レベル
『レベル』についてソフィアのレクチャーが始まる。
その前に・・・・牡山羊の肉を食っているのは俺だけで、他の連中は普通に羊のケバブを食っている。
「この世界は勇者が中心に成って動いているわけだ」
俺は硬い肉を噛みながら頷く。
「だから、冒険者も勇者無しでは成り立たない」
「ふむふむ」
「だが、パーテイが組めないと、ソロか二、三人で金策をしないと生活費に困る」
「確かに」
「そこで個人経験値ってのは入る」
「レベルが上がる?」
「上がらない」
「なぜ?」
「レベルってのは、冒険者ギルドが認定するもんで、個人がいくら鍛錬したところで、世間一般から見れば、なんちゃってレベルに過ぎない」
「ほう」
「勇者と行動をともにすることで、初めて公式レベルが上がるんだ」
「じゃあ、公式レベルは20でも、中の人はレベル50ってことも?」
「ある」
「そりゃ強いんじゃないの?」
「強くないぞ。何しろ装備品が塩っぱいからな」
「そんな装備品って、重要なのか?」
「こっちは冒険者ったって人間・・・・ま、人外もいるが。野生の動物やモンスターに比べたら、軟弱なもんだ。そこで、武器屋防具で強化する」
「魔法も?」
「そりゃそうよ。そこら辺にある樹の枝を折って魔法を唱えても、大してブーストされないが、銘木で造った杖で唱えてみろ。山が吹っ飛ぶぞ」
「ほう・・・・」
「そうだ、おまえの生まれた国に調度良い例えがあったな。武道の段ってあるだろう」
「ああ、ある」
「それは武道の協会が認定するもんだろ?」
「だな」
「いくら山奥で修練して剣道8段と公言しても、それは自称8段に過ぎないだろ?」
「ああ、なるほど」
「そういう事だ」
「なんで剣道なんか知ってるんだ?」
「細かいことはいいんだよ」
「そうか」
「それ以上の追求は禁止な!」
「わかった」
「霧も晴れてきたから街へ帰ろうぜ」
「ああ」
なんだかソフィアがリーダーな感じだ。
まあ、俺にリーダーシップなんて無いんだが。
焚き火を始末して・・・・火の始末はどの世界でも重要だ。
キララが造ったテレポートゲートを使い、街へ戻る。




