EP:23-Temple of Cocytus - the first half - 〜⑤〜
恩人との再開。
そして、新武器入手。
敵は倒し、目的の物は手に入れた。
後はこの異常気象の原因を突き止めるだけだ。
だけなのだが...倒したビッグフットを見ると。
真っ白なのっぺらぼうと軽装の鎧が更に砕けていく。
中にいたのは人だった。
道中に見かけた者と同じ、陸軍の制服が炎の中に見える。
それも、彼にとっては知った顔だった。
「マジかよ...おい!」
吸収弾を放ち、炎を消す。
多少焦げているが、五体満足...息もまだある。
急いで次に弾丸-水をシリンダーに入れ、撃ち込む。
込めるのは治癒のイメージ。
中々魔力を持っていかれる程の大治癒だが、見殺しにできる関係の人間じゃない。
それは嘗て、アレクセイを襲った際に自身を取り押さえて来た、陸軍元帥先代補佐。
どうしてここにいるのか...その名を、苦虫を潰した様な顔で紡ぐ。
「ドーマン・プロ―ゲルス...」
そしてヴェルノーズ家に来たばっかりだった彼に、軍家としての素養を叩き込んだ1人だったのだ。
怪我は治った、呼吸も安定している。
これで一安心。
初雪達もシェルターを解いて、合流。
「知り合いなの?」
「...あぁ、恩人だ。」
このまま置いておくのも心配だ、しかし時間も無い。
申し訳ないが、起こすしか...
「俺の事は放っておけ、小僧。」
手を伸ばそうとした瞬間、払う様に掛けられた声。
「ドーマン...のおっさん...。」
「あの生意気な小僧が...今回はよくやったと褒めてやる。」
「ちょっと、そんな言い方ないのよ...って。」
恩人であるブレードに対し、余りにも横柄過ぎる言い方にカチンと来た佳奈江だが、そのブレードに遮られる。
「どうしてあんたがここに?それに、何故バケモンの仲間を?」
「...」
沈黙。
わからないか、言えないか。
「言えないならいい、自分で調べるまでだ。」
本人の要望でもあるし、ここに置いていくとしよう。
見た所、銃かナイフは持っている様だし、少し回復すれば自衛くらいできるだろう。
初雪と佳奈江を連れてこの場を離れる。
離れようとした。
「陸軍を信用するな...」
その言葉が聞こえるまでは。
振り向いてその言葉の真意を問おうとするが、それより先に。
「アレクセイ様と相談しろ...この国の軍部も随分と腐敗が進んだ。」
「海軍だけじゃなく...か?」
「そうだ。」
短く返すと、彼は煙草を取り出し。
「おい、未成年いんぞ。」
「ちっ...面倒臭ぇな。」
指摘に従い、仕舞う。
何だか少し申し訳なくなった佳奈江だがそれはともかく。
「特に、研究班だ...俺はいつの間にか薬をかがされ。」
「気が付きゃお人形さんってか...災難だな。」
「全くだ...。」
さて、と繋ぎを入れて。
「そろそろ行け、ボサッとしている暇は無いだろう。」
仰る通りで。
今度こそこの場を後にする。
だが、最後に。
「これが終わったら旅館に顔出せよ、飲むぞ。」
「...わかったからさっさと行け。」
今度こそ、場を後にした。
折り返しと言った所か。
気をより引き締め、3人は神殿を駆ける。
そして着いたのは、最初の街。
悲嘆の神殿、本殿の前。
太く見るからに冷たい川のお堀がある...というのは先程も言った通り。
近づくだけで体力を奪われそうな程に冷たい。
ましてや冷気が上に壁を張るかのように飛んでいるから飛ぶこともできない。
が、今持っているこれなら。
「見せるの。」
と、初雪の指示に従う様に翳すが如く。
差し出した槍に両手を翳す彼女。
そしてこの神殿の入り口を開いた時と同じく呪を紡ぐ。
少し経って、槍が眩く輝きだす。
白蒼の光を伴いながら、槍の部分は残すものの。
見るからに色濃く堅き氷を生やす。
それはさながら死神の鎌の如く、鋭く。
巨大で暴力的な外見に。
見た目通り、氷の強い力を感じる。
頭上で旋風させてから大きく振りかぶって。
「はぁああッ!!!」
川を割るが如く、刃先を川に叩きつける。
すると、川は光を帯びながら凍り付く。
それはまるで、ミルククラウンを連続に繋げた如き、幻想的な橋を少し沈めたかの様に。
道を切り開いていた。
「大雪崩と名付けよう。」
「良いセンスなの。」
新武器...ラヴィーヌ。
金の槍を軸として刃や装飾が氷で構成された大鎌。
初雪の加護が付いており、氷の精製や破壊が容易に行える…と言った所か。
ポロフを待つ間すら惜しい。
まぁ、その内来るだろう。
自分達は自分達で。
深部へと急げ。
to be continued...
「ヒヒヒッ。」
今回はここまで。
閲覧ありがとうございました!
次回は水曜日、神殿の攻略も後半戦へ!




