表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/301

昼寝の後

 昼寝から目覚めると、まだ日が高かった。

 これで変な夢から目覚める、目論んだ俺の企みはもろくも崩れていた。

 「なんだこいつ、勇者のくせに昼寝してるぜ」

 寝起きの俺を囲んで、白人のガキが好き放題言ってやがる。

 そのうち、一人のガキ・・・・カルキン坊やそっくりのヤツが、

 「おまえ、勇者なのに城にいかないのかよ」

 などとほざいてきた。

 「何で俺が城に・・・・大体城なんてパンピーが入れる場所じゃ無いだろう」

 「おまえは勇者だから入れるんだぞ」

 カルキン坊やが俺を指差しながら囃し立てる。気に入らない。

 「どけどけ」

 俺はガキどもをかき分けて城門へ向かった。

 大体俺は・・・・俺は城門に向かいながら思考してみた。

 俺は誰なんだ?

 名前も年齢も、何処に住んでいたのかも思い出せない。

 アメリカって国があった。

 インターネットって仕組みがあった。

 プーチンと言うどこかの王様だか大臣がいた。

 太平洋というでかい海があった。

 俺は・・・・家族や交友関係は?

 思い出さない。

 いや、多分思い出さないんじゃ無くて、思い出したく無いんだろう。

 たいした人間じゃ無かったはずだ、多分。

 だからこんな異世界に飛ばされちまったんだ、多分。

 あ、待てよ・・・・コレはネットゲームの中の世界で、ラスボスをクリアすると元の世界に戻れるタイプなんじゃないか。

 そうだ、間違いない・・・・はずだ。

 俺は得体のしれないプレッシャーに押しつぶされそうになるのを紛らわせながら、城門を潜った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ