表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今更好きだと言えない  作者: 秘翠 ミツキ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/33

9

やはり、世間ではそのような話になっているのか、とアイリーンは笑うしかない。


婚約破棄、まああの状況を見れば、そうなるだろう。


婚約破棄に異論はないし寧ろ望んでいるが、ユリウスが頑として頷かない。それだけが問題だ。


因みにユリウスの母は、変わっている。先日、たまたま会う機会があった。


「ごめんなさいね~アイリーンちゃん。ユリウスったら、ど~してもアイリーンちゃんと婚約破棄はしないって言い張るのよ~ごめんなさいね~困っちゃうわよね~」


「……」


「あら、そんなの当たり前です。アイリーンは、ユリウスさんと結婚するって決まってるんです。幼馴染と少し仲が良いからって波風立てるなんてみっともありません」


ユリウスの母の毒にも薬にもならない発言に、援護射撃をするアイリーンの母。父達は、特に何もないようで無言だった。ユリウスの母は、何処かズレておりアイリーンの母は古風過ぎる。男の浮気など甲斐性の内だと何時も言っている。


だが、アイリーンは知っている。以前父が他所に女性を囲った事があり、母はそれはもう怒り狂い、手がつけられなかった……。アイリーンは、本気で母が父を殺すのではないかと、心配になったのを覚えている。


結局人には言う癖に、自分の事は棚上げにしているのだが、だからといって指摘した所で逆にアイリーンが怒られるのが目に見えている。どうせ、何を言った所でアイリーンの味方は誰1人としていないのだ。



「アイリーン嬢?」


「え、あ、はい」


アイリーンは、ぼっとしながら思い出しており、目前いる侯爵令息の存在など消し去っていた。手こそ離してくれたが、相変わらず距離が近い、物理的に。



「どうでしょうか?私では、貴方のその美しい心を満たす事は出来ませんか?」


先程から感じていたが、所々台詞がくさい。今時、こんな台詞を吐く殿方がいるとは。アイリーンの笑顔は引き攣る一方だ。


「ちょっと、お待ち頂けますか」


アイリーンが、返答に困っていると、少し離れた場所に座っていた伯爵令息が声を上げた。


「私も、是非アイリーン嬢の婚約者に立候補させて頂きたい。実は私も以前よりアイリーン嬢をお慕いしておりました。ユリウス殿がいらっしゃる故諦めておりましたが、婚約破棄なさるなら私にも望みはある筈」


アイリーンは、瞬きをした。聞き間違いだろうか……これは、所謂求婚?


「ならば、俺も参加させて頂く」


更に隣に座っていた、今度は別の侯爵令息が立ち上がる。彼もまたアイリーンの事を以前から慕っていたと言い出した。余りの展開にアイリーンは頭がついていかないが、私って、意外とモテるのね~なんて、呑気に人ごとの様に思った。



だが、場の空気はどんどん重くなっていく。


何この空気……。


アイリーンの婚約者に立候補した、3人はアイリーンそっちのけで頭上で言い争いを始めた。


いつから、アイリーンの事を想っているとかや、どれ程、アイリーンの事を好きだとか、それに加え将来の設計プランまで話し出す始末。アイリーンと自分の幸せ計画、アイリーンと自分のラブラブ計画、アイリーンと自分の……延々と続いていき、アイリーンはドン引いた。



そして、追い討ちをかけるように、その場にいる他の令息達も次々に名乗りを上げていく。一体何人いるのよ……ここまでくると、怖すぎる。



只のお茶会だった筈が、いつの間にかアイリーン争奪戦もとい婚約者選びに変わった。





そして、皆忘れているようだが。


あの私、まだ婚約破棄していないのですが……と言いたいが、険悪過ぎて言い出せずにいた。


そんな言い争いが、暫し続いたが、意外な展開で終幕する事になる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ