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続々・岩の洞窟3

 ドイツ語圏と言えばソーセージが定番だが、以前げんなりとした経験がある。

 そのため、今回は安全策を取って、煮込み料理にした。この時間帯は夕食には早く、まだ露天が準備をしていなくても、煮込みなら問題ない。

 大釜で何やら煮ている露天を見つけたので、行ってみる。

 メンテ中と言うことで、結構たくさんの人間が飯にありつこうとして、繁盛しているようだ。

 ヒゲの親父が、釜の脇で豪快に肉をたたっ切り、野菜をぶつ切りにして、マメをぶち込む。

 奥さんらしき大女が、その釜から煮込みを皿に掬って提供する。

 どうなってるんだ?

 観察していると、夫婦の手前に食材をぶち込んで、手前の方から提供している。乱暴なやり方だが、釜が直径一メートルの大型なものなので、まあ、問題は無いのかもしれない。

 煮込みは次々とさばけているので、味に問題は無いようだ。

 「ひとつ」

 俺も注文する。

 「あいよ」

 大女が豪快によそって、皿を俺に手渡した。値段は銅貨一枚。

 1クレジットは0.1ドル程度なので・・・・銅貨10枚で1クレジットってことだから・・・・日本円で12円程度か。安すぎる。

 俺は煮込みの乗った皿をよく見た。

 ドイツ人が持っていると普通に見えるサイズだったが、俺が持つと結構なサイズだ。

 玉ねぎ、セロリ、ニンジン、キャベツ、何かの肉、ソーセージのかけら・・・・さんなところか。

 うーむ・・・・再び料理をしている親父を観察すると、釜に豪快にビールをぶち込み、その後ドライソーセージを乱暴にぶち込む。

 なるほど、このソーセージは煮えたソーセージなのか。確かえらい塩辛いヤツだった。

 俺はソーセージを食いながら、さらに観察をする。

 親父そっくりの、もっと太った男がバケツを持ってきた。多分兄弟だろう。親父にバケツを渡すと、中身を掴んでまな板に載せていく。

 肉だった。

 俺が煮込みを食っている最中に、これが何度か繰り返される。

 食い終わった俺は、皿を返してから親父の兄弟の後をつけてみた。

 行き先は肉屋だった。

 どうやらダンジョン内で仕留めた獲物を解体して食肉にしているらしい。

 しかし、どいつもこいつも生皮を剥ぎ取られているので、元は何だったのかまでは分からない。

 「親父、コレ、引き取ってくれ」

 「あいよ、そこに置いといてくれ」

 一人の冒険者が、モザイクを掛けなければならないオークの死体をカウンターに置いて出て行った。

 ただ置いて出て行った、という事は、ギャランティが発生しなかったのか。

 「皮を剥いだ死体を放置すると廃棄物処理法違反で逮捕されてしまうのだニャー」

 いつの間にかミケが俺の後ろに忍び寄っていた。

 「だからタダで引き取ってもらうのだニャー。肉屋はそれを加工して売れば儲かるから、ウインウインの関係なんだニャー」

 なるほど、煮込みが安いわけだ。


 

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