選択画面の呼び出し
こうして私は、“決闘”をすることになりました。
それも異性相手に。
普通逆じゃないかな、と思いながら“設定”を見ていく。
選べる付加属性は四つまで。
制限があるのは仕方がない。なにせ、
「? 何だっけ、思い出せない」
理由があった気がする。
選べる属性は四つまで。
とりあえずさっきまでついていたもののうち、“主人公補正”はつけておく。
他の人達に魔法が当たっても大丈夫にしておかないといけない。
どうやら私の魔法はこの世界で強い物のようだから。
他の三つはどうしよう、戦闘をするのだととこれかなと選択画面から選んでつけていく。
「どうしたミドリ。今更ながら怖気づいたか? ついたなら早く謝って、“決闘”を取り消せ。目立つな。……怪我をするかもしれないし」
「チュートリアル君は心配性だな、もう。しかも素直じゃないし~」
「もうその名前で呼ばれるのはどうでも良くなったからいい。はあ、こんな目立つ行動をして、はあ」
「理由は説明したじゃない」
「目立たない方がいいんだよ。相手が知らないうちに奇襲がかけられる」
「大丈夫~、おけ?」
「おけ? じゃなくて、はあ。なんとなくミドリは間抜けそうに見えるから、裏で暗躍しないといけなそうだな、俺が。……なんで俺がこんなに苦労をしているんだろう」
「呼び出したからだよ。それに、チュートリアル君だから」
「……本当に、“チュートリアル”ってどういう意味なんだ?」
頭を抱え始めたクロード君を見ながら私は、心配性だなと思った。
もう少し楽観視すべきと私が思いながら歩いているとそこで、クロード君があらぬ方向に歩いていこうとする。
だから私は慌てて止めに入り、
「チュートリアル君、何処に行くの?」
「競技場だろ?」
「そっちじゃなくてこっち。そう、確かこっちだったね」
「……何で場所を知っているんだ?」
「なんとなく? この辺りは何となく覚えがあるような?」
「……やはり、記憶も含めて頭のねじが幾つか飛んでいるのか」
「……」
嘆息するクロード。
だがどうやら記憶が飛んでいるのは確かなようだ。
さらに進んでいくと、競技場が見えて、マリアやクレイ、他にも今日の行きがけに会った人たちがいる。
マリア以外が警戒したように私を見ている。
うーん、なんでこんなに警戒されるかな、そう思いつつも審判であるらしい学園の先生が(名前は知らない)、
「おーい、こっちだぞ~」
「はーい。じゃあ、行ってくるね」
「……気を付けるんだぞ。油断するんじゃないんだぞ」
そうクロードが私に声をかけて、うん、と私は頷いたのだった。
始めの合図で戦闘が始まる。
クレイは警戒したように私を見て呪文を唱え始めるが、
「まずは“選択画面”の呼び出し」
そう呟くと、水色の光の枠のような選択画面が呼び出された。
横にあるバーをずらしたり、目的の魔法の種類別から魔法を選んでいく。
今回は炎の魔法のようなので氷で行こうかなと私が思っているとそこでクレイが、
「なんでお前がその魔法を使えるんだ!」
「特殊能力です」
聞かれたので、とりあえず私はそう返しておいたのだった。




