第100話 境界は続く
空は、いつも通りだった。
装置は、規則正しく光る。
街は、穏やかに動いている。
境界は、消えない。
管理があっても、
外側があっても。
ただ、
形を変えて現れる。
アレンは、丘の上に立っていた。
街の灯りと、
遠くの暗がりを見渡す。
空白地帯は、地図の端にある。
だが、
切り離された場所ではない。
「……終わったな」
リーファが、隣に立つ。
「区切りだ」
アレンは答える。
管理は、少し変わった。
例外が、制度に組み込まれた。
だが、
全ては覆っていない。
覆えない。
ミレナが、少し離れた場所にいる。
地図を見て、
新しい依頼を確認している。
以前よりも、
迷う時間が長い。
だが、
止まらない。
「……境界、出てます」
遠くで、見張りの声が上がる。
小規模。
装置が反応し、
抑制が始まる。
だが、全員がそれを見ている。
管理に任せきらない。
恐怖を忘れない。
問いを消さない。
境界が、静かに収束する。
何も壊れない。
誰も傷つかない。
それでも――
次は、違うかもしれない。
アレンは、空を見上げる。
「境界は、続く」
管理も、続く。
外側も、続く。
問いも、続く。
世界は、完成しない。
完成しないから、
止まらない。
ミレナが、丘を上がってくる。
「次の依頼、行きますか」
「行く」
短く、答える。
英雄ではない。
裁定者でもない。
同行者として、
横に立つ。
境界の向こうに、
正解はない。
あるのは、
選び続ける人間の姿だけだ。
第四章、完。
だが――
境界は、まだ続いている。
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