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グレイブクリエイトオンライン~VRMMO嫌いがてけり・り~  作者: 蒼井茜


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10/10

cv福山さん

 排泄と食事を終えて、栄養ドリンクと睡眠打破飲料とエナドリのカクテルを飲んで、私を雌ゴリラといった奴を殴ってからVOTに戻る。

 途中三佐とはスレ違いになったらしいが……まぁいいか。

 今回はスタンドプレーによるチームワークが重要になってくる仕事だ。


「さて、これがプレイヤーメイドか。存外普通だな」


 入口にはプレイヤーネームと制作日が表示されている。

 結構古いものだが……ふむ、製作者は24歳男性でまだ存命。

 製作者が死亡すると役所から弁護士経由で死亡診断書が届き、家族の許可を得られた場合本名も乗せられることになる。

 許可が得られなければプレイヤーネームの後ろに(故)と書かれる仕組みだ。

 一般プレイヤーも多いし、暗黙の了解として故人ダンジョンの攻略情報は伏せるという物があるらしいが……そのくらいならダークウェブに潜れば3秒で見つかるだろう。

 まぁ元々攻略情報をかいらないし、このダンジョンはチュートリアルの一環として残されているらしいがお手並み拝見だな。


「よっと」


 見た目は洋館というべきか、ホラーチックな建物だがいい雰囲気だ。

 もう少し明るい場所で、奇麗な状態ならば別荘として最適だっただろう。

 蔦が生い茂って窓が割れているせいで恐怖心をあおられるが、こちとら背後に不定形の化物とUMAと九つの頭がある蛇がいるんだ。

 下手な幽霊よりコズミックホラー&未確認生物&なんかよくわからん化物だ。


(あとメスゴリラもいますからね)


(いい度胸だなお前、後でもう一発殴る)


(ありがとうございます!)


 ……強く叩きすぎたか?

 古い家電と同じ感覚でやったせいかどっか壊してしまったらしい。


「イエティ、ドアをノックしてくれ」


「ウホッ」


 ……いやな鳴き声しやがるなこいつ。

 通信でゴリラがゴリラ引き連れてるとか聞こえてきているし……。

 おい誰だ、今彼氏ですとか言い出したのぶっ殺すぞ。

 ともあれイエティがごんごんとドアを叩くが反応は無い。


「おいイエティ、違うな。間違っているぞ」


 私の言葉に疑問符を浮かべながらこちらを見てくるイエティ。

 確かに今のはノックだ、だが私の注文はもっと奥が深い。


「私がノックを命じたらな、蹴破るんだよ!」


 回し蹴りでドアを吹き飛ばす。

 これで洋館に閉じ込められるというお約束パターンは潰した。

 なにせ閉まるドアがないからな!

 おい誰だ、ゴリラ式解決術とか言った奴、脊髄引きずり出すぞ。


「ふははは、これはこれは、豪快なお嬢さんだ。そして……珍妙な連れ合いがいるようだが、まぁいい」


「お前がこの館のボスか?」


「ふぅむ、実に良い視線をくれる。そそるではないか」


 黒マント、血色の悪い肌に鋭い牙、見るからに吸血鬼……つまり私の地雷である。

 ついでに言えば口調がムカつくのでイエティを掴んでぶん投げる。


「おわっ! あ、危ないではないか!」


「うるせぇ! 吸血鬼は滅べ! 一匹たりとも逃さねえぞ! すべからく滅ぶべし!」


「すべからくの誤用の典型みたいなことを言うな! まったく、ルールを聞いてもらわなければ困る。ここはそういうダンジョンなのだ」


「あぁ?」


 ルールだ? そんなのぶち壊して作り直す、三佐ならそういったかもしれないけれど私は比較的ホワイトなグレーハッカーだ。

 だからその言葉を出されると少し弱い。


「まずこの館には3つの鍵がある。仕掛けを解いて地下に来たまえ。そこで私の出す問いに答えられたらクリアとなる。戦いの無い安全なダンジョンというわけだよ」


「……随分と、このダンジョンを作った奴はお人よしみたいだな」


 ルール説明から始まり、その内容もある程度推測できてくるもの。

 しかもクリアが可能で、知性が高い吸血鬼がパートナーをしているとなれば……完全に運営側がやるチュートリアルダンジョンじゃねえか!

 なんだよあの公式ダンジョン! 戦闘しかさせてねえぞ!

 あと毒! あれで神話生物生まれたんだからな!


「いや、真面目な話をするとご高齢の方は戦闘が苦手なことも多くてね。その点を重く見た主が上にこういうのもありだろと例として作り上げたのがこのダンジョンなのだよ」


「あぁ、うん、お前自分がAIってわかってるタイプか?」


「うむ、君達が自分を人間と認識しているのと同じ事だ。主曰くそのうち人権問題になるだろうとも言っていたが、その辺りは私の知る必要のない範疇。それよりもまずペナルティをふたつ付与する。このペナルティが五つ溜まるとダンジョンから強制排出される」


「は? ペナルティだと?」


「うむ、ドアの破壊とダンジョンマスターの私に対するいわれなき攻撃で二つ。とりあえず右目と左腕の機能停止で」


 その瞬間視界が狭まり距離感が図れなくなる。

 左腕も言われた通りピクリとも動かない。

 なるほど、これがペナルティ……リドルを力業で攻略するのを禁止するためのルールというやつか。


「さて、今ので理解したと思うが謎解きを壊そうとしたらペナルティは追加される。では存分に楽しんでくれたまえ」


「ショゴス、食え」


「あー! 未確認神話生物をけしかけるのはやめたまえ!」


 一瞬で蝙蝠に変身して逃げ出した吸血鬼、ちっ……逃がしたか。

 まぁいい、後で絞めるだけだ。


(一佐、目的が変わってます。ダンジョンを調べつつ、クリアを目指してください)


 クリアは目指すさ、その締めにあの吸血鬼を締め上げて肋骨を引きずり出してやるだけだ。


(だーめだ、このゴリラ完全にシステムが戦闘モードになってやがる)


 お前も恥骨引きずり出してやる。


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