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相方の魔道士が弟子がほしいと駄々を捏ねるので、已む無く奴隷を買ったが、なんかヘンなオマケが付いてきた!?  作者: 白月 仄
四章 魔族とか飛び道具を出してくるのはやり過ぎたろと愚痴るオレ
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 背中合わせに立つオレとアニマの足下から眩い光りが天へと立ち上る。そして、同時に澄んだ鐘の音と共に魔族を中心に据えた魔法陣が展開されていく。

「──これは!?」

 魔族の相手をしていたイーシュは大きく飛び退き、魔法陣に捕らわれた魔族を油断なく剣を構えて見据える。

 完成した魔法陣から溢れる光が、魔族の黒い身体を照らす。その光に魔族は全力での抵抗をみせるも、徐々に黒い表面が光によって剥がされていく。そして、黒い魔族の表面が剥がれていく度に、魔族の体の内側にあったプエッラの姿が現れた。その光景に、

「魔族にされた女の人が見えてきました!」

 と、ターミが声を上げる。さらには、エリーが、

「目の当たりにしても、俄には信じられないわね……」

 驚愕の感情を禁じえずに、魔族が人へと戻っていく様を見詰めていた。

 だが、もう少しで魔族の身体の黒い部分が全て消えようかという段階にきて、魔族の黒い部分がこびり付く頑固な汚れのように限界を超えて抵抗を強め、魔法陣からの光と魔族の黒い部分がせめぎ合う。

「……こいつは、マズいか?」

 魔法陣の光は発動した時よりも僅かにかげってきている。対して、魔族の黒い部分は、再び、プエッラの体を覆わんとジリジリと拡がっては魔法陣の光で剥がされていく。魔法陣から溢れる光と魔族の黒い部分による侵蝕は拮抗していた。そこへ、消えかけの魔族の中のプエッラの瞼がゆっくりと開く。

 ──こいつは、文字通りの“賭け”だが、プエッラが魔族から元に戻れるかどうかの分水嶺は“ここで間違いない”と、オレの勘が告げていた。故に、オレは、叫ぶ!


「──おい! プエッラ! テメェー、それでも────」


「──ぬあんですってっ!? もう一度、仰ってごらんなさい! この、下郎がっ!!」


 怒髪天の咆哮。プエッラの感情の爆発が、残った魔族の残骸を吹き飛ばし、彼女はついに魔族から解放された。

 ──よし! 賭けに勝った!

 自分の勘のよさに、オレは拳を握り締め、勝利したことを確信した。ちなみに、プエッラに感情の爆発を仕向けるために言った発破の言葉は、(あま)りにも耳障りだと判断したのでカットさせてもらった。悪しからず。

「──ちょっと、聞いてるんですの?! いったい、わたくしの何処が──で、──の、──なんですの?! ほら、もう一度、仰ってごらんなさいよ! この下等な庶民が!!」

 ──…………………やっぱ、助けずに魔族のまま、やっつけちまった方がよかったかもしれん。と、心の隅で思ってしまったオレを誰が咎められようか……。

 喚き散らすプエッラに、オレは自分の外套を外して、喚き暴れる彼女に被せてくれてやる。なにしろ、プエッラは魔族に変貌したときに服がなくなったからな。それと、なんで“抜け落ちた髪が元の長さまで生えてるんだ?”等の疑問を抱きつつも、オレはいつの間にやら、仕掛けられた魔術の効果が切れて地面に落ちていた『二冊の賢者の書』を拾い上げて、仲間たちの方へ。そういや、オレのアニマは普段なら一時間は出っぱなしなのに、呪文で魔力を消費したからか、プエッラが完全に人間に戻ると同時に消えていった。

「やったね♪ お兄ちゃん!」

「スゴいです! ご主人様!」

「いやはや、一時はどうなるかと思いましたが、なんとか解決ですね。」

「ああ。」

 オレは仲間たちとハイタッチを交わし、少しばかり大きなクレーターのできた草原地帯を見やる。ふと背後に沢山の人の気配を感じて振り返ると、漸くマシカからの憲兵隊の遅すぎた増援が目に入ったのだった。



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