第39話
「平将門って日本の歴史に出てきた武将ですよね。悪魔になっちゃったんだ」
「元々は悪霊だったんだけど、より凶悪な悪霊は稀に悪魔になるの。メサイアは平将門の呪いについて知ってる?」
「呪い、ですか。聞いたことはあります」
歴史はあまり得意科目じゃなかったんだけど、平将門はけっこう活躍したんじゃなかったっけ(適当でごめんなさい)
まぁ教科書に載るぐらいだからすごいとは思う。
それとは別に、呪いについては確か前にテレビの特集か何かで聞いた事があった。
討ち取られた将門の首は京に持ち帰られたが、三カ月経っても腐る気配がなく、夜な夜な自分の身体を求めて叫び声をあげながら、ついには東国へと飛び去り、そして首が落ちた場所が日本の首都、東京の大手町の首塚とされたんだったかな。
それだけでも恐ろしいのに今もなお将門の恨みは残っていて、自分の首があるとされる首塚に触れた者を祟っているとかなんとか。なんかの建物を建てようとしていた人達が次々と事故にあったという記録もあり、現在の日本でも語り継がれているらしい。
死してなお祟れるなんて、私なんかより相当恨みが強いんだろうな・・・
「だいたいそんな感じね。私は獣だったからそんな人のことは知らなかったけど、話を聞いた時は恐ろしくて会いたくなかったわ。でも根は真面目で実直、忠誠心が強いからってアスモデウスに見込まれて七大魔王に選ばれたんだけど、どこにも属さなかった頃の彼はけっこうヤバくてね」
「ヤバいって言われても、この世界だいたいヤバいやつしかいなくないですか?」
そんなこと言わないの、と軽く怒られてしまった。
否定はしないんだ。
「まぁそうなんだけど、彼も元々悪魔殺しとして有名だったの。ていっても彼から仕掛けた事は一度もなくて、全部向こうから来たのを彼が返り討ちにしてたってだけ」
「どうして狙われてたんですか?」
ただのふとした質問だったのだが、オオカミさんは少し言いにくい雰囲気だった。
まさか私がこの質問をしてくるとは思ってなかったらしいが、わたしの知りたいですオーラが満載なのがウザかったのか渋々答えてくれた。
「あなたと同じなのよ。彼も”いじめ”を受けていた」




