自分の行動②
かなり期間が空いてしまいましたが、投稿再開します。
今日もいつもと変わらず登校する。
朝のホームルームで担任から、受験の話題が出ると脳裏に悪夢の事がよぎった。
「勉強や進路の事。不安な事があれば遠慮なく相談するように。」
教師歴の長い正田先生の言葉には安心感を覚える。
しかしそうはいっても、「悪夢を見るんです」といった相談をする気は自分には微塵も湧かなかった。
その日の昼休み。
他愛もない会話をしつつも、どうしても受験の話題が1回はでる。
「みんなって、受験で不安な事ある?」今回は自分から話題に出す。
「偏差値で?メンタル的に?」そう返すのはタカだった。
「両方かな?どっちでもいいけど」曖昧な返事をオレは返す。
「不安というか焦りは常にあるけどなぁ」そう言うナオキの表情はいつもと同じなので本心かは分からない。
「ナオキで焦る必要あるあるなら、俺たちはどうなるんだよ」 そう笑いながら答えるのはタカだ。
「それな。 俺なんてまだ学部すらハッキリと決めてないんだぜ?」 アスカもタカに賛同するように答えた。
「俺なんて受験のストレスで悪夢にうなされる毎日だよ」 軽いノリでオレは打ち明けると、みんなに笑い飛ばされた。
深刻な雰囲気での相談でもなく、昼休みの会話で話しても軽い冗談だと捉えられるのが普通だし、笑い飛ばされる方がオレも気持ちが軽くなる。
「そう言えばさ、どこの大学のキャンパス見に行く?」 オレは少し話題を変えた。
「オレとナオキは行きたい学部ハッキリしてるから、まだ決まってない2人の意見優先でいいよ」
タカの意見にナオキも頷いて賛同する。
「それなら、帝東大学はどう?
理系の学部はほとんど揃ってるし、医学、薬学部もあるからみんなの参考になると思う」
アスカの提案は説得力があった。
帝東大学は私立のマンモス大学だ。
学部も文系理系問わず多くあり、医学部の偏差値だけは他の学部と乖離があるが、他の学部に関しては偏差値的にも現実的な範囲である。
「ザ大学生みたいなイメージあるもんな。
俺らの大学デビューの参考になるかもな」
そう言うナオキの目は希望に満ちていた。
「スケベ心が漏れてるぞ」
タカのツッコミに笑いが起きる。
昼休みが終わる頃には悪夢の事などうでもよくなっていた。
放課後になると、いつもの様にオレとアスカは2人で自習をしていた。
ナオキとタカは、放課後はすぐに塾へと行ってしまう。
勉強に一区切りついた所で、アスカと一緒に少し休憩することにした。
「少し遠い方の自販機行こうぜ」
アスカの提案に賛成し、教室がある校舎とは反対側にある自販機を目指して廊下を歩きはじめた。
「ユウは学部決めた?」昼休みの時とは少し違い、真面目なトーンでアスカは聞いてきた。
「理系なのに数学がそんなに好きじゃないから、数学科とか避けた上でなるべく偏差値が高い所目指す感じかな。
アスカは興味ある分野とかあるの?」オレも真面目な回答をする。
「化学が好きだから、そっち系かなー。化学系って何かしら人の役に立つ事が多そうだし、やりがいがあるかなって」本音を話したアスカは少しだけ照れくさそうにしていた。
「カッコいいじゃん! アスカもナオキ達もやりたい事があって、しかもそれが人の助けになる!」
本心からオレはそう思っていたのそのまま伝える。
「よく恥ずかしげもなくそんな事言えるな。
けど、ありがとう!」
照れくさそうにしていたアスカの表情は笑顔に変わっていた。
「よし、気合い入れるために炭酸でも買いますか!」オレはコーラを選んだ。
アスカはコーヒーを選んでいた。
教室に戻り、コーラを一口飲む。
炭酸の刺激で目が覚め、コーラの糖分で脳が冴え勉強に集中できた気がした。
「お前まだ、そんな事してたのかよ。
気分転換程度ならいいけど、勉強は大丈夫なのか?」 見知らぬ男性は呆れた様な表情をしていた。
男性はオレの返事を待つ事なく階段を上り2階へと消えていった。
取り残されたオレは当たりを見渡すと、見知らぬ玄関に立っている事が分かった。
さっきの男性の言葉が時間差で襲いかかってきた。
「そんな事?これが俺のやりたい事なんだよ」
心の中で勝手にそう叫んでいた。
次回もすぐに投稿します




