決戦前③
井ノ瀬裕華は空になったジョッキを持って売店へ行く、戻ってきた裕華の両手には缶チューハイがあった。
「まだ飲むんですか?」
「ここではビール、酎ハイまでよ。レストランでワインから飲むから」
裕華が当然のように返事する。
「歌織も一口飲んでみなさいよ」
井ノ瀬裕華から見れば、ほとんどジュースみたいなアルコール3%の甘い桃の缶チューハイを歌織は受け取る。
歌織の見た事のない、氷のようなパッケージに強いゼロと書かれた缶チューハイを裕華はグビグビ飲んでいる。
「あたし、お酒も炭酸も飲めないんですけど」
「いいから飲め、クリスマスなんだから飲め、飲めなかったらあたしが飲むから飲め」
パワハラ上司のように井ノ瀬裕華が酒をすすめる。
しぶしぶ、歌織は缶チューハイのふたに指をかけプシューと音をたてて開ける。
「これ美味しいですね」
歌織は満面の笑みを裕華にむける。
「でしょう」裕華はしたり顔でセクシーボイスを発する。
裕華が無言でミックスナッツの袋を差し出し歌織が無言で袋からナッツを手に取り食べる。
缶チューハイに口をつけてグビっと一口飲んだ歌織の耳が赤くなる。
「酔っちゃったかもしれません」歌織はトロンとした上目づかいで裕華に報告する。
「2口で酔ったの?おまえどんだけカワイイんだ!」
第一話、二話の音声データ出来ました。
ココナラで真瀬 みあ様に依頼し朗読して頂きました。
もしよければ聞いてみてください。
https://stand.fm/channels/601a9d7385b142d0d8b7349a
もしよければブックマークよろしくお願いいたします。




