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第93話・いざ、第七階層へ…


小部屋の安全確保の為に2×3mの厚板で入り口を塞いだ。

これならスライムはともかくとして、魔獣が入って来辛いだろう。

ま、こんな力技の防衛陣を敷けるのはDELSONなんて言うチートアイテムを持ってる俺くらいなモノだろう。


仮にストレージボックスでも持っているパーティーメンバーがいれば出来なくはないけど、ストレージボックスを持っているなら冒険者ではなく商人になった方が儲かるから冒険者でそんなヤツはいないだろう。


さて、安全確保が済んでマナトーチで明るさも確保できた。

あとは食事って事になるんだが、今回の携帯食料は自作してきた。

正直、例のマズい携帯食は食べたくないんでね。


んで、何を作ったかと言うと『インスタントラーメン』ぽいモノを作ってみた。

作り方は単純だ。パスタの麺を油で揚げて、濃い目のスープに潜らせて乾燥しただけのモノ。コイツをお湯、もしくはスープで戻して食べる。

今回はテストなので、お湯で戻して食べてみたい。当然のこと具は無しだ。

まあ、失敗しても街で購入した串焼きも持ってきているから心配ないんだけどね。


持ってきたマグカップに麺を入れて、あとはお湯を注ぐだけ…、簡単だ。

戻す時間は正直わからん。適当に3分ほど待ってみた。

では、実食!!……。


う〜んマズくはない…。ただ、チョットしょっぱいかなぁ。お湯の量が少なかったかもしれなが、塩辛いのが好みならイケるかもな。

麺の具合は柔らかくなった皿うどんっぽい感じ…。個人的には許せる範囲。

具やらスープにトロみを付けるなんて工夫をすれば、もっと美味しくなるかもな。

まぁ、素人が思いつきで作ったモノにしたら、及第点ってところだろう。

帰ったら、ヤーヴェさんと相談してプロの料理人に作ってもらおう。


でもさ、ラノベの主人公って妙に料理が上手い人が多いと思わん?

俺みたいにコンビニ弁当とインスタント食品と冷凍食品で生きてきた人間にしたら、みんな冒険者になるより料理人になった方が稼げるんじゃない?って思っちゃうんだけどねぇ。


そんなくだらない事はさておき、メシも済ませたんで後はサッサと寝るだけだ。

明日もメチャクチャ歩かないといけないからなぁ〜。

おやすみなさい…………。




さて翌朝、目が覚めてもダンジョンの中はトーチが無ければ真っ暗なんで時間が分からない。

時間感覚が欠如して、予定期日のオーバーなんてのはよくある話だ。

それを防ぐ為の時計みたいな魔導具もあるにはあるんだが、高価な上に今が昼か夜かしか分からない程度のモノ。

そんなモノだから、お金に余裕のある高ランクの冒険者しか持っていない。

まあ、俺の場合はDELSONがあるので今が何時かなんて簡単に分かるんだけどね。


んで今日の予定だけど、できるなら最下層の第七階層に到達したいと思っている。

昨日はここ第五階層に到着するまでエラく時間が掛かった。

せめて、年越しイベントの『オルトロス』見学ツアーは成功させたい。

今日は大晦日の前日だ。今日中に第七階層に着ければ、年越しオルトロスも夢じゃない。ガンバって歩き倒そう。そう気合いを入れて出発した。



………歩けど歩けど第六階層に続く階段は見つからない。

正直、このイベントは失敗だったかなぁ〜なんて思い始めた時にレーダーに反応が出た。待ちに待った階段の反応だ。

ただし、魔獣と交戦中のパーティーの反応もあった。

第六階層からの戻り組のパーティーかな?階段を背に交戦中だ。

俺は急ぎ足で現場に向かった。


「ダイスとロックは守りを固めろ!!ライナは魔法で牽制!!俺が前に出る!!」


現場では4人パーティーが必死に戦っていた。出合い頭の遭遇戦なのだろう。

10匹ほどのオオトカゲの群れに囲まれている。

オオトカゲは1匹ではそれほど強くはないが、群れて連携されると厄介だ。

だが、そのパーティーはオオトカゲの連携をモノともせず、確実に屠っていく。


だけどねぇ〜。10匹ともなると少々時間が掛かるのよ〜。

早いとこ駆逐して欲しいのだが、流石に俺がしゃしゃり出ていくわけにもいかず、見物してるだけど……。

…………無理!待ってられない!って事で少々お手伝いさせてもらおう。


前に使った針付ワイヤーでスタンガン無双だ。

これなら、無音状態でサポートできる。


では早速、無双していこう。オオトカゲに狙いをつけて……。

パスっ!パスっ!パスっ!と…。当たれば後は簡単、軽めの電撃をお見舞いする。


すると、オオトカゲは声も上げずに動きを鈍くしていく。

こうなると、4人パーティーの攻撃力が遺憾なく発揮される。

俺がスタンガンで敵の動きを止めて、パーティーメンバーが止めを刺す。

そんな連携が出来上がり、5分もするとオオトカゲは全滅していた。


「よし!なんとかなったな」


最後の1匹を仕留め、パーティーのリーダーが一息ついた。


「なんかさ、オオトカゲの動きが変じゃなかった?」


「そうだな…。途中から妙に動きが緩慢になってたな…」


後方で敵を牽制していた魔法使いとメンバーを守備していた盾持ちが囁き合っているのを余所に、俺は彼らのそばを通り抜け第六階層へと向かった。



第六階層でもレーダーを使い、ここで稼いでいるパーティーを探してみた。

すぐに5組のパーティーが検索に引っかかったが、割と近くで周回している。

これじゃ、道案内にも使えないな。諦めて歩き回ってみるしかなさそうだ。


昼飯を挟んで歩き回ること数時間、何度かの魔獣との遭遇もあったが、そこはDELSONのステルス機能があるのでサックリと素材になってもらった。


そして夕方近くになって漸く第七階層への階段を発見した。

良かったぁ〜。これで『年越しオルトロス』が出来る。


前情報によるとオルトロスのいる場所はこの階層の中央付近だそうだ。

そこは広い円形闘技場のような場所らしい。

流石は階層ボスと認定されていた魔獣だけの事はあるな。


待っていろ!オルトロス!!お前のツラを拝みに行ってやるからな!!


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