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超一流ホテルに戻ると大勢のイケメンたちが出迎えてくれた。

「ヒカリちゃん疲れてない?」

「のどかわいたでしょ?」

「きょうもかぁいいねぇ~」

「かたもむね♩」

コートは脱ぐと受け取ってくれるしソファーに座ると飲み物が運ばれてくる。

肩も揉んでくれるしいたれりつくせりだ。

王様になった気分だね。

各国の政府にあたしが滞在中はよりすぐりのイケメンに接待させるように命じてる。

それぐらいの役得は当然だよね。

あたしはわざとらしくため息をつく。

「きょうは参ったよ。あたしの心を読む力を試してくるやつがいてさぁ。まあ返り討ちにしてやったんだけどね」

「さっすがヒカリちゃん!かっこいいー!」

「ヒカリちゃんサイコー!」

「どんな事件だったの?」

あたしはイケメンたちに事件について語った。

武勇伝を聞いてくれるイケメンたちはリアクションがいいから話していて楽しい。

それからイケメンたちが作ってくれたおいしい晩ごはんを食べてベッドに移動する。

イケメンたちは帰らせたので静かだ。

1人選んで夜のお供をさせたら大ゲンカがはじまるから必要な時はこっそり呼び出す。

うとうとしながら最近の事件について考えた。

今日の犯人であるメガネくんが予想した通りあたしはデザイナーベイビーだ。

超能力の持ち主じゃなくて優れた五感を備えてるだけ。

心が読める探偵なんて警察が作り上げた虚像にすぎない。

けどそのほうが都合がいい。

犯罪抑止になるから。

あたしは法律がゆるい国で戦争兵器として作られた。

異常な視力、聴力、視力を有している。

筋力もすごく発達してる。

筋肉の密度が高いみたい。

見た目は細いけど力持ちってことね。

だから射撃もすごい腕前だし、敵の奇襲も音で見抜ける。

地雷もかすかな火薬の匂いで察知できる。

表情がとぼしいのは感情を捨てる訓練していたから。

殺人に罪悪感を覚えないように。

いまは笑顔を取り戻す訓練をしている。にひっ。

世界中を飛び回り五感を駆使して日々、難事件を解決してる。

密室殺人事件の時は事前の情報から動機はすぐに遺産が目的ってわかった。

容疑者であるヤンキーの髪に微量な血がついていたし、ストレス臭も強い。

心臓の鼓動も早鐘のように打ってた。

トリックは隣の部屋から犯人が出てきたなら回転扉ぐらいしかなくない?

動機やトリックが違ってもどうでもいいんだけどね。

犯人は確定してるし。

犯人が動機を否定したら犯人は嘘をついてるっていえばいいし、トリックがちがえば警察があたしの言ったトリックが正しかったように工作してくれる。

ねつぞう?

いやいや犯人なのは確定だからね。動機やトリックなんてなんでもいいのよ。ほんと。

ヤンキーは目ぼっきしてたからあたしでえっちな妄想してたのは丸わかりだった。

目は口ほどに物を言うだね。

冤罪かどうか調べてくれっていう依頼もよく来る。

先日の高齢の死刑囚は一瞬でクロだってわかった。

何年も秘密を隠してるからストレス臭が尋常じゃないし密閉空間だから耐えるのが大変だったよ。

あとちょっと長居したらハナモゲタねきっと。

こいつも超目ぼっきしてた。性欲は灰になるまであるってほんとうだね。

胸とお尻にいやらしい視線を感じてマジでキモかったよ。

心臓音もバクバクしてて罪を犯してごまかしてる人間の特徴がぜんぶ出てた。

退室する時に刑事さんに耳打ちしたのは大金の隠し場所だ。

盗んだ大金を隠すなら山でしょう。

掘り返す時のために自分がよく知ってる近所の山に隠して木に目印をつけるはず。

警察の集めた情報によるとあのおじいさん山村の生まれで、子供の頃、防空壕を秘密基地にして遊んでたって話だから山に愛着があるのは間違いない。

だから裏山に隠して木に印をつけたって推理した。

刑事さんから聞いた死刑囚の最後の様子からどんぴしゃだったみたい。

刑事さんに大金を掘り返すのか聞いたけど、木は伐採してるかもしれないし木は伸びるから目印をさがすのはムリゲーなんだって。

刑事さんはハッタリで必ず見つけてやるって死刑囚に伝えたそうだ。

刑事さんもやるねぇ。

あのおじいさん最後の瞬間まで自分は無実だ!って叫びたかったんだろうけど、残念だったね。

なんまいだぶつ。

今日の孤島で起きた大量殺人事件はちょっぴりスリルあった。

メガネくんは遺伝子学研究してたみたいだからあたしがデザイナーベイビーだと当たりをつけて対策を講じてきたのだ。大ピンチ?

ぜんぜんそんなことないよ。

あたしには秘密兵器がある。

五感を超えた第六感だ。

第六感とは目に見えない感情の波を受け取る力。

あたしは人や動物が怒りや憎しみ悲しみ恐怖の念を強く発すると、それを感じ取ることができる。

強い感情の波だとどんなに遠く離れていてもキャッチできた。

兵舎に向けられた敵軍のミサイル発射ボタンが押された瞬間、あたしは強い憎しみの波を感じて全力疾走で兵舎を脱出して1人だけ生き残る。

みんなに逃げて!って叫んだんだけどポカンとして逃げなかった。

生き残ったあたしはどうすればいいかわからず隣国に逃げる。

隣国の政府に保護されて丁寧に扱われて人間性を取り戻した。

子供の頃から戦場で戦い戦争のことしか知らなかったのでエンタメは新鮮だ。

ミステリードラマにハマってこの力を探偵として世の中のために使おうと決心して現在に至る。

メガネくんが犯人だと一瞬でわかったのは出会った時からずっとあたしに敵意を向けていたから。

殺人犯は刑事や探偵に強い敵意を向けてくる。

最悪の場合、自分を死刑台に送る死神だからね。

すました顔をしていても敵意を向けているのはわかる。

敵意、殺意、憎悪といったドス黒い感情の波を受けると肌がビリビリする。

つまり、あたしはいままで強烈なストレス臭、極微小な返り血、緊張した心臓音、濃厚な敵意で犯人か否かを判断していたってわけ。

もしメガネくんが第六感まで気づいて敵意を発しない訓練をしていたらお手上げだった。

ふーっあぶなかった。

第六感が生まれつき目覚めていたのは受精卵の段階で勘が鋭い人のDNA配列を模倣して遺伝子を書き換えたからだねきっと。

メガネくんが何を考えていたのかどうしてあてられたのかって?

あの一瞬、光速で頭をフル回転させて思考を読んだ。

思考を読ませないためにわざとまったく事件に関係ない好きな食べ物や映画、初恋の少女について考えてた可能性もあった。

あたしへの殺意、あたしをネタにしたえっちな妄想も考えられる。

でも、自分の心を知って欲しいから問いかけてきたのではないか?と思う。

だとすると罪悪感のまったく感じられない彼の考えていることは殺人の正当化だ。

あたってよかった。

刑事さんによるとメガネくんは自分は間違ってないと言い続けてるそうだ。

罪と向き合えないのは悲しい。

死ぬ前に改心して欲しいものだね。

あたしは日課である古今東西すべての犯罪犠牲者に祈りを捧げてすこやかな眠りに落ちた。

ミステリードラマに大物ゲスト俳優が出てくると「このひとが犯人だ」って一瞬でわかるのも閃光探偵です。

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