馬車の中での会話/レーゲン王国の門にて
今俺たちは、ゴブリン共に襲われていた馬車に乗せてもらっている。
俺たちの席の向かい側に座っている女性は、俺たちの装備をじっと見つめながらこう言った
「あなたたちは、魔術師なのですか?」
俺は、なんて答えればいいか考えながら、隣に座っている里奈先輩を見つめた。
(先輩頼みます)
里奈先輩は、一瞬嫌そうな顔をしたがすぐに説明した。
「私は、回復魔法だけしか使えません。隣に座っている時雨は魔法が一切使えないんです」
(先輩ナイス…)
「魔法が使えないのですか?」
「はい…まぁ…そうですね…」
(召喚は魔法の一部なんだろうけどな…」
「そういえば、あなたたちの名前を聞いていませんでしたね」
そういって、女性は俺たちに名前を聞いてきた。
「俺は、神山 時雨と言います」
「私は、長谷川 里奈です」
(この世界は、名前が先なのかな…)
「お二方とも、苗字を先に言っているのですか?」
俺と先輩は、顔を見合わせた。
⦅アメリカ人とかと一緒だった…⦆
「はい、神山が苗字で、時雨が名前です」
「では、シグレさん…リナさんと呼ばせてもらっていいですか?」
「構いませんよ」
「ありがとうございますね。私の名前も言わないといけないですね。私は、ミラノ・トレントと申します」
(ミラノさんか…イタリアの都市名だな…)
「気軽にミラと呼んでくださいな」
「さすがに…すぐには呼べませんね」
先輩は、隣でうなずきながら、MP5A5のストックを伸縮させて遊んでいた。
「先輩! ストックで遊ばないでください!」
(いくら伸縮するからと言って遊ぶなよ…)
「あ…ごめん…」
「分かってもらえたならいいです」
ここでミラノさんは、俺たちが持っている銃について聞いてきた。
「あなたたちの杖でしょうか? その杖はなんなのですか?」
(どう答えよう…銃とは言わないほうがいいかな)
「これは、武器ですよ。ミラノさんは見たことないと思いますが」
「この杖が、武器なのですか?」
「ええ、そうですよ」
「剣や弓は使わないのですか?」
(銃剣ならあるけど…)
「基本的には、これだけですかね」
そういって俺は、銃を少し掲げてみせた。
「敵に近づかないのですか?」
「この武器は、敵に近づく前に殺せるんですよ」
「弓矢みたいなものなのでしょうね」
「まぁ…そんなところですね」
そのころ、護衛をしている騎士たちの頭の中は、銃のことを考えていた。一人を除いて…。
(あの杖はなんなのだろうか?)
(魔道具なのか…)
(光の矢を出していたよな…)
(ポニーテールの子可愛いなぁ…)
その考えを抱いていた人物は、時雨が最初に話しかけた騎士の男だった。
再び、馬車の中に話を戻そう。
「あなたたちは、王都に行って何をするのです?」
「ギルドに登録して冒険者になるつもりです」
「そうですか…。では、その前に王城によっていただけませんか?」
「王城…ですか?」
「はい。ぜひ、お礼がしたいのです」
「何故王城なのです?」
「私はクロウ国王の娘なのです」
「皇女殿下…なのですか?」
⦅すごい人助けたかも…⦆
俺と先輩は、心のなかで驚いた。
「そうですよ? 言ってませんでしたか?」
「言ってなかったと思いますよ」
「それは失礼をしてしまいましたね」
外が騒がしくなってきた。どうやら門についたらしい。
「姫様、王門に到着いたしました」
さっきの騎士が馬車の扉を開けて伝えてきた。
「わかりました」
「あの、俺たちはどうすればよいのでしょうか?」
「ああ…君たちは降りてもらっていいかな?」
「あっ、はい」
そういって俺たちは皇女の馬車から降りた。
「じゃあ、こっち来てもらえるかな。ここで水晶に手をかざして、犯罪歴とかが、ないか調べてもらうから」
(やっぱりファンタジーだな)
騎士の後についていくと、窓口のような場所についた。
「おい、この二人の犯罪歴とかを調べてくれ」
そういって、騎士は窓口の警備兵のもとへ行った。
「あ、騎士団長様、お帰りなさいませ」
(この人…騎士団長だったのかよ…。まぁ、そのくらいの地位にいなきゃ、皇女の護衛なんてやらせてもらえないだろうからな…)
「分かりました。では、二人ともここへ来て手をかざしてください」
警備兵の人に言われて移動をして、水晶に手をかざす。
「シグレ カミヤマさんとリナ ハセガワさんですか。こちらでは、あまり見かけない名前ですね」
「二人とも東の地から、旅をしているそうだ」
騎士団長さんが、補足していた。
「ふむ…二人とも犯罪歴もはありませんね。では二人で銅貨二枚ですね」
「銅貨二枚ですね。はいどうぞ」
「確かに受け取りました。では、ようこそレーゲン王国へ」
(レーゲン王国か…)
『ありがとうございます』
ここで、この世界の貨幣について説明しよう。
この世界で流通している貨幣は
銅貨(100円)
銀貨(1000円)
金貨(10000円)
白金貨(100000円)
この四種類が、この世界の貨幣である。
ちなみに、俺が出した銅貨は、戦闘服のポケットに入っていたものだ。
神様が気を利かせてくれたようだ。もちろん、里奈先輩の戦闘服にも入っていた。二人合わせて…金貨4枚と銀貨12枚・銅貨30枚だった。このお金は、今は俺が管理している。
「よし、二人とも大丈夫だったみたいだな。姫様の馬車へ戻ろう」
「これから…王城ですか…」
「そうだな。まぁ、大丈夫だ」
「そうですか」
「さぁ、行こうか」
そういって、再び俺たちは馬車へと乗り込んだ。
申し訳ございません。前話のあとがきに乗り物を出しますと書いていましたが、尺の都合上だせませんでした。次話では、出しますのでどうぞご期待ください。




