続々・岩の洞窟1
賢者クラウディアが洞窟に入るのを見届けてから、ロゼが、
「何しに来たのかしらね、あの人?」
と当たり前な疑問を投げかける。
「あの人とは何だ、あの人とは!」
ソフィアがマジギレした。
「ええー?私達ダークエルフには人間の賢者なんて、別に崇める対象じゃないし」
「そういう意味じゃない!」
ここで、
キンコンカンコン
と鐘が鳴る。
お知らせがあると言う合図だ。
『これより午後4時30分まで、岩の洞窟のメンテナンスを行います。その間ダンジョンに入ることは出来ません。既に潜入されている皆さんも、速やかにテレポートしてください』
このアナウンスと同時に、入り口のワープゾーンにはパーティが次々と排出されて来た。
「ああ、メンテナンスに来たのかもな」
俺が至極当然の事を言うと、ミケが脱兎のごとく入り口へダッシュしていった。
「さすがね」
ロゼが頷く。
「何をしに行ったんだ?」
俺の質問に、ロゼが、
「整理券をもらいに行ったのよ」
と答える。
「整理券?」
「ああ、あなたダンジョンの仕組みを知らないのね」
「知らない」
「ダンジョンは定期的にメンテナンスをするのよ。天然のヤツなら放置で良いけど。で、モンスターの再配置があるワケ」
「ほう」
「この時に、普段は長時間間隔でポップするレアモンスターが、最初から配置されているワケよ」
「ほう」
「だから、入り口の混雑回避のために整理券が配られているの」
「ああ、なるほど。しかし、メンテがあるなら、それ、事前にアナウンスがあっても良いんじゃないのか?」
「そんな事、事前に告知したら、その時間を狙うパーティが集まって、パニックになるわよ」
「ああ、そうか」
「だから、私達が街から移動してきたテレポーター、今、停止してるでしょ?」
「なるほど、誰も出てこない」
「街へ帰るのには使えるけど、ここへ瞬間移動する事は出来ないわ。街からここへ来るには、徒歩で山を登ってこなくてはね」
「いや、無理だろう。あ、二日がかりなら登って来られそうか」
「後は・・・・」
ロゼが空を見上げたので、俺も釣られて見上げる。




