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彩(いろ)なき世界の巫女~パステルカラーで塗り替える  作者: 白前 中
仲間との出会い

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31/49

ミルティア、青の息吹

青の泉が完全に目覚めたその瞬間——

谷を包む青い光が、

静かに、しかし確かに広がっていった。


レイアが空を見上げる。


「……光が……町の方へ流れていく。」


セレスが頷く。


「青の泉の光は、

 “心の静寂”を取り戻す力。

 ミルティアの人々の心にも……届くはずです。」


彩は胸元の紋に触れた。


どくん。

どくん。


「……行こう。

 ミルティアの町が……どう変わるのか、見たい。」


---


ミルティアの町、灰色から青へ


谷を抜け、森を越え、

三人がミルティアの町へ戻ると——


そこには、

静かに色を取り戻し始めた町があった。


灰色だった家々の壁に、

淡い青が滲むように広がっていく。


乾いていた花壇には、

小さな青い蕾が顔を出していた。


ミュレが目を丸くする。


「彩ちゃん!!

 花が……咲き始めてるよ!!」


リュミエが分析する。


「青の泉の光が、

 町全体の“心の色脈”を活性化させています。

 植物も、人も……静かに再生している。」


レイアが町の中央を指差す。


「見ろ……人々が……」


---


人々の心に戻る“青”


町の人々は、

最初は戸惑ったように空を見上げていた。


だが次第に——

その瞳に、

淡い青の光が宿り始めた。


ある女性が胸に手を当て、

涙をこぼす。


「……心が……軽くなっていく……

 ずっと苦しかったのに……」


別の男性が呟く。


「色が……戻っていく……

 あの青は……懐かしい……」


子どもたちが走り回り、

青い花を拾って笑う。


「見て!

 お花が青いよ!!」


彩は胸が熱くなった。


「……よかった……

 本当に……よかった……」


巫女装束が淡い青に揺れる。


---


町の中心での“再会”


ミルティアの中心広場に着くと、

町長らしき老人が彩たちを迎えた。


「……あなた方が……

 青の泉を救ってくださったのですね。」


彩は静かに頷く。


「泉が……

 町の心を目覚めさせてくれました。」


老人は深く頭を下げた。


「ありがとう……

 この町は長い間、

 “心の影”に沈んでいました。

 あなた方が来てくれなければ……

 きっと、もう……」


セレスが一歩前に出る。


「青の泉は、

 あなた方の心が“静けさ”を求めていたからこそ、

 再び目覚めたのです。」


老人は涙を拭きながら言った。


「どうか……

 次の町も救ってやってください。

 世界の色を……取り戻してください。」


彩は胸に手を当て、

強く頷いた。


「……はい。

 必ず。」


---


ミルティアの“青の祝福”


町の中央にある古い噴水が、

青い光を放ち始めた。


セレスが説明する。


「これは“青の祝福”。

 泉が完全に復活した証です。

 この町はもう……

 虚彩に飲まれることはありません。」


レイアが彩の隣に立つ。


「彩。

 お前の色が……

 また一つ、世界を救ったな。」


彩は照れくさそうに笑う。


「……レイアがいたからだよ。

 セレスも……みんなも。」


ミュレが跳ねる。


「次は“緑の泉”だよ!!

 生命の色!!

 きっとまた大変だけど……

 彩ちゃんとレイアくんなら大丈夫!!」


リュミエが静かに告げる。


「緑の泉は、

 “再生”と“生命”の色。

 次の試練は……

 さらに深いものとなるでしょう。」


彩は胸元の紋に触れた。


どくん。

どくん。


「……行こう。

 次の色を取り戻しに。」


青の光が三人を照らし、

ミルティアの町は静かに、

しかし確かに“青の息吹”を取り戻していた。


——青の章、完全完了。

次は“緑の章”へ。



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