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私、悪魔になりました  作者: 白子うに
7章 VS剛強無双の大男 平将門
45/80

第45話

「な、なんやどっからか声が聞こえてきよるで!」


わんぱくな小学生のように無駄に大きい声でわたしの名前を叫んだ。

卑弥呼さまー!!!!!みたいなロン毛のお笑い芸人顔負けの勢いでわたしの名前を呼んだ彼に苦笑いしつつも、サタンにまず彼のことを説明しないと。


「あーえっと、今の声の主は実体がなくて。その、とりあえずわたしの中にいるみたいな?」


「何を言うとんねん意味不明やぞ」


だろうな。わたしもよくわかってないのに上手く説明しようと試みたその意気は買ってほしいところなのだけど、とりあえずゆっくり説明する時間もないから、わたしを護るために生まれた存在ということと、この謎の彼のおかげで強くなれたということを適当に説明した。

サタンならこの現象について何か知っているかと期待を少ししたのだけれども、全く知らんと全く何の役にも立たない返事しか返ってこなかった。


「んーーーうちとリリスみたいなものかと思ったんやが、どうやらそういうわけでもなさそうやし謎は深まるばかりや。まっ、とにかくそいつと接続?したら強ぅなるんやったらさっさと接続してくれ。うちもリリスと合体するから」


「合体??」


すでに合体してるんじゃないのか。擬態しているのであって合体とはまた違うということなのだとサタンは言ったが、わたしもよくわからないので深く追及することはやめた。


『篝様、篝様!』


「ん、どうしたの?」


今度はわたしの心に直接話しかけてきた。


『俺のことは隠しておくんじゃなかったんですか?もうバレちゃいましたよ』


「バレちゃいましたよじゃない」


君が大声で急に叫んだからバレたんだよ。

少しは反省したらどうだろうか。まぁあの状況では結局このことは言わなければならなかっただろうし、そこまで彼を責めるわけでもないが、責めるべき点があるとしたら彼のおバカさだろう。

忠実にわたしを護ってくれるのは言葉の端々から感じられるのだが、声だけを聞いてもわかるぐらい知性が感じられないのが残念なところ。

頭で考える部分はわたしがカバーして、肉体面で非力なわたしを彼がカバーすれば何とも素敵なコンビなのだと気づいたのはこの戦いが終わってからなのは言うまでもない。


「まぁ何でもいいから、その接続とやらを一回見せてや」


「わかった。ねぇ、今回は共闘モードでやってみたいんだけどいいかな?」


『そうですね~。支配モードでもいいんですが、今回は共闘モードでいきましょう』


「りょーかい!」


「まぁ本来はこのモードで戦うのが定石というか、力も能力も支配モードより出しやすいですし、何よりこのモードを練習していかないとダメですからね。ですが今でなくてもいいのではないでしょうか。相手の実力はわかりませんが支配モードでも十分戦えるとは思いますし、命を落とす可能性だってあります。俺は篝様を失いたくはありませんから・・・」


「気を遣ってくれてありがとう。だけど、楽な方に逃げるのは嫌いなの」


自殺しようとした身分で偉そうなことは言いたくはないけど、それまではちゃんと夢もあって毎日頑張っていたんだよ。

彼の言うことはわたしの考えと合っていた。楽な道ばかり選んでいれば、必ずといっていいほど後で代償がのしかかってくるのは当然のことで、それはわたしがかつてそうであった人間が一番知っている。みんなそれをわかりつつも結局は流されるまま楽な道を選ぶ者、何とかそのルートを回避しようと頑張っていたけど結局は才能という壁が立ちはだかり、そこで挫折をして楽なルートを生きざる得なくなって一生嘆いて生きる亡者となる者、本当はそんな風に生きていきたくないと思っていても頑張るのも嫌で、才能がないとわかりつつもそれに気づいた瞬間に何かが終わるとわかって、自分は楽な方が合っていると自己暗示のようにこれでよかったのだと自分に言い聞かせる者。

別にこういう生き方が悪いとかではないんだけど、わたしはこういう生き方をしてこなかったからかあまり理解はできない。

わたしがそういう生き方が出来ない理由は単純な、至極単純なもので、死ぬときに後悔して死にたくはなかっただけだ。夢が叶うかどうかなんて当然わかるわけもなく、まして夢を叶えられる人なんてほとんどいないのかもしれない。

でも別に夢が叶わなくたってもよかった。けど、最後まで諦めない挑戦するということだって夢を叶えたことと同じくらい素敵なことじゃないだろうか。

わたしには才能がなかったというと嘘になる。ただ、天才じゃなかった。

才能がなくても努力でなんとかなるなんて綺麗事を言うやつはクソくらえと思うし、土俵に上がれるという点では確かに少しは有利だった。向き不向きという点では向いている、夢への一段階目は突破しているというだけであって、それに驕ることもせずコツコツ頑張っていたけどそれでも本物の天才には手が届かない。それをわかっていても頑張ってはいたが、自殺未遂を経て悪魔になり世界を壊すという目標でもあり夢でもあることに挑戦できているこの生活も悪くはない。

ちなみにだけど、誰も興味はないかもしれないけど、この先誰にも言うことはないかもしれないけど、わたしの夢は漫画家だ。


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