第八章:崩れ始める支配
魅了が効かない涼子
「どうして……?」
かなさは、涼子の冷静な表情を見つめ、信じられないという様子で一歩後退した。
「私の髪に触れても、何も感じないなんて……そんなこと、ありえない!」
涼子はその言葉に冷たく笑った。「どうして効かないか知りたい?教えてあげるわ」
彼女は装置をかなさに向けながら、静かに続けた。「あなたの髪に頼った支配なんて、幻想に過ぎない。私には、その偽りの力に屈するつもりはないのよ。なぜなら――」
涼子が言葉を続けようとしたそのとき、突然、工場内の照明が激しく点滅した。
「……何?」
かなさが周囲を見渡すと、工場の中央付近から煙が立ち上り、蓮が爆破装置を手に立っていた。
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蓮の妨害
「お前ら二人とも、これ以上勝手なことをさせるか!」
蓮は爆薬を次々と投げ、工場内を混乱に陥れた。
かなさは叫ぶ。「何をしているの!?」
涼子も動揺しながら蓮を睨みつける。「あんた、何が目的なの?」
「俺の目的はただ一つだ!」蓮は強い口調で叫んだ。「かなさの髪を破壊すること!そして、お前ら全員を止めることだ!」
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薬剤の効果が現れる
そのとき――かなさは自分の髪に異変を感じた。
「……どうして?」
彼女が髪を指で梳くと、いつもの滑らかさがなく、いくつかの髪の毛が切れ落ちた。
「これが薬剤の効果よ!」
蓮が指をさして言った。「お前の髪はもう完璧じゃない!お前の力も、終わりが近いんだよ!」
かなさの目が見開かれた。「……そんな……」
彼女は髪を必死に撫でつけたが、ツヤが失われ、魅了の効果が弱まっているのを感じていた。
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涼子の反撃
涼子はその隙を逃さなかった。
「これで終わりね、かなさ!」
彼女は装置を作動させ、かなさに向かって突進した。
しかし、かなさは髪を振り払って応戦。魅了効果が弱まっているとはいえ、その髪はまだ強い力を持っており、涼子の動きを阻む。
「あなたみたいな小物に、私の髪を奪わせるものですか!」