6-2 ばれちゃった?
6ー2 ばれちゃった?
「それは・・」
俺は、考え込んだ。
なんで、俺、姫のためにこんなに尽くしてるんだ?
姫は、まあ、外見は美少女だけど、性格は極悪だし、人使いは荒いし、偉そうだし、本当、いいとこなんかないな。
だけど。
姫は、クリスティア王国でヨハンナに召喚されてすぐに、追い出された俺を拾ってくれた。
異世界で何もわからなかった俺に居場所をくれた。
隠してた秘密を打ち明けてくれた。
魔界に一緒に行ってくれたりもした。
そして、アズミちゃんとのことでは、俺の背中を押してくれた。
「姫は、本当にろくでもない女王様だけど、なんか、ほっとけないんだよ」
俺は、アズミちゃんに言った。
「世間知らずのお嬢様のくせに自分は、なんでも出来ると思っているし、世界で一番自分が偉いと思ってるけど、本当はなんにもできないし」
「この国を造ったのは、あの人じゃない」
アズミちゃんが言った。
「この国を造ったのは、カナメ、だよ?本当に王様になるべき人がいるとしたら、それは、姫じゃなくってカナメだよ!」
まあ、それは、そうなのかも。
俺は、思ったけど、言わなかった。その代わりに、俺は言った。
「俺は、そんな重責を背負いたくない。王様なんてやりたい奴がやればいいさ」
「そんなの、酷いよ!」
アズミちゃんが抗議した。
「僕だって、本当は、魔王なんかになりたくなかった!ただのアズミとしてカナメの側にいられたら、どんなにいいか!」
「アズミちゃん」
俺は、アズミちゃんの肩に手を置いた。
アズミちゃんは、泣いてた。
俺は、アズミちゃんを抱き締めていた。
「ごめん、アズミちゃん。俺、俺は、アズミちゃんが魔王でも、ただの人でも、なんだって一番好きだ。ずっと、離したくない」
「カナメ」
「結婚しよう、アズミちゃん」
俺は、アズミちゃんを抱いたまま囁いた。
「俺がクリスティア王国から戻ったら、すぐに結婚しよう」
「うん!」
アズミちゃんが目に涙を溜めたまま頷いた。
俺は、一度、家へ戻ると、翌日、ちゃんと堂々とクリスティア王国へと旅立つことにした。
俺がアズミちゃんとホリィ、エリオス、アリサたちに見送られて出発しようとしていると姫が駆けつけてきた。
「カナメ!」
姫は言い放った。
「なぜ、クリスティア王国へ行くのですか?私は、許しませんよ!あなたが勝手にクリスティ王国に行くことは、エレクシアに対する重大な裏切り行為と見なします!」
「裏切りって・・」
俺が姫に罵られているのを見たアズミちゃんが思わず姫に言った。
「もう、カナメをバカにしないで!あなたなんて、本当は、姫ですらないんだから!」
「ええっ?」
姫に問われて、アズミちゃんがはっと口元を押さえた。




