7-8 無限大に愛してる!
7ー8 無限大に愛してる!
それから、しばらくは、祝賀会だのなんだので、俺たちは、忙しくなった。
全てが落ち着く頃には、クリスティア王国にも、遅い春がやって来ていた。
俺たちは、エレクシア王国へと帰国した。
もちろん転移ゲートでな。
帰国したおれたちを人々は、熱狂的に迎えてくれた。
そして、祝賀ムードは、いつまでも続いていた。
パーティーが終わって王宮が静まり返った頃、2つの人影がそっと王宮を抜け出していった。
姫とカリファだった。
彼らは、着の身着のままで、予言の書だけを手に、他には、何一つ持つこともなくこの国から去ろうとしていた。
俺は、少し前から姫たちの様子がおかしいことに気づいていた。
王宮の外で俺が姫たちを呼び止めると、姫は、俺に言った。
「私たちは、2人で、どこか遠くにいって、静かに暮らします」
「この国は、どうするんだよ?姫は、この国の女王なんだろ?」
俺が言うと、姫は、儚げに微笑んだ。
「この国は、あなたの国です、カナメ。あなたが王になるべきです」
「わかってないなぁ」
俺は、ちっと舌打ちした。
「姫が女王だから、俺たちは、好きなことやってられるんだよ?姫がいなかったら、俺たち、困るんだよ」
「カナメ・・」
姫は、ふっと笑った。
「やっと、私の真価に気づいたのですね。いいでしょう。あなたがそうやって泣いて引き留めるのなら、私たちは、ここに残りましょう」
いや。
俺は、苦笑いした。
別に、泣いて引き留めはしてないけどな。
けど。
まあ、いいか。
姫は、姫だしな。
初夏の頃。
俺とアズミちゃんの結婚式が執り行われた。
魔界とエレクシア王国、両国をあげての一大イベントだ。
世界中から来賓が集まり、エレクシア王国は、お祭り騒ぎだった。
その頃、エレクシア王国では、ベビーブームが訪れていた。
なんと!
アリサも子供を産んだ。
エリオスにちっとも似ていない可愛らしい女の子だった。エリオスに似ているのは耳と尻尾だけだった。
エリオスは、嬉しげに自慢した。
「どうだ?この立派な耳とフサフサの尻尾は?魔界1、いや、世界1の美人になるぞ!」
本当に、親バカもいいところだが、マジで可愛らしい赤ん坊ではあった。
アズミちゃんも結婚式の準備の合間に可愛がってやっていた。
「カナメ」
アズミちゃんが微笑んだ。
「僕も、こんな赤ちゃんが欲しいな」
マジですか?
俺は、かっと頬が熱くなった。
「いや、その、なんというか」
「カナメ?」
「とにかく、もう少し、待って、アズミちゃん」
子供を作るのは、アズミちゃんがもう少し大きくなってからでないと。
それまでは、2人の時間を楽しもう。
ゆっくりと。
2人で大人になっていこう。
そして、いつか、俺たちの子供が生まれたら、俺は、ありきたりだが、こう言ってやりたい。
「お前は、世界で2番目に愛されている」
この世界の中で全てをあわせても、アズミちゃんと子供たちが1番、2番は、独占間違いなし。
俺は、アズミちゃんをぎゅっと抱き締めてキスした。
これが、今は、精一杯。
だけど、愛する心は、無限大、だ!




