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615④

            【615】 末 っ 子 夫 婦 奮 戦 (4)  


▼お待たせ致しました。其れでは此の辺で事のあらましを解説させて頂きます。昨日昇樹は風邪で通院。帰宅後は少し熱はあるが元気そう。暫く親子三人で遊んだ。其の後

大事をとり早めに寝かせた。処が夜明け前に急に苦しそうな声?。驚いて近寄るとベッドの上で立ち上がって居たが次の瞬間転倒‼。駆け寄るとすでに呼吸が止まって居る‼。

必死の心臓マッサージも効き目がなく救急車で中央病院に搬送。全く為す術もなかった。そして検査の結果インフルエンザウイルスを確認。

しかし其れだけでは到底死因の裏付けには為らない。いくら乳幼児とは言え、ウイルス感染だけで命を失うと言うのは信じ難い‼。警察も同じ判断だった。


▼劃して警察は事件性の有無を調べると言って病院から連れて行って仕舞った。そして司法解剖の後に2時過ぎに帰って来る予定と言う連絡。すると3時前にようやく警察が来訪。

処が何故か昇樹が居ない?。死因は純然たる病死で決着したが、こんな事で急に亡くなるとは警察でも信じ難い。其れで明日の午前中か若しくは午後に京都府立医科大学病院で

更に死因を追及するので今日はお返し出来ませんと言う説明。顔を見ることだけをココロの支えに只管待って居た一同はガックリ‼。余りにも可哀相な話だが死因をハッキリさせる事は

家族が気持ちを整理し納得する為にも昇樹の供養の為にも必要なこと。容認するしかなかった。やがて葬儀社も来たが、お葬式の日取りが未だ現時点では確定出来ない。


▼其れで止む無く申し込み段階で留まって居る。女性陣は有りあわせで一同に遅いお昼ご飯を食べさせた。夕方にようやく和樹と玲名は代わる代わるに其の場で少し仮眠。

其の後全員で晩御飯。見る訳でもないが和樹がテレビを点けて雰囲気はやや好転。其れから今までに撮りためた写真を思い出を刻み込むように丁寧に見た。仮令悲しくとも

幸せな記憶を持ち続ける事が昇樹を忘れない事で、心の中で何時までも生きて居てくれることに為る‼。10時に為り今夜は解散。しかし二人が気がかりな月名は今夜は此処で

宿泊すると玲衣子に告げた。帰りには里名がクルマに乗り込んで来た。じゃあ里名に運転を代わって貰おうかな?。なるべく玲衣子は休ませて遣りたい。


▼処が里名は目を泣き腫らして居てコンタクトレンズも役に立たない。其れで結局玲衣子が運転。すると里名が田辺西から乗れると言う。確かにアッと言う間に名神まで戻った。

実は是が正しいルートらしい。スマホのナビと里名の合図で玲衣子の運転は冴えわたり、またまたアッと言う間に山陽自動車道。此処でトイレ休憩。浪速医院で里名を降ろし家に着くと

可愛い志度クンがお出迎え。忽ち疲れも吹っ飛んだ。其の後1時に就寝。明日は昇樹が帰って来るまでには着きたい。そして翌日。一昨日の残りご飯を味噌汁に混ぜ込んで朝飯。

但し是は昇造だけ。其の後大学病院の調査が午後に為ったとの連絡。其れで午後3時から出発。処がお土産のパンを買いに行くと店は休みで本店に出向いて調達。


▼途中で里名を乗せて山陽自動車道に上がるともう4時。里名の為に予め昇造は後席に移動。すると里名は高速道路でも窓を開ける。そ~為ると換気の為寒気直撃とこ~為る。

震えて居ると玲衣子が買って来たパンをおすそ分け。わ~嬉しい‼。忽ち昇造上機嫌。5時半に門真。此処で降りると思ったが今はもっと南まで行けるらしい。処が此処からまたまた

迷走が始まった。同志社山手の家の住所を京田辺とスマホに入れたことが其の根本原因。流石のスマホナビも困惑して漂流。玲名のガイドでようやく黒駒青果市場に辿り着いた。

頼まれた買い物を携えてようよう家に着くと7時半。なんと所要時間4時間が経過。昇樹はすでに帰って来て居た。オンナたちは昇樹の顔を見ながら一斉に泣いた。


▼昇造もようやく昇樹に面会したのだが、ムチャクチャ可愛く然も何度見ても只寝て居るとしか思えない。「死んでないよ生きてるよ‼」是では平常心で死を受け止める事なんぞ

到底絶対不可能だよ‼。翌日は18日金曜日。昇樹の悲報を聞いてから早や三日目だが今夜がようやくお通夜。5時前に里奈の運転で出発。途中の宝塚SAで夕食。

田辺西で降りて7時半に到着。オンナたちはまたまた昇樹の顔を見るなり感情がバクハツ。しかし無理もない。16日から連泊して居た月名は明日のお葬式の支度で一旦帰宅。

其処でややこしく嵩の高い昇造は交代で宿泊とこ~為った。雅樹夫婦も一階の和室で宿泊。昇造は明日の服装を確認してから入浴。其の後思いがけない一波乱‼。


▼厨房に居た玲名が昇造を見るなり突然バクハツ。「昇樹の為にお墓を建てても其のあとには自分たちが入って其れでお仕舞なので何チャラ」とか寂しい事を口走った。

昇造は思わずアタマにカッと来て玲名を怒鳴りつけた。「だから新しい家族を作るんだよ‼、元々子供は二人以上欲しいと言って居ただろう」すると玲名は激しく反応。

「もう年だからムリよ‼}「まだ30代じゃないか‼」後日玲衣子から尋問。ま~お叱りはなかった。玲名は今日お葬式を済ませて遣りたかったようだが日程上少々無理だった。

其の心の奥には何日も待たせては昇樹が可哀相と言う気持ちと同時に、お葬式が済まないと気持ちを整理する道も見えないと言う深い悲しみが存在するのだと思った。


▼何度も泣いて居る玲名だが明日のお葬式が済めば多少なりとも落ち着いた顔を見たいものだと思った。劃して鮮烈果敢、アクティブでアグレッシブなお葬式の幕が開く。

朝は5時に起きたが洗面は6時半まで待機。昨夜は下に雅樹たちが泊まったので刺激したくなかった。すると愛実が7時に呼びに来た。7時半にみんなで朝食。

其の後日辻組が9時に到着。10時に家族葬会場へ出発。玲名は昇樹を抱いて乗車。会場はかなり広かった。軽い昼食のあと、1時半からお葬式が始まった。

すると一般参列者がビックリするほどの人数‼。有り難い事だが是では多分椅子が全然足りないよ。此処で玲名は一般参列者の献花の時間を活用してピアノ演奏を開始。


▼すると出て来たのは玩具のピアノ。実は玲名は此のピアノを毎日昇樹に弾いて聞かせて居た。近頃では昇樹も頻りに弾いて遊んで居たリアルな思い出の品。演奏が始まると

意外に真面で静かな音。そ~言えば普通の玩具依りも一回り大きい。やがて長い献花の時間も滞りなく終了。処が何故か玲名はまだ弾いて居る?。玲名を見た一同は驚愕‼、其処には

行き場をなくした荒れ狂う母性本能の結界が形成して居た‼。ボロボロ涙を流しながら果てしなく弾き続ける玲名。まるで全体重を叩き着けるような激烈な演奏。最早完全なトランス状態。

参列者の多くは玲名のママ友や託児所仲間。昇樹の悲劇をまるで自分のことのように感じて居た、運命次第では同じ悲劇が自分にも容易く降りかかるかも知れないと言う恐怖感‼。


▼感情移入の極限に達した聴衆の中から次第にすすり泣きの声が広がり、嗚咽する者さえ現れた。是は最早或る種のサイコ攻撃‼。早く止めないと被害者は増々増えるぞ‼。

処が全員金縛りで動けない。すると其処へ現れたのは超能力者?。夫の和樹が玲名に歩み寄り後頭部を指の節でコツン。其処には二つのメッセージ。其の一つ目は、

「昇樹の為によく頑張って弾いてくれたね。有難う」そして二つ目は、「さ~是でもう未練を断ち切って終わりに仕様、きっと昇樹も其れを待って居る」すると途端に玲名は

我に返った。昇造は慨嘆。「何故か玲名は矢鱈目立つなあ。本人は無意識だと思うが披露宴と言い今日と言い、ヤッパし天性のバクダン娘なのかも知れないなあ」ハイ其の通り。


▼昇樹のお棺を担がされた昇造と宗樹だが悲しくて一向に力が出ない。自覚以上に相当堪えて居るらしい。「孫の棺を担ぐ祖父なんぞは正に不幸のどん底だな」昇造の言葉に

宗樹は深く頷いた。「逆だったらサイコ~なのにね」「其れがフツ~なんだよ」2時20分に斎場へ出発、すると何故か住職のクルマも同行。余りにも哀れと言うことらしい。アリガトウ‼。

やがて着いた施設には枚方市立の文字。「え~此処枚方なの?」物凄い抜け道ルートに驚嘆‼。其れから不思議なことが起こった。火葬場でお棺が扉の中に消えた時から

玲名は打って変わったように冷静に為った。其れから休憩室で1時間も待つとも~骨上げ。女性たちは時折涙ぐむが最早泣き声はなかった。


▼夜の打ち上げ(打ち上げと言うの?)でオンナ共は異常に盛り上がり独自の空気感を撒き散らす。実は是が本来の姿。骨上げが済んでようやくみんなは夫々に気持ちを

整理しようとして居るのだと思った。こんなにお葬式の重さを考えさせられたのは初めてのこと。そりゃあ目の前に只静かに眠って居るようにしか見えない昇樹が居たら

到底冷静では居られない。其れがよく分かった。お葬式は人間が日常に回帰する為の儀式なのかも知れない。お葬式に来てくれた玲衣子の兄康弘。要するに妹真奈美の旦那だが、

玲衣子のクルマに乗り合わせて来て居たので雅樹号(夫婦)や三恵子号(夫婦と友里)と共にまだ残って居た。彼は昇樹の死因に関する或る情報を紹介。


▼実は康弘の長女日奈子もナースで昇樹と似た症例をを耳にした事があると言う。勿論極めて稀な事例。説明に依ると偶々血管内にインフルエンザウイルスが侵入すると

稀に脳内にまで到達。すると稀に呼吸中枢を冒す。其れで遂には呼吸が出来なく為りやがて心停止を引き起こす。な、なんと。其れは余りにも惨酷な話‼。病名は急性髄膜炎。

其の後遺症でリハリビをして居る人も知って居ると言う話。では昇樹は呼吸が出来なく為って苦しんだ挙句に窒息死?。するとみんなは其れで納得して気持ちの整理を着けようと

して居る雰囲気。更に如何にも納得に値する説明ではある。しかし其れで昇樹は納得するのか?。仮説で納得して堪るかと言う怒りの炎が突如噴出‼。昇造は正にバクハツ寸前‼。


▼処が一瞬早く宗樹がバクハツ。「でも大学病院は死因が分からないと言って居るんです‼」康弘は困惑の表情。よく言ってくれたぞ宗樹‼、と昇造は思った。宗樹はスグに謝罪。

「親切に教えて頂いたのにスミマセンでした」「イエ、いいんですよ」宗樹の怒りの咆哮で昇造は危うく失言を免れた。ヤッパしイイ弟です。すると此処で里名が口添え。

「大学病院は何れ必ず死因を解明するわ。ゲノム検査や組織培養検査をして居れば必ず数か月後に結果は出ると思います」ナルホド其れは説得力のある解説です‼。

玲衣子が明日の日程を表明。「明日は2時に来るわ。だから余計な荷物は置いて行くわね」其れはど~やら昇造のことらしい。あ~成る程。 【1月19日土曜日】


▼邪魔くさいお荷物の昇造は結局連泊。みんなが帰ったあとで頑張った二人を労って入浴。そして昨日の二階の個室で10時半には就寝。忽ち意識消失。明くる日に

遣って来たのは玲衣子と里名の二人連れ。月名は休日の限界で今日は出勤。今日来た目的は玲名を慰める為らしい。其れは行き届いたことで御座います。偶々和樹は

溜まって居る用事の処理で外出中。亭主の留守をイイことにオンナ三人組は好き勝手なホンネのしゃべくり大会を開催。昇造は厳重なかん口令のもとで臨席認可。

玲名はコーヒーを出し玲衣子は買ってきたケーキを出した。チャンと自分の分もあったので昇造嬉し泣き。此処ですかさず玲衣子は昇造にクギを刺す。


▼「アナタ、余計な口を挟んだら何時ものお仕置きですからね。玲名、出して於いて」すると玲名はニコニコしながら布テープを持って来た。詰りお仕置きとは此の布テープで

口を塞ぐこと。な、なんと恐ろしい‼。道場家の仕来りを熟知して居る玲名はチャンと此の家にも常備して居た。な、なんと見事な統率‼。後日昇造は玲名の笑いを引き出した功績で

ナニもしてないけど玲衣子に褒められた。お茶の前に昇樹の祭壇にお参り。玲名はもう泣かなかった、仮令無理やりにせよ、気持ちを整理しつつあるのだろう。

玲名のお言葉。「お義母さんしんどそ~だったわ。何度も床で寝て居た」玲衣子の解説。其れは三恵子のスタイルで普段からヒマがあれば横に為って休憩するらしい。


▼「そ~だったの。お義母さん意外に大胆なのね」すると里名も頻繁に休憩して居ると言う。実は玲衣子も似たようなスタイル。「オトコは家でなにもしないけどオンナは色々忙しいのよ」

すると玲名は反論。「和ちゃんは違うわ。何時も色々上手にしてくれるのよ」すると昇造。「今のサラリーマン夫婦は共働きだからね。家事に強いんだよ」すると玲衣子が、

「今の時代ならアナタは只の粗大ゴミね」其の通りで御座います。其れから一頻り思い出噺に花が咲き、何時しか仏壇を何処に置くかのハナシが始まった。すると玲名は、

「居間は人目に触れ過ぎると思うのよ」すると里名は、「じゃあ和室の床の間かな?」「でも床の間だと次に生まれた子が悪戯をするかも知れないわ」


▼玲名の此の言葉に玲衣子は大喜び。昇造も安堵した。家族を増やすんだとふり絞るように言った昇造に玲名は無意識にサイコ~の返事をしてくれたことに為る。

かなり前向きの気持ちが回復して居るらしい。仏壇のハナシが出れば次は当然お墓のハナシ。「此の近所に墓地はあるの?」「お葬式に来てくれたお寺に聞いてみるわ」

「葬儀社に聞いてみるのもイイかも知れないわね」玲衣子は市役所で照会してみることを薦めた。とにかく近隣で用地を確保する事が先決。実は昇造は或る懸念を抱いて居た。

しかし言うと拙いので発言は保留。里名は9時に梅田で月名を拾うと言うので8時過ぎにはお暇。但し玲衣子は昇造と交代で今日から暫く連泊。是は玲名を心配しての配慮。


▼真に適切な判断で行き届いた配慮です。帰り道は西大寺ルートかと思ったが里名は一般道を西へ走る。昨日見た枚方の斎場方面へ抜けると近畿自動車道を経て大阪市内。

其れは現時点での日辻、同山間の最短ルートでもある。「ワタシ、今度のことで未来の事は全く分からないものなんだと思ったわ」里名は結婚以来早や14年に為る。子供のことは

殆ど諦めかけて居た。玲名が自分の代わりに昇造たちの孫を産んでくれたと言う気持ちだったようなのでショックはさぞ大きかった事だろうと思った。「ワタシ、やっぱり子供を産みたい‼。

玲名依りも3歳半も年上で初産のワタシに子供が出来れば玲名もパワーが出ると思うの」「ナルホド。俺も産むからキミも産めと言う訳か」「なに其れ?」


▼昇造は古の一節。『お~いどしたい元気かい?。ネオン瞬く街角は(中略)。俺も遣るからキミも遣れ。ポルカ歌って、ポルカ歌っ~て夜(よ)の更ける~まで』忽ち里名は白け鳥。

何故か里名の真摯な言葉を茶化す昇造。而して其のココロは?。「有難う。其れはサイコーの応援に為ると思うよ。でも余り必死に為らないようにね。其れでは辛いし却って逆効果だ。

まあ出来たらイイなくらいの気持ちで気楽にね」昇造はかなり思い詰めて居る里名の気持ちをほぐそうとしたらしい。中々の癖玉だが其の心情は理解出来るかな?。

実は里名は結婚当初から子宮筋腫。しかし最近の定期検査では出産は十分に可能な状態らしい。あとは心身の健康とリラックス。其れが昇造の判断です。


▼其のうちにアッと言う間に大阪に接近。メチャ近道だね。大阪駅の東側の道路で停車して月名に電話、するとたこ焼きを買って来てくれた。其の後9時過ぎに高速道路に進入。

10時10分に家に着いたが是またメチャ早い‼。其れから里名は浪速医院に帰った。有難う、ご苦労さん‼。其の後玲衣子は5日後の金曜日夜にJRで帰って来た。

五日間もナニしてたのじゃ?。すると毎日三人であちこち観光。夜も仲良く三人で取り留めなくお喋り。そしてもう大丈夫と判断して引き上げたらしい。お~其れはご苦労様‼、

4月に玲名から連絡が入った。大学病院の組織培養の結果が判明。矢張りインフルエンザウイルス感染の痕跡が見つかった。劃して遂に仮説は証明された。


▼唐突で蛇足だが、お葬式が済んで5日目の1月24日の書きなぐり日記を特別公開。実は昇造が元気な昇樹に面会したのは一度きり。初めての面会の時には不運にも軽い風邪気味。

其れで止む無くお留守番。ようやく顔を見たのは秋口。頻りにキョロキョロする様子が可愛かった。今年は三宮で会ったが志度クンが居る我が家は昇造が留守番をするのが掟。

其れで止む無く逢いたい気持ちを無理やり抑え込んだのだが、其の挙句が二度目の面会が死に顔とは正に悪夢としか言いようがない。然も何度見ても只眠って居るようにしか見えない‼。

「死んでは居ないよ。幾ら見ても生きて居るよ。でも起こす方法がないんだよ‼」余りにも可愛い其の寝顔。微笑んで居るような口元。色白だが一見血色も良好。


▼「誰か起こせないのか?」しかし心肺停止後すでに36時間程は経過して居る。蘇生させると為れば一旦活動を停止した全細胞の時間を逆に回すしかないのだが、幾らなんでも

そんな事は未来永劫に亘って不可能。其れは認めるしかないのだ。女共は頻りに幾度も涙を流し顔を撫ぜ髪に触って居るが、オトコには其れが出来ない。見て居るとオトコは誰も

そんな愛情と感情を素直に出した行動をしないし涙も見せない。そ~為ると昇造も其れに倣うしか仕様がない。其れに昇造には重大なトラウマがある。、母の葬式で昇造は

一見平静を装っては居たが、此の儘サヨナラするのは寂しくて母が可哀相で堪らなく為り、ついつい迂闊にも棺の中の母の顔に触れて仕舞った。


▼すると真冬でもあり予想を遥かに超えて息を呑む程に其の顔は冷たく、せっかく抑え込んで居た激情の堤防が一気にガラガラと崩壊‼。涙処か嗚咽が止まらなく為って仕舞った。

其れでメチャ恥ずかしい思いをしたが是も供養と割り切った。も~あんな見っともない姿は二度と人前では見せたくない。恐らく多分、絶対に昇樹に触れたら必死に抑え込んで居る感情も

平静のポーズも立ち処に吹っ飛ぶのが目に見えて居る。昇造はとうとう最後まで昇樹に触れて遣る事が出来なかった。ま~しかしオトコにはそ~言う行動は出来ない空気が

確かに厳然として存在するのもまた事実。しかし自分は臆病者だと言う悔恨は一生消えないだろう。(昇造くん。日記だと素直だね)。


▼長く辛いハナシもようやく終わり、あとは大団円に向かって一直線。そ~言うことならどんなにいいだろうか‼。処が生憎試練は続くよもう少し。そ~言うことで次のハナシは

『別居生活再び』大学病院の最終報告を聞いてから二人はようやく吹っ切った。是で前を向いて頑張れると思った。其れ以来玲名は只只管二人目の子供を授かることを願いながら

仕事に励み、同時に一層和樹の体調を気遣った。一方和樹は最近頻りにネットでなにかを調べて居る。劃して大変動は突然遣って来た。其れは6月1日から東京へ行くと言うハナシ‼。

然も是は転勤ではない。「じゃあもう一緒に暮らせないの?」「大丈夫。期限は6カ月だよ」其れでも玲名は訳わかめ。「ナンでこ~為るのよ‼」 【2019年6月】


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