私のこと。
私はこの世に生をうけた時から変わった子供だったそうだ。目の色は左右色が違うし、転んでも泣かないし。何をみても笑わない。そういう子供だったらしい。そんな私を見て両親はたいそう気味悪がったそうだ。そんな私が、この能力に気がついたのは小学3年生の時だった。
今までもずっと聞こえていたのだ、人の声が。口を動かしていない人の声。心の声。そう、聞こえるはずの無いものを、私はずっと、聞いていたのだ。その時は本当にたまたまだった。小さい頃は陰湿ないじめってそう無かったと思う。たまたま、たまたま私がクラスメイトのいじめのターゲットになった。今までだってあったんだ、強い恨みの声。聞こえることはあったんだ。でもそれが普通だと思っていたの。考えが読めるわけじゃない。強い心は自然と私の頭に入ってきて。口にしてしまったんだ。相手の心の声を。
当然相手は私を気味悪がった。そのときはじめて私は普通じゃないとしったんだ。
本当はずっとわかっていたことなんだ。
気づかないフリをしてたんだ。
そのときにこの世界から消えていたなら、きっとこんな思いはしていない。
世界も・・・。
その一件からクラスメイトは私を避けるようになった。いないものにした。よくあるでしょう、こういういじめ。でも、
私は素直に受け入れた。だって私は異端だから。それでも私には何人かの友達はいたし、恐れからか噂は噂を呼び、それ以上のいじめもふりかからなかった。だから今までは平凡に暮らしてきたんだ。そう、一度目の告白を受けるまでは。
その頃のこと今も覚えてる。
戦争はしないと決めていた日本が争いの火ぶたをきった日のこと。あの日は酷く晴れた快晴だった。その日空から火の雨が降った。それは天災だっていわれてるけど、諸外国からの宣戦布告だってことはわかっていたの。同盟を結んでいたはずの国々は、口を揃えて天災だっていった。日本は世界に見捨てられたんだ。そんなときある鉱物が発見されて、それには未知の可能性が見いだせたの。それを世界では賢者の石なんてよんだりするけれど。それを日本では神の石なんて呼んだりして。はじめはそのあまりの力から、政府はかくして研究したのだけれど、降り止まない火の粉を止めるために都心限られた人々にそれを配ったの。願いを叶える神の石だってね。人々は祈った、愛する人を守りたいって。石は力を与えてくれる変わりに殺戮をうんだ。石は力を与えてくれる変わりに、人を殺戮の道具に変えたの。簡単にいうと私はその被害者で、そのころつきあっていた相手に生きる機械にされたの。しばらくすると政府は私たちを回収しにきた。世界に仕返しをするために。全ては政府の思惑だった。機械に、武器にされた私たちを戦わせるために。私もなんどか戦争に駆り出されたけれど、その時のことは覚えていない。気がつくと戦いは終わってて、私の殺した人の山が出来上がってる。その光景はとても気持ちが悪くて。気を失って倒れるとベットの上そんな生活をいつしか繰り返してた。私を機械にした彼も同じような生活を強いられていたみたい。そんなことを繰り返し、心が折れそうになった頃、私は解放された。私と契約(人を機械にかえることをそういうらしい)していた彼が 亡くなったんだそうだ。もう、その時は涙さえ出なかった。
解放されたものの、機械になった身体はもとには戻らなかった。力はなくなったものの普通の人よりはあったし、昔からの心を読む力も持っていた。何より変わったことは、私に心がなくなったことだった。ただぼんやりと一日を過ごす。キマリのように高校生活を過ごす。私のように機械にされた人間が今日も戦っているっていうのに偽りの平和を浮かべた生活を疎ましく思いながら。自殺を図ったこともあった。だけどだめだった。今の身体はよほどの力が無いと破壊できないらしい。私には友人がいなくなった。
そんな日だったの。
あの人が現れたのは。




