第44話
「げほっ……!」
気道に腕がもろに当たり上手く息が出来ない。
咳き込みながらも必死に態勢を立て直そうとするが上手く立ち上がれない。
体に直接ダメージを受けたわけじゃないのに、ここまで威力があるとは思わなかった。
顔だけを無理やりあげて状況を確認すると、だいぶ遠いところまで飛ばされているみたいだ。
オオカミさんと将門の姿が点にしか見えない。
隣を見るとすでにサタンは起き上がっていた。
「いてて・・・」と言いつつもそこまで深刻そうに見えないけど、ダメージくらってないのかな。
「ちょっと将門!あなたいきなり何するの!!」
「オオカミさんこそ、これは一体どういうつもりですか!!!話は聞くとは言いました。しかし、アスモデウス様を倒す・・・?ふん、馬鹿も休み休み言えとはこのことですよ。自分たちは七大魔王、アスモデウス様を護るための存在のはず。なのにその一人であるオオカミさんがこんな連中といるんですか!」
「まさかあなたがここまでアスモデウスに対して忠誠心があるとは思わなかった。これはわたしの誤算ね。だけどわたしにだって、護りたい存在ができたのよ」
「あくまであの連中の味方ってわけですか・・・。オオカミさんとは旧知の仲、それゆえにあなたのことを殺したくはないです。アスモデウス様に反旗を翻すというのなら、自分はあなたの考えを止めることはしません。ですが!あいつらは別です。今すぐ馬鹿げた考えを正すためにも殺します。まぁどのみち敵となるわけですから覚悟はしといてください。殺しはしませんが・・・」
「・・・そう」
このままでは非情にまずい状況なのは誰が見てもわかる。
打開策は・・・戦うこと!それだけっ!!
今度はサタンも一緒に戦えるんだから戦力は倍増、それにわたしには謎の力を発動することだってできる。勝率はゼロってオオカミさんは言ってた、だけど今なら!今のわたしになら!!
「サタン、戦う準備はできた?」
「ラリアットくらってのびとる分際で何をかっこつけて言うとんねん」
わたしの発言がツボに入ったのか、がははとオッサンみたいな笑い方をした。
確かに、どの口が言ってんねんて感じか。
「戦う準備はできとる。なぁリリス」
「勿論でございますサタン様。あのような痴れ者はいかしてはいけません。抹殺できるなら粉々にしてぶっ殺してやりたいものです」
ちょっとリリスさん口が急に悪くなりすぎじゃないですかね。
ドン引きしますよこれは。
まぁそれぐらいの意気込みじゃないとダメってことだよね。
そうしとこう。
「後はあんたや。力を隠しとるのはわかっとる」
「えっ!」
バレテタ。めっちゃバレテタヨ。
「わかるに決まっとるやろーんなもん。まぁ手の内は隠し時たいのはわかるが、この状況では隠してるうちにお互い殺されてゲームオーバージ・エンド・・・になるのは嫌やろ?だから隠さんと見せて一緒にこのピンチ乗り切ろうや」
「わかったよ」
包み隠さず、今のわたしを見せよう。
『篝様ーーーーー!!!!!』




