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私、悪魔になりました  作者: 白子うに
8章 親友との再会。明かされる秘密
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第62話

指名手配中だって!?

迂闊だった。普通に考えれば見つかっていないわたしが疑われるのは真っ先に考えるべきだったか。あのニュースを見た時どうにかしてあいつらの残骸を取り返せばこんなことには・・・。

いや、ちょっと待てよ。

おかしい。

なんでわたしが容疑者扱いになっているんだ。

殺したのはわたしだが、それは悪魔になってからの出来事。

ならおかしいじゃないか。

今まで見たことのないような指紋というのは恐らくサタンがあいつらを連れてくるときに付いたものと、わたしが戦闘で付けたものなのだろう。

だがわたしはあの日、人間の状態ではあいつらに触れてすらいない。

だとしたらわたしの指紋が付くはずがない。

悪魔になりたてだから体が変わっていなかった?

いやありえない、力を手に入れて翼が生えたあの状態で指だけが人間のままなわけがない。

だったらなんだ?

可能性として考えられること。

嵌めようとしている。

何者かがわたしを陥れようと企んでいる。

だとしたら誰だ?

人間ではない。そう思いたいが想像もつかないこの状況ではそれすらもわからない。人間がやっていないなんて根拠がどこにもない。

でもあれが人間の仕業としたら、そいつはもはや人間と呼んではいけないだろう。

とりあえず今は見つからないようにしないとまずい。

ふと顔を上げて周りを見渡すも、特別わたしの方を気にしている人はいない。

ニュースの記事は今日の朝に掲載されているからまだそこまで認知されていないはず。だとしてもこの店の中にいるやつの一人ぐらい見てるんじゃないのか?

わたしを見つけて冷静を装っているフリをして警察に連絡しようとしているんじゃないのか!?

ヤバイ。

ここで挙動不審になれば注目の的、落ち着け落ち着け。

みんな気付いてない。そうだ、きっと気づいていない。

そう自己暗示をかけていないと今すぐにでもおかしくなりそうだ。

変な汗がでてきた。心臓の鼓動が急激に速くなり胸が苦しい。

ここから逃げなきゃ。

もう牛丼なんか食ってらんねぇよ!

食べるなら落ち着いて美味しくいただくに限る!!

よし出るぞ。

今すぐ立ち上がって速攻出るぞ。

頼んでしまったことについては申し訳ないが、ここにはもういられない。

水だけ一口だけ飲んで口の渇きを抑えコップを机に置いた時、隣にお客さんが座った。

顔を見られてはまずい。このお客さんがニュースを見ている可能性もある。

俯き加減で立ち上がろうとしたとき「アタマの大盛りつゆだくで」と大盛りの部分しかわからない通が頼みそうな注文をその人はした。

きっとつゆだくはつゆが多いやつ。のはず。

だがアタマってなんだ。全く食べ物に関係ない単語でてきちゃってますけど!?

いやいやこんな事気にしてる場合じゃない早く出ないと。

ん?

顔は見ていないが声が女性だったな。

わたし以外には来ていなかったからこの人が二人目の勇者か。

どんな人か気になる・・・・・・

こんなしょーもない誘惑に負けてたまるか。

諦めて今度こそ帰ろうとしたら、腕をぎゅっと掴まれ「ひっ!」と小さな悲鳴をあげてしまった。まずい、隣の人に顔を見られていたのか。振り払って逃げるか。どうせバレてしまったのならちょっと乱暴になってもこの場を逃げ切るのが定石。

知らない人ゴメン!


「どうしてそんなに怯えてるのかな?篝」


今、わたしの名前を呼んだ・・・?


「顔上げてよ」


そうしないともっと危険なことになりそうな予感がして、言われるがまま顔を上げる。


「僕のこと忘れちゃった?」


僕。自分のことをそう呼ぶ女の子にわたしは覚えがある。

そう。その人はまぎれもない、会いたくて会えない、忘れたくても忘れられなかった私の親友 神威火凪だった。




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