続・岩の洞窟1
人気のあるダンジョンだから来てみたが、無駄に30分を費やしてしまっただけだった。
一概にダンジョンと言っても、いくつかの種類がある。
魔法使いが造ったもの。
魔法技師が建築したもの。
元々あった建造物が放棄されて魔物が住み着くようになったもの。
自然物。
これはことわりってヤツだが、この後の『管理者』によってダンジョンの性質が異なる。
つまり、誰かが管理している、か、されていないか、だ。
誰も管理していないダンジョンは、当然モンスターのリポップも管理されていないので、乱獲されれば完全に枯れる。
またモンスターが住み着いて、自然増加するのを待たなくちゃならないワケだ。
一方、誰かが管理していれば、管理者がリポップの調整をする事によって、常にダンジョン内をモンスターがうろついているってワケだな。
この『岩の洞窟』はマインツ市の管理下にあるので、リポップの時間調整は市の誰かがやっているはずだ。
と言う訳で、通路の広いところで一旦立ち止まって、パンフレットに目を通した。
「大体モンスターなんて退治してナンボなのに、何で自治体が管理してるんだ?」
俺がメンバーに訊くと、ロゼが、
「この世界は勇者が冒険をする事で動いている側面があるのよ。つまり、あなたみたいなのが活躍する場が必要なワケね」
口火をキッた。
次いでミケが、
「人が集まると経済が動くんだニャー」
と真っ当なことを言う。
マギーは黙って大剣を地面に突き刺す。
つまり、武器防具を新調する機会が出来る、と言いたいらしい。
「自治体がやっている公共投資ってヤツだよ。商人とかギルドが儲かって税収が上がるし」
ソフィアがファンタジー世界とは思えない現実的な事を言った。
「でも、これじゃあな」
俺がそうボヤいた瞬間に、目の前でモンスターのポップがあった。
「お」
ソフィアがメイスでそいつをぶん殴ろうとした瞬間、
バチン
とマジックアローが飛んできて、ソイツはミンチになってしまった。
もはや、一体何が湧いたのかも定かではない。
「取られた・・・・!」
ロゼが小声で悔しそうに言った。
すると、通路の向こうから勇者一行が駆けつけてきて、
「すみません、今片付けますから」
とリーダーの黒髪ロン毛ヤロウが告げてくる。
「あ、どうぞ、お構い無く」
俺が応える。
これは・・・・取り合いなのか?
「リポップおせーよ!どうなってんの?」
ソフィアがキレた。
すると、ここまで一人熱心にパンフレットを読んでいたキララが、
「14じから、フィーバータイムだって」
と教えてくれる。
その瞬間、俺たちの周囲にワラワラとモンスターがポップした。




