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キャラクターを作成してみました

「じゃあ事前に申告してあったキャラクターを作成してみようか?」


 午前中から俺の借りているアパートのリビングに全員が集まり、これからキャラクターの作成だ。


 今回キャラクターを作成するに当たって、事前に種族や職業は決めておいてもらってある。そうすれば当日は能力値を賽子で決めるだけですむからだ。


 職業が被ったりしないようにグループメールで打ち合わせはしてある。


 そしてお昼を挟んで午後から半日使ってシナリオを一本消化してみようと考えている。


 おかげでキャラクターの作成は午前中で完了した。


 とは言え、賽子の目が振るわず、最低値の能力値のままスタートとなるのは忍びないため、独自ルールを設けてある。


 それは、同じキャラクターなら3回までは作り直し可能というルール。


 キャラクターシートを3枚まで並べて、一番納得できるキャラクターを使うというものだ。


 ただしステータスの良いとこ取りは許しません。

 

 甘い!と言われるかもしれないが、これも楽しくプレイするための処置だと考えている。


 そうして完成したキャラクターは6体。

 どれも個性的なキャラクターになったと思う。

 何せ種族と職業被りが無いのだから・・・


「じゃあ、作ったキャラクターの自己紹介をしていこうか?」

「で、まず俺からね。名前はヨーン、ドワーフの重戦士です。」


 イラストのイメージも典型的なドワーフ。ただ特徴を見せるため、ドワーフのシンボルでもある髭を剃って髪型も短髪と言うことにしてある。


 タンクになるのは予想通りでした・・・


「ただ一つだけ、ぶっ壊れ性能があります。それは筋力!」


 賽子が火を噴いた!!

 その代わりに器用度で賽子が沈黙・・・

 

 ドワーフが不器用ってこれいかに・・・不器用だと武器が敵に当たらないんだよね。


 敏捷ははじめからマイナスなので仕方が無かったにしても、う~ん・・・


 バランスのとれた他の2枚のキャラクターシートと比較して悩んだものの、最大筋力の誘惑には勝てなかった。


「筋力が最大値なので壁役としては申し分ないでしょう!」


 メンバーに紹介すると大爆笑されてしまった。


「いや確かにタンクとしては申し分ないけど、反撃の時当たるの?」

「10回に1回くらいは・・・」

「個性と言うより癖が強すぎる~!」


 何とでも言ってくれ!


「はい次の人自己紹介!」


 俺は口をとがらせて次の紹介を促す。



「じゃあ僕から、名前はヘンリク、人間の神官戦士です。信仰は大地の神。回復は任せて下さい!あとアンデット対策も。」


 長谷川君の自己紹介が始まる。キャラクターシートのイメージは清楚な感じの好青年。いかにも神職であるというイメージだ。


「戦いの神じゃないの?」


 と後輩君からの質問。


「筋力で納得できるキャラが出来なかったから前衛兼任より回復中心が良いかなって思って。」


 なるほど。ほかのシートを見てみたが確かに筋力値はぱっとしない。


 ただ、知力と信仰心の数値が高いので確かに無理して前衛兼任する必要は無いだろう。



「じゃあ次は僕ね。」


 どうやら後輩君は僕っこで演じるようだ。


「僕の名前はエリック。ハイエルフです。職業は精霊使い。」


 キャラクターのイメージは、エルフの特徴である長い耳に細身の体。金髪で肩までのセミロングをイメージしてある。いかにもエルフって感じだ。


 予告通り、戦士を選択しないで魔法系を取った形だ。

 慣れない職で旨く立ち回れるのか心配だが、そこは慣れていくしか無いだろう。

 特にバフ関係は受ける側から与える側になったのだから。


「よくハイエルフがとれたね!」


 エルフを選択すると、ハイエルフか普通のエルフを選ぶことが出来る。ただし選択は賽子の出目次第だ。


「このキャラだけハイエルフが取れたっす!ステータスも悪くなかったからもう一択っしょ!」


 と鼻息を荒くする後輩君。テンション高めだ。

 確かにその通りだ。ハイエルフにはプラス補正がエルフより多く付く。

 よほど他のステータスが悪くなければ正しい選択だ。



「次は俺だな。」


 と言うのは鈴木先輩。


「名前はエイナル。狼の亜人族だ。職業は狩人兼シーフ。もちろんシーフは鍵開けを覚えるための副業だ。今はまだ人の姿のままだが、将来は狼にも変身できるようになる。」


 狼の亜人族は顔が狼、体は人間というものだ。顔の毛は灰色でイメージされている。


 先輩は器用度と敏捷を重視しているようだ。

 全くブレ無い人だ。

 この種族の特徴は、ある一定のレベルに達すると狼に変身できるというもの。


「敏捷と器用が凄いですね!特に敏捷はパーティーの中で一番ですよ。」

「追跡や探索は俺に任せてくれ。変身できるようになれば鼻も効く。」



 次は佐藤さんの番だ。


「私の名前はブリット。豹人族の剣士よ。エイナルみたいに変身は出来ないけど、強くなればなるほど豹としての特徴が出やすくなるわ。ヨーンの攻撃が当ちゃったら私の出る幕なんて無いけど、10回に1回しか当たらないんじゃ、戦闘でも私の特徴が出るから楽しみにしててね。」


 うわ~・・・佐藤さん早速キャラクターになりきってる!っていうかかっこいい。


 キャラクターのイラストも、鈴木先輩のエイナルは狼顔なのだが、佐藤さんのブリットは人間よりだ。


 ヒョウ柄の猫耳としっぽが特徴的で、可愛らしいというよりはカッコ可愛いい系でまとめられている。いたづら好きなキャラって感じだ。敏捷性を損なわないためか装備も軽装鎧で纏めてある。


 この豹人族の剣士が最も輝くのはヒットアンドウェイ攻撃だ。


 攻撃ごとに敏捷性が上がっていき、ある一定の敏捷ステータスに達すると2回から最大3回まで1ターンで攻撃が可能になる、とんでもスキル持ちだ。



 最後の自己紹介は小鳥遊さんだ。


「エステルです。見ての通り妖精族です。魔術師をしています。空はまだそんなに高く飛べません(ペコ)。」


 ペコリとお辞儀をする姿にホッコリするメンバー・・・

 わざとか?たどたどしいセリフは、わざとなのか!?


「得意魔法は何?」


 と質問してきたのはエリックこと後輩君だ。


 系統が違うとはいえ後方支援系だからか、魔法かぶりを心配したのだろう。

 まあ、その辺は追々だ。


「今魔法屋さんで買ってある魔法書はデバフ関係と火魔法、あと生活魔法かな?」


 ん~・・・デバフという単語が出てくるとだいぶ馴染んでくれたことを感じる。


「もっと増やそうと思ったけど、初期資金だと本が買えなかったの。もっと強い魔法もほしかったんだけどなあ・・・」


 彼女の場合魔法書が買えれば中級くらいまでならホントに使えちゃうんだよな・・・


 なぜなら、ステータスが全体的に高いのだ。

 これは種族補助でも何でも無く、賽子の出目によるものだ。


 どのくらい賽子の出目が良いのかというと、ダメージクリティカル判定時、10回転させたことがある。


 ちなみにそれだけダメージ判定が回れば、シナリオボスをワンパン出来るほどである。


 と言う訳で、彼女は我がグループ内のスーパーラッキーガールである。

 ちなみに妖精族は平均身長120cmの為、敏捷や筋力へのマイナスが大きく発生する。


 代わりに魔法が得意な種族として知力や器用に大きなプラス補助がある。


 妖精の羽は透明に近く光に当たると、青紫っぽい色彩を放つ綺麗な羽だ。レベルが低いと長時間飛ぶことが出来ないが、レベルが上がってくるとそれに従って飛ぶことが出来る特典がついている。但し、重いものを持っていると飛ぶのにも制限が掛かる。


 ん~・・・リアル、テーブルトークともにマスコットキャラ確定だな・・・


 ちなみにこのキャラクター6人のイラストは、事前に小鳥遊さんがオリジナルで描いてくれた。


 ありがたや~。


 自己紹介兼キャラクターのお披露目はこれで完了だ。



 お昼を挟み、午後からはシナリオを一つ消化してみた。

 内容は近隣の村に出没するゴブリン退治というものだった。


 足跡の発見に失敗したり、ゴブリンの巣を見つけるのに手間取ったりもしたが、皆も手慣れた感じでシナリオを消化していった。


 俺のキャラクターが賽子の出目が悪く、ゴブリンに一発も攻撃が当たらなかったのは予想通りだった。


 メンバーの総突っ込みも予想通りだった。


 プレイしてみた印象は、パーティのバランスも良く(一人バランスブレーカー並みの火力を見せられたが・・・)出足としては好調だっただろう。


「いや~結構楽しめたね。」


 俺がさくっと感想を言うと、皆の感想も色々と聞くことが出来た。


「まだお披露目出来てない技とかもあるから、早く続きがしたいね。」


「次回はもう少し難易度を上げたらどうだ?」


「だけどヨークの攻撃の当たる気配の無さにはびっくりしたぁ~。」


「悪うござんしたね・・・あの器用度だと賽子の出目次第だなぁ~・・・」


「当たらないこととは逆に、エステルの火魔法の極悪さが目に余る!」


「え~・・・そんなこと無いですよ~。たまたまダメージ判定が・・・」


「はいはい。フル回転しちゃったって言いたいのね・・・」


「おかげで回復魔法の出番は全くありませんでしたね。」



 まあ概ね予想通りで順調だ。


 次は難易度をちょっと上げて遺跡探索のシナリオでもやってみようかな・・・などと考えてみる。


 そして、次回の開催日のすりあわせを行い当日は解散したのだった。

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