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追放された無能魔術師、実は全属性適性だったので辺境で最強になります  作者: 蒼月アルト


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第26話 偽り

 翌朝、王都は妙にざわついていた。


「……聞いたか?」

「北部街道の件」


 またか、と思った。

 だが、昨日までの噂とは空気が違う。


「魔力汚染の原因が」

「辺境の冒険者だったって話だ」


(……来たな)


 俺は、静かにギルドの扉を開けた。


 中に入った瞬間、視線が集まる。

 好奇心、疑念、そして――警戒。


「アレン・フェルド」


 受付嬢が、硬い声で呼ぶ。


「魔術局から、正式な呼び出しです」

「……至急」


 応接室には、昨日とは違う顔ぶれが揃っていた。


 魔術局の監察官。

 書記官。

 そして――


 カイルとセシリア。


 彼らは、俺を見て目を逸らす。


「アレン・フェルド」

 監察官が口を開く。


「北部街道異変について」

「新たな報告が上がった」


 机に置かれた書類。


「“魔力干渉の痕跡が、人為的に拡大された可能性”」


 遠回しな言い方だ。


 要するに――

 俺が原因ではないか、という疑い。


「……説明を求める」


 俺は、頷いた。


「構いません」


 驚いたような視線が向けられる。


「まず、前提として」

「魔力汚染は、地脈の歪みが原因です」


「それは、昨日も――」


「次に」


 俺は、言葉を重ねる。


「俺は、その歪みを“抑えた”側です」

「拡大させる理由も、手段もありません」


 監察官が、眉をひそめる。


「……だが」

「“辺境式の魔力操作”は、王都では未知だ」


「未知だから、危険だと?」


 静かな問い。


「……結果的に」

「被害は、出ていません」


 事実だ。


 書記官が、戸惑いながら言う。


「……確かに」

「追加被害の報告は、ありません」


 沈黙。


 その時。


「……ですが」


 セシリアが、口を開いた。


「その“未知”の手法が」

「長期的に、何をもたらすかは――」


「分かりませんね」


 俺は、彼女を見る。


「だから」

「調査が必要だ」


 その言葉に、空気が変わる。


「……監察官」

「提案があります」


 俺は、真っ直ぐに言う。


「同条件で、再現実験を行いましょう」


「……何?」


「地脈の歪みがある別地点で」

「俺が関与しない場合と」

「関与した場合を比較する」


 監察官が、目を見開く。


「……それは」


「白黒はっきりします」

「どちらが“危険”か」


 カイルの顔色が、変わった。


「……待て」

「それは――」


「何か、困ることでも?」


 視線が、突き刺さる。


 彼は、言葉に詰まった。


 監察官は、しばらく考え――

 ゆっくりと頷いた。


「……合理的だ」


 書記官が、慌てて記録を取る。


「では」

「再現調査を、正式に実施する」


 その瞬間。


 俺の無実は、

 ほぼ確定した。


 だが。


 同時に。


 嘘をついた者は、逃げ場を失った。


 会議室を出る。


 廊下で、カイルが俺を睨んだ。


「……お前」

「調子に乗るなよ」


 俺は、足を止めない。


「調子に乗っているのは」

「どちらですか?」


 それだけ言って、去った。


 リーファが、小さく息を吐く。


「……大丈夫、ですよね」


「ああ」


 俺は、前を見る。


「嘘は」

「必ず、現実に負ける」


 追放された無能魔術師は、

 この日――


 “試される立場”から、“裁く立場”へ

 静かに移行した。


 ざまぁは、もう目前だ。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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