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巻き込まれモブは逃げ出した!  作者: くろくろ
巻き込まれモブは…
14/14

元・敗北魔王は迎え入れる

はっぴーはろうぃん☆in 異世界の魔王城。

銀の閃光が走り、驚愕の表情を浮かべた首が飛ぶ。軽く飛んだ首は、向こうへころころと転がっていった。


崩れ落ちる華奢な身体を跳び越え、肉薄する男の前に人狼の騎士団長が立ち塞がる。狼頭のため表情は読めないが、男に対して最初から本気で掛かるらしい。騎士団長が全身の筋肉を漲らせて騎士服を自ら裂き、腰の剣を投げ捨てたからだ。


“騎士”といえども、人間のように剣だけを使うわけではない。むしろ『勝てば官軍』とばかりに、その武器は多種多様で、騎士団長は自身の肉体が武器である。…“騎士”団という名前の返上は、いまのところ議題には上がっていない。


「グルオォォォ!!」

「うおぉぉぉぉっ!!」


互いに咆吼し、人狼と男が激突する。


そして、一方。

顔色の悪い魔術師は、レイピア遣いの妙技に翻弄されていた。魔術を使おうと何度も口を開こうとするが、そのたびにレイピアが肩や腕、膝などを軽く突いてきて慌てて仰け反る、ということを繰り返している。おかげで、魔術を構築することが出来ずに青白い顔を更に蒼褪めさせていた。

レイピア遣いはその様子にニタニタと楽しいそうに笑いながら、魔術師の脇腹を突いて悲鳴を上げさせては愉悦の表情を見せている。まさに鬼畜…いや、ある異世界においては『ドS』といわれる人種であろう。


嬉々として魔術師を攻めていたレイピア遣いは、チラッと視線を上に向けて先程とは違った笑みを浮かべた。レイピア遣いの視線の先、そこには天井から鎖でもって吊るされた、巨大なガラスの鳥籠がある。ただし、中身は鳥…ではなく、ヒト型が二人。


片方は腰まである黒髪を一本の三つ編みにした、儚げな印象の美少女。とんがり帽子をかぶり、シンプルで身体の線にそった光沢のある黒いワンピースを着た彼女は革張りのソファに腰を下ろして紅茶を優雅に楽しんでいた。ワンピースはスリットが入っていて難なく足を組むことが出来ているが、日に焼けたことがなさそうな真白で魅力的な太ももが大胆に見えている。床もガラス張りなので下で行われている戦いは視界に入りそうなものだが、この美少女はまったく関心を向けずにキラキラした目でテーブルの菓子を順々にほっそりとした指で指していた。何やら口ずさんでいるが、内容は聞こえない。何かの魔術だろうか。

もう片方は、先のとがった長い耳を持つ幼げな少女。見た目は先程の少女を見た後では、凹凸の少なく平凡な顔立ちのせいでせいぜいが『可愛い』という評価しか出来ないが、とんがった長い耳と透き通った白い肌と、耳を覆う独特で複雑な彫り物がされた耳飾りと何枚も重ねた重さを感じさせない花びらのような美しいドレスから、彼女がとても貴重な存在なのだと知らしめた。

『誰にとって』どう『特別』なのか。長い耳と耳を覆う形の耳飾りは、エルフ族の特徴だ。エルフ族はほとんど金か銀の髪色をしているはずだが、黒は珍しい。ただでさえ稀少なエルフ族の黒髪というだけで、更に価値が上がるとレイピア遣いはほくそ笑み、金の掛かったガラスの鳥籠と、中の調度品、ところどころに粒は小さいが純度の高い魔石が使われた豪華な耳飾り、少女の身にまとうドレスからどれほど魔王が彼女に入れ込んでいるかわかろうものだ。

レイピア遣いの視線の意味に気付かない少女は、美少女が紅茶を勧めるのを断ってまで下の戦いを祈るように手を組んで見守っていた。


儚げで美しい女魔術師と稀少なエルフ族の少女。しかも、魔王からの寵愛も厚いとなればどのようにでも使えると、レイピア遣いは頭の中でいろいろと妄想しつつレイピアの先で顔色の悪い魔術師を突き回した。


「ケモノ頭はまかせて!行って!!」

「おう!!」


人狼と組み合っていた男は、後方からの声と共に飛びずさって距離を取る。とっさに距離を詰めようとした人狼に、炎の玉が殺到して押し返す。後方で声を張り上げたパーティーメンバーの女魔術師が放った魔術である。そちらに気を取られた人狼の横を悠々と走り抜け、パーティーのリーダーである男は玉座に座る魔王へと向かおうとするが————。


「あら、行かせると思って?」


悠然と構える美丈夫が、男のまえに立ち塞がった。彼は上背のある鍛え抜かれた身体と黄金色の肌をした、彫の濃い男らしい整った顔立ちの男である。


「丸腰でオレを止められると思っているのか!」

「あんた、騎士団長に思いっきり止められていたじゃない」


美丈夫のはっきりしたものいいに、男は逆ギレした。可哀想なものを見る目が堪えたのかもしれない。


「うるせえぇぇぇっ!!」


大きく振りかぶられた大剣は、男の背丈よりもじゃっかん大きい。大きさに見合ってだいぶ重いが、これは魔獣の首も岩も難なく切り落とせる業物だ。振りかぶったことにより遠心力が増し、勢い付いた大剣は美丈夫へとすごいスピードで向かう。

これから起こる残酷な場面を想像し、両手で顔を覆うエルフ族の少女とその頬を突いてにやつく美少女魔術師。


しかし、惨劇は起こらなかった。


「な、なに!?」

「ふふ~ん、こんななまくらであたしが倒せると思っていたの?バカね!さっきの騎士団長は四天王の中では二番目に弱いのよ!!」


だったら、四天王の中で一番強いお前が騎士団率いろよ、という魔王の脳内でのツッコミはさておき。

勢い付いた大剣だったが、美丈夫はあっさりと指先で受け止めてみせる。リーダーの男が押そうが引こうが、指の間に挟んだ大剣は微動だにしない。


「ウォーターボール!!」


敵の至近距離で得物を止められてしまったリーダーの窮地を救うため、後方にいる仲間の女魔術師が水の魔術を放つ。空中にある水分を集め、無数に作り上げられた水の玉は術者の指す美丈夫へと殺到した。とっさに唱えたとは思えないほど、基礎魔術でありながら数も大きさも段違いにすばらしい水の玉は、さすが少人数で魔王の間に辿り付くだけあると、感心されるくらいの威力であったのだが。


「あら、雨かしら?」

「そんなバカな!?」


殺到した水の玉は、あっけなく美丈夫の空いた片手で握った拳の前に霧散した。あり得ない現況を間近で見ていたリーダーの男は、驚愕を浮かべた顔面に仲間の水魔術の残骸である細かなしぶきをモロに食らう羽目になる。

全身びしょぬれになった男は、それでも大剣を離すことはない。それは称賛に値するが、しかし唖然とした表情で突っ立っている時間は短くても命とりである。何せ、目前にいるのはヒト型をしているとはいえ、敵である魔族なのだ。


「そーれ」

「ガハッ!?」


軽い掛け声と共に、大剣から指を離して握ったままだった拳を振るい、男を吹っ飛ばす。腹部に的確にめり込まれた拳の威力は掛け声からは想像が付かないほどに重く、踏ん張ることも出来ずに男は宙を舞い、後方まであっさり飛ばされて仲間の女魔術師を巻き込みながら床を転がることとなった。


「ポーション!…ふぅ、痛かった。って、リーダー!?しっかりしてぇ、リーダーあぁぁぁ!!」

「なに、一人でさっさと回復薬飲んで一息吐いているのよ」


転がるのが止まり、吹っ飛ばされて来た男の下から這い出してすぐに自身にろくにケガもしていないのにハイポーション(高級)を使って一息吐いた女魔術師は、血反吐を吐いてぐったりするリーダーに気付いて蒼褪めた。女魔術師の呑気な行動を眺めていた美丈夫は、呆れと自分が吹っ飛ばした男に対しては同情とをそれぞれ抱いたのだった。敵でありながら、不憫である。


ポーション(並)で、ちまちまリーダーを回復させる女魔術師は、その視線に自分の行動が批難させていると感じたようだ。向こうとしてはそんなつもりどころかただのツッコミでしかない、しかも他人事であるのでどうでもいいだが、女魔術師の暴言に速攻でブチギレた。


「うっさいわ、このオカマやろうぅぅぅぅ!!」

「なんですって!?」


リーダーを転がして杖を構える女魔術師に、紫に染められたうねる長髪に、ところどころリボンやら花やらを付け、ばっちりメイクをした美丈夫が躍りかかる。ミニスカートからふとまし…ゲフンゲフン、魅惑的な太ももを大胆にさらして飛躍した美丈夫と女魔術師によるキャットファイトが後方にて勃発した。

彫の濃い筋肉質な美丈夫と、優秀が可愛らしい顔立ちの女魔術師による醜い争いに、美丈夫の上に立つ魔王も女魔術師の身内である仲間たちも見て見ぬフリを貫くのである。


「みんな、楽しそうだね」

「そうですねぇ。でも、埃っぽくないですかー?埃って上に舞いますけど、佐藤に渡した紅茶に入ってませんかね?」

「…………」


片手に母が持たせてくれたパンプキンロールの乗った大皿、片手に近くに転がっていた頭を持った見慣れない白と紅の服を着た獣人の少女が、身に着けたマントから衣装全てを漆黒で統一した、人懐っこそうな雰囲気を持つ美青年にそう問い掛ければ、青年はサンドイッチが乗った大皿を呼び寄せた魔王に持たせて戦う一同を冷ややかに見詰める。

獣人少女と魔王がいそいそと大皿をガラスの鳥籠に運び…首のない華奢な身体がそれに続いてオードブルの乗った大皿を運び込むのを尻目に、美青年はどこからか取り出した羽根を模した形をした純白の長杖を構えて呪文を唱えた。

術が発動して、辺り一面を光が覆う!!


「…ふぅ、掃除完了!!さーて、あーちゃんが寂しがってるから行かなくっちゃ!」


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

「ひ、いやぁぁぁぁぁっ!!」

「化け物おおぉおお―!!」

「こっち来るなぁぁぁぁっ」

「ぐえっ!?ゲフッ、へぶし!!」


「うわぁ、ゾンビさんがゾンビらしい動きでパーティーメンバーに迫ってる!」

「見苦しいわねぇ」


『うわぁ』といいつつも目をキラキラさせているエルフ族の少女と、完全にドン引きする女魔術師はガラスの鳥籠から下界の騒動を眺めている。

レイピア遣いが腕を切り落とした顔色の悪い魔術師は、先程の聖なる光で半分溶けたまま、ずるぅりずるりと這いずってニンゲンたちへと迫っていた。その様子に恐れをなしたレイピア遣い含むパーティーメンバーは各々が悲鳴を上げて逃げ出していく。その途中で自分達のリーダー(未回復)を踏ん付けるという、『お約束』を忘れずにいたところがすばらしい。エルフ族の少女は、一人感心していた。


「晶、余興は楽しめたか?」

「リュー!!」


鳥籠に自ら料理を運び入れる魔王は、満面笑みでエルフ族の少女に問い掛ける。問い掛けるついでにお触りしているので、その手は少女の隣にいる美少女魔術師がつねっておいた。


「魔女殿…」

「何を不満そうにしているのよ」


「アヅちゃんも才臥さいがさんにしてもらった」

「うらやましいわけではないのよ!?」


勢いよく訂正して女魔術師…もとい、魔女はエルフ少女こと晶に抱き着いた。抱き着く意味がわからない。


「おもしろい余興があるって聞いていてけど、まさかリアルRPGのバトルシーンを見れるとは思わなかったよ」

「本当よね」


魔女は晶に同意しているが、彼女の父親がいる世界では魔法が普通に存在していて、あれと同じようなことは普段街を出れば見られる光景である。しかし、そのことをおくびに出さずに晶と一緒になってはしゃいでいる。親友と楽しみながら眺める光景は、また別格らしい。


「でも、あれは何?もう召喚陣は破壊されて、勇者様たちは呼べないって聞いていたけど」


「あぁ、あれらは勇者たちではない。国からの依頼でやって来た、選別された最強のパーティーメンバーだ」

「あれで?」

「不服そうだが、あれがそうだ。魔女殿に並び立てる魔術師は、なかなかいないからな」


父親の生まれ育った世界では、父娘共に『最凶』と名高い魔術師である。それと一緒に並べられたら哀れだと、魔王は魔王のクセに襲撃して来たニンゲンたちをフォローしておいた。


「何で今更、人間の国からそんな人たちが来るようになったの?…もしかして、あの召喚勇者様たちがいたから他の国も不可侵条約を破って……」

「いや、それは違う。不可侵条約自体は人間側と魔族側とで交わしているが、結界は魔族にだけ効くようになっている。それが今回の騒動の最中に偶然・・壊れ、魔族の長であるオレが召喚国に入って攻撃(物理)したから、どうも他の国の国民も不安になったらしい。だが、上層部は魔族にケンカを売ろうなんて思ってはいないそうだ」

「会いに行ったら、怯えられていたものねぇ」

「何故だかわからないが」


魔王も魔女も涼しい顔をしている。だが、晶を救うための協力を取り付けに行ったときにいろいろしたので、怯えられたのも仕方ないことだ。『いろいろ』については省略するが、取り敢えず強欲で腹の内が読めないはずの各国のふるだぬ…政治家たちが振るえ上がったのは事実である。


「とはいえ、国民の不安が上層部への不満になって爆発する前にどうすればいいか、ということが各国にある大使館に寄せられて、結果としてこうして同盟国内で最も強いパーティを送ってもらい、こうして部下たちが相手をしていたんだ」

「…大使館」


ファンタジー界にやたらと現実的なものが出て来たが、魔王も魔女もスルーした。


「逃げ帰った彼らの口から、それぞれ所属する国に『魔族には敵わない』ということを伝えてもらい、その後で魔王殿のお言葉をまた全世界放送しておけばいいというわけよ」

「むろん、こちらは手を出されない限りは攻撃はせず、今まで通り輸出入も外交も行うことになっている」

「つまり、事情を知らない国民に対するデモンストレーションってわけなのよ」

「部下たちもこの前の騒動で暴れられず、不満だったらしいからちょうどいいと思っていてな」

「はぁ~、なるほど。そんなことがあったんだね」


きっと、先程逃げ帰ったパーティーメンバーと、置いていかれてジャマだったためゾンビ族の魔術師(溶けてでろでろ)が魔術で送り帰したリーダーの男が、思惑通りに事を運んでくれるはずだ。

ただ、魔王城が恐怖の城というアトラクション的なものと間違って仕えられないことを祈るばかりである。


「おまたせー!これで全部、運び終わったよ」

「はっちゃん、ごめんねやってもらって」

「いいよ。あたしは母さんのロール持って来ただけで、料理も盛り付けもやって出水たちにやってもらったからね」

「私たちは着替え終わって手が空いていて、ちょっとしたものを作っていただけなのよ。だから、気にしなくてもよかったのに」


「いやいや、あたしは二人みたいに平然と、こんな完成度の高い人の傍に立てないから!リアルだねぇ、その魔王のコス」

「ドン引き」

「これはじま…!」

「リュー!しぃー!!」

「晶…」


さわやかに笑いながらも高速で距離を取る晶の友人。彼女は友人の幼馴染兼恋人の仮装の完成度の高さに恐れ慄いていた。もはや、趣味のレベルではない。あれは|仕事着と本当に生えているもの《魔王の正装》だが、知らない人から見ればクオリティの高さが恐ろしいだろう。本気ガチ過ぎて。

在位してだいぶ経つが、恐怖される意味が違う魔王であった。


そのことに魔王は傷付くどころか、とっさにいつものように訂正しようとして晶に止められている。『しぃー!!』のときの恋人の仕草が可愛すぎて和んでいるだけなので、正確には止まっているわけではないが、それは言わぬが花だ。


「あなたのその衣装も、かなり凝っていると思うのだけど?」

「これはバイト先から借りたの」

「バイト?」


「あぁ、うちの母の実家のか」


どこからともなくわき出した美青年が、会話にスムーズに入って来た。


「神社でしたっけ、確か」

「そもそも、持ち出していいの?その巫女服」

「うん、大丈夫だって。友だちとハロウィンパーティーするっていって借りて来たから、きちんと了承はとってあるよ」

「「「……」」」


頭に三角耳と臀部にふさふさの大きな尻尾を付けた友人は、きちんと説明して借りて来たことを主張するが、三人はそのことを注視していたのではない。

すぐに目を逸らして魔王と晶は吸血鬼の仮装をした美青年の血筋を思って遠い目をし、魔女は彼の胸倉を掴んで前後に揺さぶった。


「なんで納得して貸し出すのよ、あんたの血筋は!!」

「ハハハ!楽しいことが好きだからねぇ、うちの家系は」


どういう家系だ。そんなツッコミが頭を過ぎったが、誰も口にしなかった。晶の友人に至っては、さっさと頭を切り替えて、こちらも完成度が高く見える友人の長耳に注目している。


「ところで出水のその耳、本物っぽいねぇ。触ってもいい?」

「どうぞ。…ただ、あまり引っ張らないでね?」

「あはは、大丈夫だよ。でも、ずいぶんしっかり接着してるね。外すとき、痛くないの?」

「大丈夫だと思う。これはまじっくあいて…ゲフンゲフン。大丈夫!きちんと外れるから!」


まさか、こんな変身グッズまで親友の従兄が作っているとは思わなかった晶である。快く貸し出してくれたマジックアイテムのことを、現実主義な友人に話すことも出来ずにテンションを高くしてごまかしておいた。

特殊メイクだと思っているらしい友人はそれを信じて、まじまじといろいろな角度から晶の長耳(自前)を見てしきりに感心している。


「ふーん。でも、あたし知らなかったな。父さんと兄貴の会社がこんなテーマパーク作っているなんて」


「「「えっ?」」」


「スタッフの人の演技もすごいよね。刎ねられた瞬間に首を飛ばすのって難しいと思うし、魔法使いの恰好した人とでろでろに溶けたゾンビの恰好をした人とどのタイミングで入れ替わったのかわからないし。しかも、みんな外人さんなのに日本語上手だよね!!」


「えっと、はっちゃん。私も最初は現実逃避したんだけど、ここは」

「あっ!ディラハンのお姉さん!なにー?」


先程、頭を回収してくれた礼をいいに来たらしい首なし騎士(ディラハン)に呼ばれたらしく、晶の言葉を遮って駆け出す友人。去ってゆく友人に手を伸ばしたまま固まる晶。

その後ろ姿が寂しげで可愛かったと後に語る魔王は、恋人の背中にへばり付いて魔女に引っ叩かれるのであった。

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