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隣の人は青い  作者: EVE
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夢

昨日からのモヤモヤが晴れないまま翌日を迎えた。


夢のせいで一方的にみんなに会うのが気まずいような気がしてしまった。

それでも学校の時間がどんどん迫ってくる。


教室の扉を開ける瞬間、少し心拍数が上がるのがわかった。

それでも扉の先にはいつもの教室の光景があり、みんないつもの日常を過ごしていて安心した。


「おはよう!」

アスカがいつもと同じ様子で挨拶をしてくれた。


いつもと変わらない声色に俺は少し嬉しくなった。

「おはよう!」嬉しさと安心からか、いつもより声が大きくなった気がする。


「今日テンション高い?」

タカがそう言いながらナオキと近づいてきた。


「いつも通りだよ」

オレはそう言い、朝のホームルームルーが始まるまでの時間を4人で楽しく過ごした。



昼休みにはこの前の体験授業の話になった。

「2人は結局どうするか決めた?」

ナオキは昼ご飯を食べ始めると同時に切り出した。


「オレは通い始めるよ!私立理系コース受講する予定」

オレが先に言ったら、次は自然とアスカの番になる。


「俺も通うよ!私立理系コースだからユウと同じだね。俺は国立も受ける予定だから国語も勉強する予定だけど」


「俺は国語の授業とってるから、国立も狙うなら教材貸すよ!みんなで一緒に頑張ろうぜ!」

ナオキは嬉しそうだ。


「だな! みんなで助け合って行こうぜ」

タカもみんなで勉強出来ることが嬉しそうだ。


俺もアスカが通えることを知って安心した。

夢で見た話の流れなら、アスカだけ塾に通えないという展開になっても不思議ではなかったから

だ。

けどそれも不要な心配で済んでよかった。


その会話の流れで、昼休みは塾や勉強の仕方の話をしていたらあっという間に過ぎた。


午後には体育の授業も控えていた。

今日の体育もこの前と同じでサッカーだ。

やっぱりいつもと同じでナオキは張り切っていて、やる気に満ちていた。


部活がない俺達にとっては体育の時間が良いリフレッシュの時間にもあるのでありがたい。

それに文系クラスに勝てばジュースも奢ってもらえるから最高だ。

負けれたら財布が泣くが。


体育が始まりみんな生き生きとしている。

しかし、ここで事件が起きる。

乾燥している土のグラウンドで足を滑らしたナオキが転けたのだ。

クラス関係無く、みんなが直ぐにナオキの方に駆け寄って心配する。


俺も直ぐに駆け寄った。


「大丈夫、大丈夫!」

ナオキは心配かけないためなのか、そう言いつつすぐに立ち上がった。

しかし、右肘のあたりをおさえている姿は本当に大丈夫とは断定できない。


「倒れる時に咄嗟に右腕出ちゃって肘痛めただけで指とかは大丈夫」

ナオキはそう言って指先をグーパーして見せた。


指が動かせる事を知りさっきよりかは緊張感が緩いだ。

この時期に指を怪我して勉強ができなくなるのは受験の結果を大きく左右する。


先生もすぐに駆けつけて、すぐに保健室に行くように促す。


「ナオキ、大丈夫だよな?」

オレはナオキに改めて聞く。


「もちろん!指動いてるだろ?」


そう言い残すと、ナオキは先生と共に保健室へと向かって言った。


「このままサッカー続ける気分じゃないよな、、」

タカのその言葉にみんなが賛同し、そのまま日陰でみんなで雑談する事になった。

理系文系にクラスが別れる前の元クラスメイト達と各々がいろんな会話を始めた。


「ユウ、ナオキ大丈夫だといいな」

文系クラスで元クラスメイトのトモキが話しかけてきた。


「本当にな。肘の怪我がどこまで影響するか分からないから心配だけど。」


そうこう話しているうちに、先生が戻って来るのが見えた。

みんな、会話を止めて少しの緊張感が走る。


「みんな気なってると思うし、ナオキからの伝言だ。

肘の靱帯を痛めてる可能性があるから病院行くけど心配するなとの事だ」

先生のその言葉にみんなの表情が少し緩み、安心する。


「よし!俺がみんなの分のジュース奢ってやるからついて来い!他の先生には言うなよ」

先生が見せた漢気にみんな歓声を上げる。


「騒いだらバレれるから静かに買いに行くぞ」



みんなの分を奢ってくれた先生はそのまオレ達を連れて体育館裏の日陰へと向かった。

「みんな受験勉強は大変か?」

先生からのまさかの問いかけにみんながびっくりする。

体育の先生は体育の授業でしか関わりがないからだ。


「ま、まぁそうですね、、」

数人が小さめの声で答える。

「そっか、青春だなぁ。俺も戻りたいなぁ高校生に」

そう言う先生は教師というより、気の良い兄みたいに見えた。


「先生は受験に後悔があるとか、、なんですか?」

タカが恐る恐る聞く。


「当時は後悔、今となっては良い思い出だよ」

先生の表情は昔を懐かしんでいるように優しい表情をしている。


「今、現役で頑張ってるみんなに言っても伝わるかわからないけど。頑張った先にどんな結果が待ってても、その先にはいろんな無限の可能性が広がってるって事を覚えておいてほしいよ。

もし第一志望に行けなくても、行けなったからからこそ拓ける最高の道があるって事よ。

ごめんな、受験期のみんなに落ちた場合の話とかして」

そう言うと先生はみんなに謝ってくれた。


先生の言葉に悪意が無いことは分かっている。

第一志望に落ちる事に対する恐怖やプレッシャーが少し和らいだ気がするのはオレだけじゃない気がした。


「先生は第一志望に行けましたか?」

文系クラスの人が聞く。


「なんと、、落ちましたー。

けど当時からの目標だった体育の先生にはなれたし、大学で今の奥さんに出会えたし良い事しかなかったよ」

先生の表情からは負け惜しみで言ってるとは思えない。本心なのだろう。


「自分の選択肢を信じろ。悔しいなら浪人しても良いと思う。自分の選択肢に胸を張っていれば人生楽しくなるぞ!」

そう言うと先生はみんなにガッツポーズをした。


その姿はダサかったが、言ってる言葉はとてもかっこいい気がした。






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