乳幼児の塾
乳幼児専用塾の話。
友達が子供に英才教育をさせたいと言う事で、乳幼児用の塾を見学する機会があり、私もお付き合いして見せて頂いた。
この塾は乳幼児に「脳の柔らかいうちに先行体験させることによって、将来有望な人材を育成する」ことが目的なのだそうだ。この塾のスタッフ曰く0歳から先行体験させると脳活動の活発な子供になると言う。
乳幼児の塾と聞いていたので、私は幼稚園や保育園のイメージでいたのだが、かなり違っていた。ロッカーなどに記名される子供たちの名前はすべて漢字で書かれていた。
壁にはひらがなや片仮名やアルファベットの一覧表が張られていた。
別の壁には掛け算九九の一覧表もあった。
まるで、小学校低学年の教室の様だった。
ちなみにここは、乳児0~2歳児の部屋だ。
実際にクラスの授業を見せて頂いたら、乳幼児たちに英語の歌や小学校低学年レベルの本を読み聞かせ、簡単な数字の計算を独特な表現で見せていた。
幼児たちから歓迎会と称して、連帯行進を見せてもらったが軍隊の訓練の様で、英才教育とどう結びついているのかがわからなかった。
さらに、お遊戯を見せて頂いた。かの国のマスゲームを彷彿とさせる様な完璧な出来で、最後に決めの笑顔は作り込まれた人形のような笑顔だった。作り物の様な笑顔に恐怖を感じた。
歌も聴かせて頂いたが、合唱団の様にきれいな声だった。子供の明るく元気に楽しく歌っている姿とは大きな違いがあって異様な感じがした。
その後、スタッフから誇らしげに歓迎会の子供たちの姿が立派であったでしょうと同意を求められた。…とりあえずスルーした…。
この塾では子供でも大人顔負けの集団演技や歌を教え、才能があれば早期に発見して良い先生に見て頂ける様に手配をすると言った。
学習面でも「英才教育は、バリバリ勉強することではない。小学校に入学する前に先行体験させておけば、脳の刺激になり楽しく学習することで、勉強が苦痛でなくなる。楽しく先行体験がポイントです。」との事であった。
言っていることは、間違っていないと思うのだが、なんだか違和感があった。
3~5歳児の部屋から幼児の歌が聞こえて来た。
歌うと言うより、力任せに早く歌い切りたいと言う感じで、本来のテンポよりかなり速く怒鳴っている様に聞こえた。スタッフも、通常の音速よりかなり早く伴奏をしていた。
早く歌う事が先行体験になるのだろうか? 脳活動が活発になるのだろうか?先程、合唱団の様に歌っていた同じ子供たちとは思えなかった。
人前で披露する歌い方と、練習で力任せに歌っていた姿のギャップが違い過ぎて、なんのために切り替えているのか全く理解できなかった。
それから、独特な算数の計算学習を見せてもらった。楽しくゲーム感覚で覚えられるので子供たちにとって苦痛ではなさそうだが、遊びの領域を超えていない…。これも、脳への刺激なのだろうか?果たして、これがどれくらい脳の働きを活性化するのかは疑問だった。
そもそも英才教育とは何か?
この塾のスタッフは「先行体験と脳に刺激」と繰り返し言っていたのだが、それが本当に英才教育なのだろうか。
脳の刺激に対する反応は、人それぞれではないのか。
集団で同じ体験をしても、結果はそれぞれだ。スタッフが期待している様になるとは限らないだろう。
脳活動の活発とはどういうことなのだろうか。
一部の天才と言われる子供であるなら、実年齢と脳年齢が違っても、この塾のスタッフが言った様に、将来有望な人材を育成できるのだろうが、天才以外の子供が同じ様に教育されたら、脳年齢にメンタル面が付いていかず、深刻な心的傷害を負う子供もでてくるのではないかと思い心配になった。
天才以外の子供が、子供の頃から脳活動が活発に働き過ぎて、オーバーヒートしたらどうなるのだろうか。
これは私の様な素人の仮説…考えであるから、余計な心配であろうが…。
友達は、自分の子供をこの塾には行かせない事にした。英才教育もやらないらしい。
友達曰く「自分の子供が天才かどうかはわかるから。楽しく学校のお勉強をして、成績優秀な子になって欲しかったけれど、あれをやらせるかと思うと子供が可哀そうになった。」らしい。
確かにそうであると思う。
天才の子供達には、早期に脳活動を活発にして将来有望な人材になって欲しいと思うが、天才は、一部だから。見極めって肝心だ。
そもそも、この塾の教育方針は英才教育と言えるのだろうかと、疑問である。
私は天才ではないから、知らなくても困らないからまあいいか。
英才教育に携わる皆様、親御様、お疲れ様です。
天才な子の教育は大変そうですね。。。これだけはわかった。
将来、有望な人材が輩出されることを楽しみにしております。
でも、あの塾の実績はどうなのだろうか…。
有望な人材が出たならうれしい結果なのだから、頼まなくても言うのでなないか?
最後まで実績の話は出てこなかったな…。




