嵐山④
「ゆーぼう先輩、遅い~、先に行きますよ」
改札を出て目の前にあったお土産売場に捕まる裕華を、早く出発したい歌織がいそがせる。
「すぐに行くから先に行ってて」
イケメンと買い物デートモードの裕華は、急いで移動するつもりはなかった。
「歌織先輩!先輩の欲しがってた、可愛い箸置きがあっちのお店にいっぱいありますよ~」
沙音はめんどうになってきたので、とっとと裕華と別行動になるように仕向ける。
裕華は沙音に目でOKと伝える。
「じゃあ、ゆー先輩、先に天龍寺に向かうっすね」
「了、すぐ行く~」
裕華は、歌織を引っ張って先に行く沙音に敬礼する。
イケメンは消えて行く後輩に気を取られ、裕華の敬礼を見落とした。
「さっきの写真のお礼をさせてください」
裕華は気を取り直して、乙女チックにイケメンに迫る。
「いやいや、そんなの御気になさらず」
イケメンが遠慮すると、裕華は距離を詰めてグイグイ行く。
「このハンカチとかどうですか?トロッコの柄が可愛くないですか?」
「かわいいですね」
「じゃあ、これにします」
裕華は有無を言わさず、同じハンカチを2枚持って、速攻でレジへ行った。
あっけにとられるイケメンのもとに、裕華はすぐさまお会計を済ませて帰ってくる。
「はぃ♡」
裕華がイケメンに包装されたハンカチとご当地サイダーを渡す。
「珍しかったんで買ってみました、良かったら飲んでみてください」
裕華が自分のご当地サイダーの瓶をあけて、一口飲む。
「あれ、これお酒ですか??」
裕華がご当地サイダーの瓶をイケメンに渡して確認してもらう。
「ほんどだ、これ、ゆずサイダーじゃなくてゆずチューハイですね」
イケメンが瓶を確認すると、裕華がイケメンにもたれかかる。
「やっぱり~、ごめんなさい。酔っちゃった♡」
シラフの裕華がイケメンの胸に顔をうずくめて、ほくそえむ。




