固定パーティ1
翌日、フードの男に言われた通り、城町西にある酒場へ向かった。
『アンゲラの店』
なんと!
ここもアンゲラの店か。
もしや、この街・・・・と言うよりドイツ語圏(多分)にある酒場は、全部『アンゲラの店』で、エリーという看板娘がいるんじゃないのか?
まあいい、入ってみよう。
内装も同じで、どうも気味が悪い。
そして・・・・やはりアンゲラおばちゃんがいた。
近くのテーブルを片付けている金髪娘が、背中を向けながら
「いらっしゃい」
と、こちらに挨拶をしてくる。
「失礼ですが、あなたはエリーと言う名では?」
「そうよ」
こちらを向いてニコッとした娘は、確かに『エリー』だった。
・・・・なるほど、どうせ親戚と言う設定なのだろう。
気を取り直して。
カウンターを見ると、フードの男に言われた通り、同じようなフードを被った人物がいる。
俺は隣りに座ると、アンゲラおばちゃんに、
「ジンジャーエール」
を頼んでから、
「カウント・ベイシー」
と小声で呟いた。
「アンタかい」
気の強そうな女の声がして、隣の人物はフードを脱いだ。
これは・・・・!
エリーの金髪よりも依り輝く金髪、切れ長の青い瞳、欠点の見当たらない顔のパーツ。
美女と美少女の中間の完璧な美女だ。
「フーン、なるほど、兄貴が言ってたとおり、弱っちそうなヤロウじゃん」
なんとも見た目とアンバランスな口の悪さ。
「あの、お兄さんの、紹介で、あ、来ました」
「アタシはソフィア。そう呼んで」
ソフィアは自己紹介すると、再びフードを被った。
そう言えば、『冒険者』と言われる連中から自己紹介を受けるのは初めてだ。
「で、あの」
「アンタ、アタシのツラ見てキョドったね?」
「はい」
俺は即答した。
「アタシの素顔を見た男は二種類の行動しか取らない」
「は、はあ?」
「口説いてくるか、キョドるかさ」
「は、はあ」
アンゲラおばちゃんがジンジャーエールを運んできた。
「それ呑んだら表に出な。ダチを紹介するよ」
俺は、今では絶滅危惧種のスケバンに絡まれているような気がした。




