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相方の魔道士が弟子がほしいと駄々を捏ねるので、已む無く奴隷を買ったが、なんかヘンなオマケが付いてきた!?  作者: 白月 仄
四章 魔族とか飛び道具を出してくるのはやり過ぎたろと愚痴るオレ
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「──どうだ?」

「うん、間違いない。これらは“二重詠唱の呪文とその効果と使い方”だったわ。」

「詳しい内容は?」

 オレの問いに、一瞬の間を置いてから、エリーは答えを口にした。

「これ、信じられないかもしれないけど“魔族にされた人を元に戻す”呪文だって……」

「──マジか?!」

「大マジ!」

 エリーから回答にオレの心の中にいつの間にやらあった『とても小さな重し』がころんと転がり落ちた。その理由は、これまでに『ダチ公』と共に戦い倒してきた魔族は“力を求めた果て”や“悪者の最後の悪足掻き”で、気後れすることは無かった。が、今回は違った。強盗未遂犯ではあるが、改めて考えてみると情状酌量の余地はプエッラにはあった。故に、頭の片隅には“彼女を助けてやりたい”というほんの僅かではあるが思いがあったのだ。

「そいじゃ、早速、やっちまおうぜ! 早くしねーと、イーシュが魔族を倒しちまう!」

 ──そう、剣に魔力が付与されて魔族にダメージが通るようになったイーシュは、まさに水を得た魚だった。しかも、さすがは心の賢者──ユングじいさんの弟子だけあって、イーシュは一回見ただけのエリーの『剣に魔力を付与する呪文』を覚えたようで、攻撃する度に目減りする付与された魔力が切れるタイミングで、再度、魔力付与の魔術で剣に魔力を付与しては攻撃を続行。

 急かすオレに、エリーは難しい表情(かお)をして、告げる。

「……そうしたいのは、あたしも山々だけど……、この『魔族を人に戻す二重詠唱呪文』は他の二重詠唱呪文と違って“二人の術者の魔力の『波長』が『()()()()()』”でないとダメなの」

「魔力の『波長』?」

「そう。魔力の『波長』は手の指なんかの指紋と同様で、例え瓜二つの双子であろうとも“魔力の『波長』は全然違う”のよ。──詰まりは実質的には不可能──」

 …………なんだそりゃ?! 光明をチラつかせておきながらの上げ落としとは………。

 エリーが告げたことに、オレの肩が下がる。まさかの前提条件が至難どころか無理そのもの。…………已むを得ないか……。

「──……あ、あの、師匠。もしかして、ご主人様が使われる“心の中にある異性的な部分を具象化する『魔術』”が使えるのではありませんか?」

 …………!?

「──さっすがはあたしの弟子ね! その通りよ、ターミちゃん! それに気付けるなんて、しっかり勉強していて、エラい!」

「? どいうことだ?」

 『二重詠唱呪文』を使う為に心潜一顕術(レヴ・シェキナ)を使う? いったい全体なんのんだ? オレにはターミの思いつきがなにを意味しているのか分からず、疑問符のみが頭の中を飛び交っていた。

「いい? お兄ちゃんが使ってる心潜一顕術(レヴ・シェキナ)は、“お兄ちゃんの魔力で分身を生み出しているようなものと言っても過言ではない”わ。詰まり、──」

 ああ! 呪文で実体化したオレの心の中のアニマは、オレが奏でる旋律に合わせて“唄っていた”。──そういう事か!!

「成る程な。その手があったか!」

「そういう事!」

 光明への道筋が視えた! オレは魔族と切り結ぶイーシュに叫ぶ!

「イーシュ! これから、その魔族を“『元の人間に戻す魔術』”を使う! だから、其奴を倒さずに暫く耐えてくれ!」

「──無茶を言わないで下さい! そろそろ、僕の体力も限界です! ここで一気にキメないと!」

「そこを曲げて無茶を頼む!」

「…………。分かりました! でも、早くして下さいよ! 本当に僕の体力は限界ギリギリなんですから!」

「おう! ありがとう!」

 魔族と攻防を繰り広げながら、イーシュはオレの頼みを承諾してくれた。言葉では「体力は限界」と言っていたが、イーシュの体捌きに蔭りは見受けられない。が、善は急げだ!



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