SOS 202 融和
「(ナニコレ!)」
「(ほえっ?!)」
「(うわっ!)」
「(えっ! なにっ?!)」
「(……!)」
五人の驚きは不思議な響きとなって
空間にこだまする。
それは声ではなく、響きそのもの。
「(これって、言葉――いや、思念そのもの?)」
地人族の少女が察する。
「(正解です。ここは思念体のみ
認識する事が出来る仮想空間ですよ)」
白雪が賞賛の声を届ける。
見えないが、すぐそこにいるのは確か。
そういう不思議な感覚が実感出来た。
「(妙な考えを起こす方がいるかも
知れませんしね)」
白雪の言葉に、全員が息を呑む。
「(因みに、今のあなた方の身体は
無防備な状態です。それを、
お忘れ無きようお願い申し上げます)」
言外に身体を人質にとった事をほのめかす。
白雪は、まずは圧倒的な力の差を見せつける事で
五人の反抗心を叩き折る。
「(……なお、考えていることは
全てこちら側へは筒抜けとなりますので。
何かを考える時は丁寧に思考してください)」
「(……いや、意味わかんないし!
これがコイツの能力?
マジ化けモンじゃん!)」
「(減点1)」
「(!!)」
獣人族の少女が思念のみでのたうち回る。
音声を強制的に無音にしているので
叫び声などは聞こえないが、
恐らく思念体に直接折檻を加えているのは理解出来た。
「(当家は減点制度を取り入れております)」
「(あー! あたしらご主人様の味方です!)」
「(そうそう、ほんとそう!)」
「(……言葉遣いはアレですが……、
まあいいでしょう)」
光人族の双子少女は
あっさりと完全鞍替えを約束した。
「(……私も、あなた方のもとに
降りましょう。ですが、できないことはあります)」
「(……まあ、いいでしょう。
出来ない云々についてはいずれ)」
地人族の少女は不承不承で了解した。
白雪は彼女が普通の暗殺者ではないと
薄々気がついていた。
「(…………ません)」
しかし、彼女だけは違った。
「(はい? いま、何と仰いましたか?)」
「(…………でき、ません。
あなた方に降ることは。
…………出来ません)」
「(ちょ、おい。殺されるぞ)」
「(嘘でもいいから、降っとけって)」
光人族の双子が助言する。
「(減点2)」
「「((!!!!))」」
2人がのた打ち回る。
「(……ふむ。理由をお聞かせ下さいな)」
白雪の言葉に、少女は震えながら答える。
「(っそ、その力を、どうする、
つもりですか?
私達に何をする、いえ、何を……
させるつもりですか?)」
白雪はその海人族の少女に向かい合う。
その目は、真剣だ。




