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彩(いろ)なき世界の巫女~パステルカラーで塗り替える  作者: 白前 中
仲間との出会い

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19/49

虚彩の影と、核の光

色脈の泉が淡く光を取り戻し始めたその時だった。


空気が——

裂けた。


「……来る……!」


彩の胸の奥で、色脈の核が強く脈打つ。


どくん。

どくん。


レイアが剣を構え、彩の前に立つ。


「彩、後ろに!」


ミュレが震えながら叫ぶ。


「彩ちゃん……あれ……“虚彩”だよ……!」


リュミエが低く告げる。


「無彩獣とは格が違います。

 色脈そのものを喰らう存在……」


ヴェイルが静かに言う。


「境界の巫女よ。

 覚悟を決めよ。」


---


虚彩、現る


泉の上空に、黒と白の渦が生まれた。


その中心から——

人の形をした“影”がゆっくりと降りてくる。


輪郭は揺らぎ、

顔はなく、

ただ黒と白が混ざり合う“無”の存在。


彩は息を呑んだ。


「……これが……虚彩……」


虚彩は声を持たない。

ただ、世界の色を吸い込むように、

周囲の空気が冷たく沈んでいく。


レイアが剣を握りしめる。


「彩、絶対に近づくな。

 こいつは……俺が相手をする。」


だが——


虚彩はレイアではなく、

彩の方へ手を伸ばした。


ミュレが叫ぶ。


「彩ちゃんを狙ってる!!

 核の力を持ってるからだよ!!」


リュミエが分析する。


「虚彩は“色脈の核”を奪おうとしています。

 彩は今、核の力を宿している……!」


彩は胸に手を当てた。


核が、強く脈打つ。


どくん。

どくん。


「……怖い……

 でも……逃げない……!」


巫女装束がラベンダーに輝く。


---


虚彩の攻撃


虚彩が腕を振ると、

黒と白の刃のような風が彩に向かって飛ぶ。


レイアが叫ぶ。


「彩!!」


レイアが飛び出す——

だが間に合わない。


彩は反射的に手を前に出した。


「……守りたい……!!」


その瞬間——


核の紋が光った。


---


核の力:初めての魔法


彩の胸元の紋が輝き、

三色の光が彩の手に集まる。


ピンク。

ブルー。

ラベンダー。


三色が混ざり合い、

新しい光となって弾けた。


「——《彩脈結界さいみゃくけっかい》!!」


光が広がり、

虚彩の黒い刃をすべて弾き返す。


レイアが目を見開く。


「彩……今の……!」


ミュレが叫ぶ。


「彩ちゃん、核の力だよ!!

 三色の魔力を“結界”として使ったんだよ!!」


リュミエが分析する。


「色脈の流れを直接操り、

 外敵を拒む“核の結界”……

 境界の巫女だけが使える魔法です。」


ヴェイルが静かに告げる。


「あなたは核に選ばれた。

 その力は虚彩に対抗できる唯一の光。」


彩は震える手を見つめた。


「……これが……私の……新しい力……」


虚彩は一瞬だけ後退した。

だが、すぐに再び彩へ向かってくる。


レイアが剣を構え直す。


「彩、次は俺が前に出る。

 お前は後ろから援護を!」


彩は強く頷いた。


「うん……

 レイアと一緒なら……怖くない!」


巫女装束がピンクに揺れる。


レイアはその光を背に受け、

虚彩へと走り出した。


---


戦いの幕開け


虚彩の影が揺れ、

泉の光が脈打ち、

彩の胸元の紋が輝く。


彩は両手を前に出し、

核の力を呼び起こす。


「……もう一度……

 《彩脈結界》……!」


光が広がり、

虚彩の攻撃を弾く。


レイアがその隙を突き、

虚彩へ剣を振り下ろす。


影が裂け、

虚彩が後退する。


ミュレが叫ぶ。


「彩ちゃんとレイアくん、すごいよ!!

 二人の色が、虚彩を押してる!!」


リュミエが静かに言う。


「この戦い……

 まだ始まったばかりです。」


ヴェイルが告げる。


「虚彩を倒し、泉を完全に取り戻すのだ。

 境界の巫女よ。」


彩は胸に手を当て、強く頷いた。


「……行く。

 この町の色を取り戻すために……!」


巫女装束が強いラベンダーの光を放つ。


虚彩との本格的な戦いが、いよいよ始まる。



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