っているッ!?)


先ほどと同じように――。


重力を直接かけられた感覚を(あじ)わったブロードは、両手だけなく両足も機械化させて()ん張り、ミックスをはね(のけ)ける。


ミックスはただ(はら)われただげで苦痛(くつう)表情(ひょうじょう)()かべていた。


「その怪我(けが)でよくやるな。()めてやる」


そんな彼を見たブロードは(しず)かに口にする。


たとえ相手が未知(みち)なる能力を持っていたとしても、(はら)(あな)()いて()(なが)しているのだ。


そんな重症(じゅうしょう)の――ましてや素人(しろうと)の子どもに、自分は何を(おそ)れる必要(ひつよう)があるのか。


ブロードはそう思うと冷静(れいせい)さを取り(もど)していた。


そして、今度こそミックスが立ち上がれないように彼へと(おそ)いかかろうとする。


貴様(きさま)はよくやったよ。出会ったばかりの相手にそこまでしてもらえれば、ジャズの(やつ)もさぞ(うれ)しいだろう。そこまで(めい)()かれるのは叔父(おじ)として(はな)が高い」


ブロードの余裕(よゆう)の言葉を聞き、腹に空いた穴を押さえながらミックスは身構(みがま)える。


だが機械の拳を(かた)めていても、今にも気を(うしな)いそうだ。


そして、今まさにブロードが飛びかかろうとしたとき――。


「大変だぁぁぁッ!? こんなところでケンカしてるぞッ!?」


突然(わか)い男の声が聞こえた。


狼狽(うろた)えているような、ふざけているような、そんな調子(ちょうし)の声だったが、ブロードたち三人は目立(めだ)つのはまずいとその場から立ち去ろうとする。


「一人は腹から血を流してるぞ! 誰か早く監視員(バックミンスター)、いや医療(いりょう)ドローンを呼べぇぇぇッ!」


男の声はさらに続き、ブロードは舌打(したう)ちをすると、ヘルキャットとアリアへこの場から(はな)れるように言った。


去っていく二人を確認(かくにん)した彼は、彼女たちとは(べつ)方向(ほうこう)へと()け出す。


「待って叔父さんッ!」


ジャズがその背中(せなか)に向かって(さけ)ぶと、ブロードはそのまま背を向けた状態(じょうたい)で走りながら返事をした。


「その少年を早く治療(ちりょう)してやれ。そして、お前は国へ帰るんだ」


そして、ブロードはジャズの前から姿(すがた)を消すのであった。


(のこ)されたジャズは、今にも(たお)れそうなミックスを(ささ)えながら自分の(くちびる)()んでいた。


だが、すぐにミックスの手を(かた)(まわ)すと、ゆっくりと歩き出す。


「ジャ、ジャズ……」


「いいからッ! 今はあんたを医者(いしゃ)のところへ連れていくのが先だよ」


(うめ)くミックスへ(だま)るように言ったジャズは、表情を強張(こわば)らせながらも、その足を止めることはなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ