続々・岩の洞窟2
この場所の上空には無数のワイバーンが飛んでいた。
とは言ってもモンスターでは無く、マウントと呼ばれる冒険者の乗り物で、卵から孵して人間に懐いた飛竜を使っているので問題は無い。
ここは当然飛行禁止区域になっているので、
『上空のワイバーンは速やかに撤収しなさい』
と警告がある。
連中も、ここへ直に着陸する気は無いので、山腹の降りられそうな場所を探しているのだが、地上では美味しい思いをさせてたまるかと、ここで待機していたパーティがヘリポートになりそうな場所へ急行する。
「醜い争いだな」
俺は呟く。
「仕方がないニャー。ここの一番奥に居るレアモンスターの『ガルガンチュア』を倒せば、なんと720586521クレジット相当のアイテムと、レアな武器防具が手に入るのだニャー」
七億!
それは必死になる。
しかし相変わらず金が絡むと、えらい細かい数字をミケは出してくる。
「普通は前回討伐から、72時間経過後にポップの抽選が始まるから、張り込みが大変なのだニャー。でもダンジョンリセットがあれば即湧きだから楽なのだニャー」
なるほど、眼の色が変わる訳だ。
そうこうしているうちに、山腹のあちこちで爆発音が鳴り出した。
ここへ来るまでの山道はPvP禁止エリアだが、道を外れればやりたい放題だ。
やがて、包囲網を突破した猛者の一団がマーケットまでやってきた。
入り口では「通せ」「通さん」と押し問答をしているが、その内実力行使に至る連中も出てくる。しかし、
ブンッッッッッ
と音がして、その連中は消え去った。
違法行為として、衛兵に強制連行されたのだ。
「うーむ、ここで傍観していてもなぁ・・・・賢者クラウディアはメンテが終わるまで出て来ないだろうし」
俺が思案すると、
「では、食事を済ませたいわね」
ロゼが提案したので全員が賛成する。
しかし・・・・いつもは騒がしいソフィアが妙におとなしい。
賢者クラウディアと、何か因縁があるのは確かだが・・・・
「じゃあ、四時なここへ集合ね」
ロゼがそう告げて自由時間となる。
それぞれバラバラにマーケットへ散っていく。
なんともチームワークが存在しないと言うか、個人主義と言うか、メンバーの仲が悪いわけでも無いが、とりわけ良いわけでも無い。
俺がボケッとしていると、ソフィアと二人だけが取り残されていた。
何か聞こうかと思ったが、ここは無関心を決め込むことにして、俺もマーケットへ足を運んだ。




