EP:23-Temple of Cocytus - the first half - 〜④〜
ゼル伝的に言うなら、中ボス戦。
好きなのよね、こういう展開。
一旦、拠点の民家に戻って一息着く。
旅館の料理長から簡易食を預かっているので頬張る。
その間、ブレードは先程取った鍵を眺める。
十字の星を模した刺々しい鍵。
それを見て、初雪。
「見覚えがあるの、その鍵。」
「どこのか、わかるか?」
「丁度この真反対の奥なの。」
反対側の奥にはそこそこ大きめの建物が見えた。
教会っぽかったが、そこの鍵だろうか。
「確かめに行くか。」
「それがいいの。」
そうと決まれば、と腰を上げるブレードと初雪。
「待ってなのよ。」
それを呼び止めるのは佳奈江。
もう泣いていない。
「もう、絶対に足は引っ張らない...ちゃんと指示に従った上で役立って見せるのよ!」
だから、自分もついて行く...
そう言おうとしたが。
「誰が置いていくっつった。」
「授業は続くの、小娘。」
と、この返事。
安堵していいやら...いいのか。
「よろしくお願いしますのよ。」
今度こそ、ちゃんと。
道中、同じく化け物を蹴散らしながら到着。
鍵はぴったり合い、昔の物とは思えない程にスムーズに回る。
大きな扉を押して開き、長い廊下が見える。
生体反応...微量にあり。
ポロフだろうか、それならもっとうるさい程に感じる筈。
進むしかない、罠があっても今度こそ自分が護ると決意新たに進むブレード。
2人も気を引き締めてついて行く。
が、何事もなく奥の扉の前へ着いた。
反応はここからだ。
「何があるかわかんねぇ...ハツ、いざという時は。」
「氷を張って2人で隅にいるの。」
「それに従って甘えるのよ。」
よし。
新たに意を決して。
扉を開くと、広間。
椅子と祭壇が見える辺り、聖堂...なのだろうか。
どこか神聖な雰囲気を孕んでいる。
「ここなの、お前の求める物。」
成程、結果として手に入れる事ができる訳だ。
が、違和感。
その初雪が言う物...あるなら祭壇にでも置いてあるのが普通だ。
そして、妙な威圧感。
気づくのが早かったのが幸いした。
徐々に足元の影が大きくなっているのに。
「ちぃっ」
初雪と佳奈江を庇う様に押しながら転がる。
そして入れ替わる様に、自分達の立っていた場所を纏めて潰す様にナニかが降って来た。
ソレは巨大な白銀の鎧に身を包む人型...ビッグフット。
前に対峙したパワードスーツINアグリシアなど目では無い絶対的な威圧感。
何かを握っている。
金色の細い棒...槍にも見える。
それを振るい地面に叩きつけると、巻き起こる氷柱の波。
「くっ」
咄嗟に袈裟斬撃を繰り出すが、できたのは相殺だけ。
これは骨がいりそうだ。
「あいつが持ってるのがそうなの。」
「へー...そりゃタイミングがよろしい事で。」
この上なく最悪だ。
下さいと言って譲ってくれる雰囲気じゃない。
ていうか意思疎通ができる気がしない。
「とりあえず、わかってるな?」
「はいなの。」
2人で隅に向かい、氷のシェルターを瞬時に形成後閉じこもる。
「よーし...やるか。」
道中の敵と同じ様に考えるなら焔属性が良い。
弾丸-焔をシリンダーにセット。
属性を付加して斬りかかる。
だが、堅い。
手ごたえをあまり感じない。
即座に距離を取るが、それを追従するように氷柱を飛ばしてくる。
エンドブロウダーは多様出来ない、ここぞというタイミングを探さねばならない。
刀身を地面に刺し、炎の壁を作り出す。
拮抗は一瞬、壁をすり抜ける様に飛び出す氷柱が3つ程。
試しに一つ裏拳で弾き。
残りはインペリアルを引き抜いて弾く。
だが。
「チッ、面倒臭ぇ。」
弾いた裏拳の拳が凍り付いていく。
そこから徐々に身体に凍結が広がっていく。
急いで身体そのモノに炎を宿し解凍。
迷ってはいけない、今のが心臓に届けば即死だ。
焦るな、でも急げ。
世に完全は存在しない、どこかに弱点がある筈だ。
そこで考えながら動く。
先ず優先の一つ目は攻撃の目を自分に向けさせること、後ろの2人に危険が行かない様に。
次は弱点を探さねばならない、それも早急に。
このままでは防戦一方のままジリ貧だ、打破が欲しい。
避け、走りながら考えろ。
魔力に頼り過ぎても底を着く。
回復手段...ポーションはあるが、それも限りがある。
さて、自分も忘れているであろう事を思い出そう。
相手が放つ氷は魔力...とは少し異質な力を感じるがほとんど同じモノだと仮定する。
そう考え、ポケットから取り出したのは魔力吸収弾。
名の通り魔力を吸収し、魔石の代わりとして使用できる。
値は張るものの、大量に用意してある。
ローグのシリンダーにセットし。
今にも氷柱を放とうとしているビッグフットに狙いを定める。
これは一か八かの賭けだ。
氷漬けになっても一瞬は溶かせる。
連続でやられたら氷像の出来上がりでお陀仏だ。
放たれた。
だが同時に放たれた吸収弾が対突する。
製氷機が削ぐ様に氷が砕け散る。
それは向こうにとっても意外だったのか、動きが固まる。
意外と意思と言うのは存在するらしい、それはともかく。
この機を逃さない、氷には氷だ。
引力を以て弾丸を回収し、セット。
狙い、怯んでる真っ最中の木偶の坊目掛けて。
射撃。
胸部に命中したそれは鎧に染み込むように消えていき。
直後。
鎧が割れる様に崩壊していく。
鎧を構成していたのは氷、それに対して氷に纏わる現象を意識してぶつけてみた。
それは氷震。
氷河等が亀裂を生じた時に起こる地震であり、今回はそれを再現するべく氷の中に共振する魔力をイメージさせて込めた。
結果、見事に氷の属性を持った弾丸は同じ属性の鎧に入り込み。
中で共振魔力を存分に振るい、亀裂を発生させ。
擬似氷震を起こして鎧を崩壊させた。
鎧を無くしたそれはただの少し大きめの白い人型だ、多少鎖帷子等の鎧系統が纏わり着いているが先程までの堅さは無いと見た。
肉薄し、斬りかかる。
槍で受け止めるが、それを流し、柄を思いっきりぶち当てる。
押されて再び怯んだ所を袈裟から斬りつけていく。
次に回って蹴り飛ばし、地に左手を付ける。
星の魔術...引力の座標をビッグフットが吹っ飛ぶ先に。
「こっちに来い!!」
その言葉の通り、こちらに引き寄せる。
成す術なく胴から吸い寄せられるビッグフットに、得物を両手で構えなおし、迎撃態勢。
【Flame - Finishing Combat mode - Activity.】
刃に灯る、灼熱の紅焔。
それは瞬時に刃先に鳥の形を形成。
「焔獄鳳凰翔ァアアアアア!!」
斬撃に沿って形成されし獄焔を取り巻く鳳凰を飛ばす。
貫かれたビッグフットは身体中を焼き尽くされる。
透かさず炎が移る前に、身体を量子化し。
ビッグフットの持っていた金の槍を奪取した。
そういうモンちゃうでーと言われてもこういうモンとして扱って行きますので、悪しからず。




