冒険者②
冒険者ギルドに登録して冒険者となった俺は順調に冒険者ランクをあげていった。
冒険者ランク、それは純粋な戦闘能力に依頼達成率、特殊技能の有無を加味してつけられる冒険者の評価値である。
このランクをもとに適正なクエストがギルドから紹介される。
見習いであるFから始まりE→D→C→B→Aと上がっていく。
Cランクから一人前と認められ、そして、多くの冒険者がCランクで生涯を終える。
Bランクにもなると一流、Aランクは辿り着けるものがほんの一握りの実質的な最高ランクであり超一流と言われている。
そして、今の俺のランクは一人前と呼ばれるCである。
登録から僅か3ヶ月でCランクに至ったのはこの国のギルドに置いては歴代2位の記録であり、謂わば期待のスーパールーキーである。
俺が歴代2位というのには訳がある、と言っても当たり前の事だが、最速記録保持者が居たからである。
それは登録からたったの1日でSランクに至った怪物。
Sランクとは超一流であるAランクをも超越した存在、謂わば生ける伝説とまで呼ばれる冒険者の頂点である。
大陸中でもたった10人にも充たないSランクに新たに名を連ねたのは漆黒の外套に身を包んだ正体不明の男。
つけられた2つ名は【流れ星】
この国に危機に人々の祈りが届いたかのように流星の如く颯爽と顕れ、魔将相手に単身斬り結び、夜空に煌めく星のように絶望を切り裂いた男である。
そう、もう1人の僕こと、【闇を纏いし星屑】氏、その人である。
あの戦いから数日後、冒険者ギルドに登録しようと【闇を纏いし星屑】スタイルでいった俺は、熱烈な歓迎を受けた。
冒険者達に囲まれ、英雄に乾杯だのなんだの、何とか冒険者登録だけ済ませたものの、貰った冒険者カードにはSランクの文字、いきなりのSランク認定、冒険者達の歓迎ムードになんだか怖くなった俺は戦略的撤退をしたのだった。
そして、改めて普通の青年、リューセイ=ホシミヤとして冒険者になった次第である。
因みに冒険者登録する際にはステータスの開示が必要である。
ステータス石と呼ばれる石板に手を乗せるとステータスが開示される。
冒険者ギルドにあるものは召喚された際に王城にて使用したものに比べてランクが落ちるものであり、開示されるのはレベルと職業とスキル名のみであった。
レベルと職業を見てだいたいの強さを計り、スキル構成を見て危険人物かどうか判断するためである。
犯罪系のスキルが多ければ危険人物としてギルドにマークされる次第である。
名前こそ表示されないとはいえ、Sランク冒険者【流れ星】の職業はユニークジョブである【闇を纏いし星屑】ということはギルドに把握されている。
つまり、リューセイ=ホシミヤと【流れ星】は同一人物だとギルドにばれるはずであったが、そんなことにはならず、優秀な新人冒険者として活動できているのには理由があった。
魔将を倒したことでレベルがあがり、新たに解放されたスキルによるものである。
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星宮流星 レベル86
職業【闇を纏いし星屑】
力 B(S)
魔力 C(S)
速さ B(S)
魔法抵抗 D(B+)
物理耐性 C+(A+)
スキル【言語理解】
【狭間の備忘録】【†常闇の魔導書†】【星魔眼】
【千の名】
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新しいスキルの名前は【千の名】
そう、【闇を纏いし星屑】は千の2つ名を持つと吟われていた。
この設定から生まれたスキルであろう。
そして、このスキルの効果はステータスの変幻。
かつてノートに書き連ねた千の2つ名、むろん千個も思い付くはずもなく実際に考えた2つ名は76個、そのうち細かい設定まで練っていたのは7個である。
この7つの2つ名から1つを職業として設定でき、それにあわせたステータスになると言うものであった。
そして、このスキルにより変幻させたステータスがこれである。
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リューセイ=ホシミヤ レベル34
職業【焔の剣士】
力 B
魔力 C
速さ C
魔法抵抗 A
物理抵抗 C
スキル
【言語理解】【付与術式・焔】【剣術レベル4】【魔力制御】【火属性魔法レベル4】
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【焔の剣士】
読み方もそのまま【ほのおのけんし】である。
変に捻らず、シンプルなのが逆にカッコいいのではないか?そう思っていた時期があったのである。
そしてたまたまこのセカイでも【焔の剣士】というジョブは存在した。
剣士系統の上位職、魔法剣士からの派生である。
その名前の通り、剣に炎属性の魔法を付与して戦う剣士である。
という訳で、俺は職業【焔の剣士】のCランク冒険者として活動しているのである。
そして、期待のスーパールーキーたる俺は今、ギルドマスターに呼び出されていた。
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また、他にも作品を書いておりますので、興味のある方は作者ページからご確認下さい。
ノクターンノベルズでも一作投稿しています。
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