最低で最高の職員
二つ目に挑んだ洞窟ダンジョンはあっけなく終わった。
ショゴスが先陣を切り、イエティと私で撃ち漏らしを叩き潰していく。
あっという間にボス部屋に辿り着き、でかいゴブリンを私とイエティで牛裂きにして終了。
ボスドロップはそのまま使えそうな武器やアイテムがメインでパートナーエッグは出てこなかった。
そのまま三つ目のダンジョンに入ると、そこはまさしくピラミッドのような見た目と、迷宮といった如何にもな場所だったのだがここも攻略は容易かった。
強いて言うならボスが厄介で……。
「毒攻撃かよ!」
大蛇、それも毒を盛っているタイプで尻尾の形状はガラガラヘビ。
頭はよく見るマムシなのだが、毒液を吐き出してくるため私とイエティは近づけずにいた。
なにせ揮発性が高いのか、毒液の吐き出された場所からは紫色の煙が立ち上っている。
近接殺しもいい所だが……そういやあの大猿は接近戦主体だから魔法使いの天敵だな。
詠唱とかそういう時間を用意できなくて蹂躙されかねないけど……三佐がユニコーンに乗りながら詠唱する様子が脳裏をよぎったのは混線じゃないと信じたい。
とはいえこちらは毒程度じゃびくともしないショゴスがいるので任せたら完封してくれた。
……蛇が溶けていくのって見ていてグロテスクだな。
以前自衛隊の訓練で食べたけど、味だけは良かったからこそこういうの見たくなかった。
そしてボスドロップは素材系だったので、セーフティエリアの街で適当な職人見つけて加工してもらう事に決定。
……ボスラッシュじゃなかったな。
(こちらクレナイ、三佐。公式ダンジョンの攻略が終わった。そっちはどうだ)
(こちらブルー、一佐速すぎますよ!? まだ二つ目で樹海で迷子です!)
(そうか、なら私はプレイヤーメイドのダンジョンに行ってみる。あと多分そこお前にとって天敵いるから気をつけろ)
(ちょっ、中途半端なネタバレやめてくださいよ! 聞いてます!? 一佐!)
ブツッと通信を切ってから問題の品を見る。
パートナーエッグ、蛇の卵。
まぁ、まぁまぁ、流石に蛇なら妙な事にはならないだろう。
アクティベート。
【ミニチュアスネークが進化条件を達成しました。進化させますか】
はえーよ!
(おいどうなってる解析班!)
(ショゴスが何かしらの影響を与えているところまでは確認できました。ただショゴスそのもののデータ解析が終わらず……イエティの方は特殊な進化経路というのは分かりましたが一佐よりも筋力ステータス低いですよ)
(そういうのはどうでもいい……いや今私をゴリラって言ったか?)
(滅相もない)
まったく、しょうがないのでYesを選択。
ブレスレットにできそうな体格だった蛇ちゃんは、そのままずるずると身体を大きくして私の身長と同じくらいのサイズになり……頭が9本になった。
名前は九頭竜。
「おいどうなってる」
もうなんか通信という事も忘れて普通に叫んでしまった。
傍から見れば変人以外の何物でもないが……。
(んー、毒の能力は無いですね。ただ再生能力に特化しているのでタンクとしては優秀かと。イエティにヒーラーでもやらせますか?)
(この毛玉にそんな上等な事ができると思うか?)
(一佐より知能のパラメーター高いのでできると思います)
(よーしお前所属と階級言え。殴って上司の前に引きずり出す)
(青木沙良三佐、公安情報局所属です)
(……人の名前を勝手に使うなよ)
(我が身が一番かわいいので)
(さいてーだな……)
まったく、なんでこうも公安は癖のある奴しかいないんだ。
とはいえパートナーは最大で6体、あと3枠あるという不安も残るが戦闘で出しておけるのは3体だからこれ以上厄ネタが増えないとも考えられる。
……まぁ、ショゴスが妙な事をしなければだけどさ。




