朝露
乾燥地帯というのは朝方に霧が出る。
ここも例外ではなかった。
俺が目覚めると、真っ白な雲の中にいた。
毛布もびしょ濡れじゃねえか・・・・と体を起こす。
ふう・・・・どうやら元に戻った。
立ち上がっても辺りは白い闇だが、東の方角は少しぼんやりとだが明るく見える。
太陽が上っているんだろう。
確かあの方角には岩山の峰があって、こっちが北側になるのか・・・・確か傾斜地になっていて、その先に川が流れていた。
と言うことは、キャンプを張っていたのはこっちか。
俺は体感でキャンプ地へ向かう。
どうやら当たりだったらしい。焚き火の明かりが見えてきた。
張り出した岩の下に窪地があって、地面の傾斜に沿って霧が流れているので、岩の下には霧がかかっていなかった。
すでに五人は起きていて、焚き火で羊の肉を焼いていた。
「おう、起きたのか。起こしに行く手間が省けた」
ソフィアが俺に乾パンを投げて寄越す。
ロゼが羊の肉に塩を掛けながら、
「あなたが昨日倒した牡山羊ね、ネームドモンスターだったらしいわよ」
と言う。
ネームドモンスター?
「簡単に言うと、そのエリアでは想定外の強敵ってこと」
ソフィアが串で肉を突きながら説明した。
「今焼いてるのはソイツの肉だニャー。高く売れる珍味なのだニャー」
ミケが肉の焼け具合を確かめる。
「おにく、おにく」
キララは変な音頭を取って肉が焼けるのを待っている。
見た目はぬいぐるみなのに、肉も食うのか・・・・
「お、焼けたニャー」
ミケは良く切れるナイフで、牡山羊の肉を切り分けた。
「ほら、アンタが倒した獲物だ。先に食いな」
俺は焚き火の近くに座って、ミケがバナナの葉っぱみたいなものに盛った肉を受け取った。
まだ肉は熱いが、厚い葉っぱのお陰で、手に持つのに問題は無い。
食ってみる。
確かに旨味が濃厚だが、筋張っていて硬い。
ソフィアが大笑いする。
「普通はおろしたての肉を焼いて食わないからね。暫く熟成させてから、三日間煮込んでシチューにするんだ。こうすると堪らない料理になる」
「一皿10ゴールドするんだニャー」
ミケが言ったセリフを補足すると、この世界で1ゴールドは約100ドル、日本円にして一万円強ってところか。なので一皿10万円のシチューって事だ。
「まあ、これで武器防具を買える。アンタのお陰で正規レベルも上がったしね」
ソフィアが言った。
正規レベル?とはいったい。




